Trademark Appeal Case
欧文字造語の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90220(T2004−90220/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4740621号商標(以下「本件商標」という。)は、「Epseed」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年7月30日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人の引用する登録第4442015号商標(以下「引用商標」という。)は、「イースピード」の片仮名文字と「ESPEED」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成11年10月12日に登録出願、第9類、第36類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同12年12月22日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と独立して自他商品識別機能を発揮し得る引用商標の欧文字部分とは、ともに6文字という比較的長い文字構成からなり、そのうち、最も看者の注意を惹く語頭の「E」及び後半の「EED(eed)」を共通にし、異なるのは、あまり意識されない中間部分における「ps」と「SP」の差異であり、これとても「P(p)」と「S(s)」の文字配列が逆になっているのみである。
したがって、両商標を時と処を異にして離隔的に観察するときは、全体から受ける外観的印象は極めて近似したものとなり、外観上相紛らわしく、互いに混同を生じさせるおそれがある。そして、両者は、その指定商品においても同一又は類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるところ、本件商標は、その構成文字に相応して「イプシード」あるいは「エプシード」の称呼を生ずるものと認められる。一方、引用商標は、その読みを特定したものと無理なく理解される片仮名文字に相応して、「イースピード」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすれば、本件商標から生ずる「イプシード」あるいは「エプシード」の称呼と引用商標から生ずる「イースピード」の称呼とは、その音構成において明らかな差異を有し、全体の語調・語感も異にするものであるから、称呼上、互いに明瞭に聴別し得る差異を有するものと認められる。
また、本件商標と引用商標の欧文字部分との外観を比較してみても、本件商標は、語頭の「E」の文字を大文字とする以外は全て小文字で表されているのに対して、引用商標の欧文字部分は、その構成文字全てが大文字で表されているばかりでなく、両者は、中間部分とはいえ、明らかに字形の異なる文字の配列である「ps」と「SP」の差異を有するものであるから、さほど長い文字構成とはいえないこととも相俟って、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
さらに、両商標は、いずれも特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念の点においても紛れる要素は見当たらない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
この点について、申立人は、本件商標と引用商標の欧文字部分とは外観において類似する商標である旨主張している。
しかしながら、文字の構成が特殊な態様からなり、その構成が互いに近似しているとか、称呼を把握し難い綴字のため商標の外観による認識の比重が高まるとか、あるいは、一方の商標が著名であるため、記憶されているその商標の綴字に惹かれて見間違えるというような特別な事情のない限り、通常の態様で表され、しかも、称呼し易い欧文字からなる商標に接する取引者・需要者は、商標の外観のみによって商標の類否を判断しているものとはいい難く、商標の類否は、商標から生ずる称呼等をも含めて総合的に判断されているものであるから、この点についての申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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