Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90633(T2003−90633/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4688690号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年10月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年7月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、後記(2)に示した6件の登録商標と「アサヒ」の称呼及び「朝日」、「旭」の観念において類似するものであり、その指定商品も同一又は類似のものである。
また、「アサヒ」、「ASAHI」ブランドは、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして認識されている周知商標であるから、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)引用登録商標
(a)「アサヒ」の文字を横書きしてなり、昭和26年2月28日に登録出願、第61類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年7月7日に設定登録され、その後、指定商品については、平成16年9月22日の書換登録により、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となつた登録第413339号商標
(b)「アサヒ」の文字を横書きしてなり、昭和26年2月28日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年2月29日に設定登録され、その後、指定商品については、平成15年11月19日の書換登録により、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となった登録第409160号商標
(c)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年2月16日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、指定商品については、平成14年11月27日の書換登録により、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となった登録第2350958号商標
(d)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成4年3月13日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年7月31日に設定登録された登録第2715038号商標
(e)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成4年3月13日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月29日に設定登録された登録第4048838号商標
(f)「アサヒ」の文字を横書きしてなり、平成9年3月27日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年11月27日に設定登録された登録第4214723号商標
上記引用登録商標を一括して、以下「引用商標」という。
なお、引用登録第2632851号商標は、平成16年3月31日に商標権存続期間の満了により消滅し、同16年12月15日付けで抹消登録がされている。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、青色の縁取りを有し、橙色を地色とする正方形状の図形内に、縁取りの色と同色の矢印の図形が、跳ね返る様を表すように左下方で折り曲げられ、矢尻部が右上に向うように、やや弧を描くように表されており、該矢印の図形の表面には、「GUARD」の文字が白抜きで書されている。また、該「GUARD」の文字が書された矢印の図形の左上方には、縁取りの色とほぼ同色で「ASAHI」の文字が横書きされ、その末尾の「I」が矢印の図形に接するように配されているものである。さらに、矢印の図形の下方には、水滴と思われる図形が数個描かれている。
上記に認定した本件商標の構成によれば、本件商標は、青色と橙色との色彩のコントラストが全体の構成にきわめてバランスのよい印象を与えるばかりでなく、「GUARD」の文字が書された矢印の図形と「ASAHI」は、正方形状の図形内にまとまりよく配されているものであるから、構成全体をもって特異性のある商標として、看者に認識されるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成中の「ASAHI」の文字部分のみを分離、抽出して、称呼、観念すべきものではなく、他に、「ASAHI」の文字部分のみが独立して把握、認識されるとみるべき格別の事情は見出せない。
したがって、本件商標は、これより「アサヒ」の称呼及び「朝日」、「旭」の観念のみは生じないものであるから、引用商標と称呼及び観念において類似するものでないばかりでなく、それぞれの構成よりして外観においても類似しないものである。
(2)申立人は、「アサヒ」、「ASAHI」ブランドは、申立人の業務に係る商品「靴」等について使用され、本件商標の登録出願前より需要者の間で広く認識されていたとして、甲第9号証(日本商標名鑑’91)を提出する。
確かに、申立人の上記主張は、あながち否定し得るものではないが、「アサヒ」、「ASAHI」の語からは、一般的用語としての「朝日」等が容易に想起され、独創性に乏しいものといえるばかりでなく、前記(1)で認定したとおり、本件商標は、構成全体をもって特異性のある商標として、需要者に認識されるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、申立人の上記商標を連想、想起することはきわめて少ないというのが相当である。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはない商標といわなければならない。
(3)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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