Trademark Appeal Case
称呼・役務の非類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90233(T2004−90233/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4740405号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成14年11月21日に登録出願、「アタリス」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第41類「娯楽用くじ引き大会の企画・運営又は開催,インターネットを用いた娯楽用くじ引き大会の企画・運営又は開催,くじ引き興行の企画・運営又は開催,インターネットを用いたくじ引き興行の企画・運営又は開催」を指定役務として、同16年1月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第15号について
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、「家庭用ゲーム機、ゲームソフト及び業務用ゲーム機」などに使用する商標「ATARI」(以下、「引用商標」という。)は、我が国はもちろん、世界的に周知、著名となっていることから、本件商標をその指定役務について使用する場合には、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人らの関連会社の名称の著名な略称である「ATARI」の表音である「アタリ」の文字を含む商標であるところ、本件商標の商標権者は、商標権の登録について、申立人の承諾を得ていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「アタリス」の片仮名文字よりなるところ、上記のとおり、標準文字をもって、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されているものであるから、かかる構成態様からなる本件商標より、いずれかの部分を分離抽出し、当該部分より生ずることのある称呼、観念をもって取引に資されるとすべき特段の理由は認め難いものである。 そうとすれば、本件商標は、「アタリス」の称呼のみを生ずる特定の観念を生ずることのない造語を表したものとして、認識されるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、「ATARI」の欧文字よりなるから、その構成文字に相応して「アタリ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生ずることのない造語を表したものとして、認識されるものとみるのが相当である。
そこで、両商標より生ずる「アタリス」と「アタリ」の称呼とを比較するに、両商標は4音と3音という比較的短い音構成の差異に加えて、語尾音における「ス」の音の有無に差異を有するものであり、また、前者の「アタリス」の音構成中の「ス」の音は、前記のとおり、比較的短い音構成にして一音一音が明瞭に発音され、かつ、聴取されるものであるから、語尾にあっても明瞭に聴取され得る音である。
そして、両者のこれらの差異音が全体としての称呼に及ぼす影響は大きく、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違し、称呼上彼此相紛れるおそれはないものというのが相当である。
また、本件商標と引用商標とは、前記のとおり、ともに、特定の観念を有さない造語であるから、観念上比較し得ないものである。
さらに、両商標は、それぞれの構成よりみて、外観上明らかな差異を有している。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからしても、十分に区別し得る別異の商標である。
さらに、本件商標の指定役務「娯楽用くじ引き大会の企画・運営又は開催,インターネットを用いた娯楽用くじ引き大会の企画・運営又は開催,くじ引き興行の企画・運営又は開催,インターネットを用いたくじ引き興行の企画・運営又は開催」と引用商標が使用されている「家庭用ゲーム機、ゲームソフト及び業務用ゲーム機」とは、当該役務の提供の事業者と当該商品の提供・販売の事業者、当該役務の用途と当該商品の用途、当該役務の提供場所と当該商品の販売場所、当該役務の需要者の範囲と当該商品の需要者の範囲などを異にする、全く別異の役務、商品であるといわざるを得ない。
ところで、請求人の引用商標が、1979年から1999年において、新聞、週刊誌などで相当程度紹介され、本件商標登録出願時前においても、週刊誌などに紹介されたことは、甲各号証によって認められる。
しかしながら、本件商標と引用商標とが別異の商標であり、かつ、本件商標の指定役務と引用商標の使用されている商品とが別異のものであることは、上記のとおりであるから、商標権者が、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を想起、連想させるものとはいえず、その役務が、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第8号該当について
本件商標は、(1)で述べたとおり、その構成中の「アタリ」の文字部分のみが分離して把握、認識されるものではないから、申立人らの関連会社の名称の著名な略称を含む商標に該当するものではない。
(3)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づきその登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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