Trademark Appeal Case
濁音と鼻音の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90774(T2004−90774/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4804453号商標(以下「本件商標」という。)は、「コナビ」の文字を横書きしてなり、平成16年1月27日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年9月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標と下記の(a)及び(g)に示した商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)は、称呼上相紛らわしい類似の商標であり、かつ、その指定役務は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商品又は役務を示すものとして需要者及び取引者の間で周知著名であることは明白であり、引用商標に類似する本件商標を、本件商標権者が本件指定役務に使用すると、その使用がされる役務が申立人若しくは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であると誤認し、その需要者が役務の出所について混同するおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
記
(a)別掲のとおりの構成よりなり、平成14年5月10日に登録出願、第9類、第16類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年4月18日に設定登録された登録第4663727号商標
(b)「e.konami」の文字と「イードットコナミ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成12年5月11日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年8月17日に設定登録された登録第4500008号商標
(c)「E−konami」の文字と「イーコナミ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成11年12月8日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年1月19日に設定登録された登録第4446261号商標
(d)「コナミ」の文字を横書きしてなり、昭和59年6月1日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録された登録第1890846号商標
(e)「コナミ」の文字を横書きしてなり、昭和59年6月1日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年4月28日に設定登録された登録第2132761号商標
(f)「コナミ」の文字を横書きしてなり、昭和59年6月1日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年1月23日に設定登録された登録第2107012号商標
(g)「KONAMI」の文字を横書きしてなり、平成14年4月4日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年3月7日に設定登録された登録第4651141号商標
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「コナビ」の文字よりなり、該構成文字に相応して「コナビ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、別掲及び上記のとおりの構成よりなるものであり、それぞれの構成文字に相応して「コナミ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「コナビ」の称呼と引用商標より生ずる「コナミ」の称呼とを比較すると、両称呼は共に3音で構成されているうちの第1音及び第2音の「コナ」の音を共通にし、第3音において「ビ」と「ミ」の音の相違を有するものである。
そして、相違する「ビ」と「ミ」の音についてみると、「ビ」の音は、両唇を合せて破裂させる有声子音[b]と母音[i]との結合した音節であって、有声の破裂音といえるのに対し、「ミ」の音は、両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音[m]と母音[i]との結合した音節であり、有声の通鼻音ということができる。また、前者が力のはいる濁音であるのに対し、後者は柔らかい弱い音といえ、これら両音は、母音[i]を共通にするものの音質が異なる音ということができる。
また、これらの音を前音との関係よりみると、前音の「ナ」の音が舌尖を前硬口蓋に接触して発する鼻子音[n]と母音[a]との結合した音節であり、有声の通鼻音であることからすると、前者の「ビ」の音は、音の性質上前音より強い音として発音されるということができるのに対し、後者の「ミ」の音は、前音と同様の音調で平坦に柔らかい音として発音されるということができる。
そうすると、これら「コナビ」と「コナミ」の両称呼は、わずか3音という短音で構成され、そのうちの相違する「ビ」と「ミ」も音質が相違することにより、全体の語調においても異なるといわなければならないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、彼此相紛れるおそれはないものと認められる。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観及び観念においてはもとより、「コナビ」と「コナミ」の称呼においても類似するものではないといわなければならない。
なお、申立人は、審決例を挙げるが、いずれも音構成が異なるものであり、上記判断を左右するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用商標とは類似しないものであり、他に混同を生ずるとすべき特段の理由も見出せないものであるから、引用商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る「ゲームソフト事業」等の商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。