Trademark Appeal Case
造語商標の分離観察の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90049(T2005−90049/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4814558号商標(以下「本件商標」という。)は、平成16年4月7日に登録出願、「SyntheNavi」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、商品及び役務の区分第9類、第10類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年10月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、1972年3月28日スイス連邦においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、昭和47年6月7日に登録出願、「SYNTHES」の欧文字を横書きしてなり、商品の区分第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同50年7月22日に設定登録された登録第1135264号商標、同じく、1999年7月12日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成11年9月28日に登録出願、「SYNTHES」の欧文字を横書きしてなり、商品及び役務の区分第1類、第5類、第10類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同13年8月10日に設定登録された登録第4498040号商標(以下、一括して「引用商標」という。)と称呼上類似するものである。
よって、本件商標の指定商品又は指定役務中の第10類及び第42類に属する指定商品又は指定役務は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標の構成中の「Navi」の文字部分は、「衛星などを利用して電波で位置を測定して目的地までの道案内や航路指示をする装置。カーナビなど。」として親しまれているものであるから、本件商標をその指定商品中の第9類の指定商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
よって、本件商標の指定商品中の第9類に属する指定商品は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SyntheNavi」の欧文字を標準文字で書してなるところ、全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずる「シンセナビ」の称呼も、よどみなく、一気一連に称呼し得るものであり、また、これを「Synthe」と「Navi」とに分離して観察しなければならない特段の理由を見いだすことはできない。
登録異議申立人は、「本件商標中の『Navi』の語は、現在では『navigation』又は『navigator』(「操縦」「誘導」「走路指示者」又は「案内・紹介」の意味合い。)の略語として普通に使用されている語であり、また、Googleのウェブ検索例による『Navi』及び『ナビ』の項には『SCHOOL NAVI』『スポーツナビ』等の使用例があることよりすれば、本件商標の指定商品又は指定役務中の第10類及び第42類との関係においては、自他商品・役務の識別力を有しないものであるから、構成中の『Synthe』の語は、独立して自他商品の識別標識として機能し得るものである。よって、これよりは、『シンセ』の称呼をも生じるものである。」旨主張している。
しかしながら、本件商標は、上記したとおり、「Synthe」と「Navi」とに分離して観察しなければならない特段の理由はなく、また、特定の観念を生じ得ない一連の造語商標というのが相当であるから、これより生ずる称呼は、その構成文字に相応して「シンセナビ」の称呼のみであるといわざるを得ない。
これに対し、引用商標は、「SYNTHES」の欧文字よりなるものであるから、該文字に相応して「シンセス」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じない造語であるというのが相当である。
そこで、「シンセナビ」と「シンセス」の称呼とを比較するに、両称呼は、前半の「シンセ」までの音を同じくするものの、後半における「ナビ」と「ス」の音の差異において、十分に聴別し得るものである。
さらに、本件商標が特定の意味合いを有しない一連の造語と判断されることは、上記したとおりであるから、両商標は、観念上比較し得ないものであり、また、それぞれの構成より見て、外観上相紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれより見ても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標が一連一体に書された特定の観念を生じ得ない造語商標であることは、上記(1)で認定したとおりであり、かつ、構成中の「Navi」の文字が特に目立つというような特段の事情もないから、本件商標の指定商品中の第9類に属する商品に接する取引者・需要者が、該「Navi」の文字より、登録異議申立人主張のような商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
(3)結び
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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