Trademark Appeal Case
図形商標の称呼・観念認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90174(T2003−90174/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4633049号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成14年3月20日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第33類「英国スコットランド産のウイスキー」を指定商品として、同14年12月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、平成8年11月26日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第33類「洋酒,果実酒」を指定商品として、同10年6月12日に設定登録された登録第4156249号商標及び平成9年4月1日に登録出願され、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第33類「ドイツ産のリキュール」を指定商品として、同11年1月14日に設定登録された登録第4231278号商標(以下、これらをまとめて「引用各商標」という。)と類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用各商標は、異議申立人(以下、「申立人」という。)が、商品「ハーブリキュール」に永年使用してきた結果、取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。
したがって、本件商標をその指定商品に使用された場合、需要者が申立人若しくは申立人と関係のある者の業務に係る商品と誤認され出所混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、極めて写実的に描かれた鹿の全体像よりなるところ、これより「シカ」の称呼、「鹿」の観念を生ずるものと認められる。
他方、引用各商標において、顕著に表された図形部分は、鹿の頭部の図形の上に光り輝く白抜き或いは白色の十字架を描いた特異な図形よりなるところ、この十字架と鹿とは、一体不可分に結合された図形として看取されるとみるのが相当であって、しかも、欧紋章に近いイメージをもたせる図形であることから、これより、直ちに、特定の称呼、観念を生ずるとも認められない。しかし、強いて言えば、該図形部分を構成する各要素から、例えば「ジュウジカトシカクビ」の称呼、「十字架と鹿首」の観念を生ずるとも否定し得ないところである。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較検討すると、その構成前記のとおりであるから、外観について区別できるものである。
つぎに、称呼、観念についてみるに、本件商標は、「シカ」(鹿)の称呼、観念が生ずるに対し、引用各商標は、特定の称呼、観念が生じないから、両商標を比較することができない。
また、仮に、引用各商標から、「ジュウジカトシカクビ」(十字架と鹿首)の称呼、観念が生ずるとしても、本件商標から生ずる「シカ」(鹿)の称呼、観念とは、明らかに区別できるものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても十分識別し得るものと言わなければならない。
そして、他に、両商標が類似すべき理由を発見し得ない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用各商標は、申立人の業務に係る商品「ハーブリキュール」に使用されて、取引者・需要者の間に広く認識されている旨主張し、その周知著名性を証する証拠として甲第4号証ないし同第14号証を提出しているが、本件商標と引用各商標は、前記のとおり、別異の商標であって、引用各商標の周知著名性についても、提出された証拠を精査するも認めることが出来ない。
加えるに、証拠に示された使用例は、申立人の業務に係る商品であるハーブリキュールの「イエガーマイスター」に関するものであり、その瓶に描かれた引用各商標が「シカ」(鹿)と称呼・観念されて取引に当たっているという事実は見当たらない。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
なお、申立人は、審決例(甲第15号証ないし甲第17号証)を提出しているが、これら審決は、本件商標と事案を異にするばかりか、そもそも審決は、客観的証拠に基づいて個別、具体的に判断されるものであるから、特段の理由がない以上当審の判断が前記審決例によって左右されることはない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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