Trademark Appeal Case
著名商標と商品非類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90644(T2004−90644/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4788861号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成14年7月26日に登録出願、第7類「塗装用スプレーガン」を指定商品として、平成16年7月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)「Scotch」及び「スコッチ」商標(まとめて、以下「引用商標」という。)の著名性について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、研磨材料である金剛砂の採掘及び販売を目的として、1902年に米国ミネソタ州セントポール市に設立された会社であり、後に研磨材のトップメーカーとなり、以来業務を拡大し、現在においては、粘着テープ、反射シート、ビデオテープ、オーディオテープ、フッ素系繊維保護剤、粘着剤付き用紙等多数(約6万種)の商品を製造、販売している。
わが国においては、昭和28年7月8日に「SCOTCH」の文字よりなる商標が旧69類「電磁音響再生機用記録用テープ、その他本類に属する商品」を指定商品として設定登録された後、申立人は、日本電気株式会社、住友電気工業株式会社と合弁で設立した住友スリーエム株式会社(以下「住友スリーエム」という。)に対し、上記「SCOTCH」商標の使用許諾をし、同社を通じて、多数(約3万5000種)の工業用品、化学製品等を販売するとともに、引用商標を付したオーディオテープ、ビデオテープのほか、各種の粘着テープ、粘着テープ用ディスペンサー等の広範囲の商品を販売してきた。さらに、「Scotch−Brite」商標のように、「Scotch」の文字を冠した商標をナイロンたわし、繊維保護剤、革靴用防水スプレー等について使用し、販売してきた(甲第82号証)。また、住友スリーエムは、引用商標を付した上記商品の広告を各種新聞並びに各種雑誌に不断に掲載してきた(甲第2号証ないし甲第81号証)。
その結果、引用商標は、本件商標の登録出願日には既に、わが国の広い商品の分野で著名となっていた(甲第84号証ないし甲第87号証)。
(2)出所の混同について
本件商標は、ローマ字の「SCOTCH」がその構成中で顕著に表されており、また、片仮名文字中の「ガン」の部分は、その指定商品の普通名称の略称又は機能を表示するものであるから自他商品識別力を欠くものである。この点で片仮名文字は、「スコッチ」の部分がいわゆる要部といえる。
したがって、本件商標は、「スコッチ」の称呼、観念をもって取引に資されるから、引用商標に類似する。
一方、上述したように、申立人及び住友スリーエムは、数多くの商品を取り扱っており、その中の数多くの商品について「Scotch」又は「Scotch○○」を使用してきた。
さらに、住友スリーエムは、本件商標の指定商品である「塗装用スプレーガン」を取り扱っている(甲第83号証)。
以上によれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が申立人若しくは住友スリーエム又は同社と資本的に何らかの関係のある者の業務に係るものであるとその出所の混同を生じるは必定である。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録された違法なものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである。
3 当審の判断
甲第2号証ないし甲第83号証を総合すれば、引用商標は、申立人又は住友スリーエムの取扱いに係る商品、特に、オーディオテープ、ビデオテープ、事務用等の粘着テープなどに使用され、本件商標の登録出願前よりわが国の需要者の間に広く認識されていたと認め得るところである。
しかしながら、本件商標の指定商品である「塗装用スプレーガン」は、産業用機械器具の範疇に属する商品(平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令別表第9類参照)と認められ、引用商標が使用される上記「オーディオテープ、ビデオテープ、事務用等の粘着テープ」等とは、商品の用途、品質等を著しく異にするばかりでなく、その需要者、生産者、取引系統等をも異にする場合が多い商品といえるものである。加えて、「Scotch」が「スコットランド」を意味する英語として、我が国においても広く知られており、格別に高い独創性がある語ではないことも考慮すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、需要者をして、該商品が申立人又は住友スリーエムの取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないとみるのが相当である。
なお、申立人は、住友スリーエムは「塗装用スプレーガン」を取り扱っている旨主張し、甲第83号証を提出するが、甲第83号証を徴するも、住友スリーエムの取り扱う「塗装用スプレーガン」に引用商標が使用されているという事実を認めることはできないのみならず、他に引用商標が「塗装用スプレーガン」を表示するものとして、著名性を獲得したと認めるに足る証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできないから、その登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではなく、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。