Trademark Appeal Case
図案化された文字の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90359(T2004−90359/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4754774号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月8日に登録出願され、第28類「グローブその他の野球用具及びソフトボール用具その他の運動用具」を指定商品として、平成16年3月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、次の(a)ないし(g)に示す登録商標(以下纏めて「引用各商標」という。)と外観・称呼及び観念において類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品は引用各商標の指定商品と類似するものである。
(a)登録第1650667号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和55年3月26日に登録出願され、昭和59年1月26日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、商標登録原簿記載のとおり、平成16年5月12日に設定登録時のものを第25類及び第28類に属する商品に書換登録された。
(b)登録第1650668号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、 昭和55年3月26日に登録出願され、昭和59年1月26日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、商標登録原簿記載のとおり、平成16年5月12日に設定登録時のものを第25類及び第28類に属する商品に書換登録された。
(c)登録第1650669号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、 昭和55年3月26日に登録出願され、昭和59年1月26日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、商標登録原簿記載のとおり、平成16年5月12日に設定登録時のものを第25類及び第28類に属する商品に書換登録された。
(d)登録第1650670号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、 昭和55年3月26日に登録出願され、昭和59年1月26日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、商標登録原簿記載のとおり、平成16年5月12日に設定登録時のものを第25類及び第28類に属する商品に書換登録された。
(e)登録第4554995号商標(以下「引用E商標」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成13年5月31日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月22日に設定登録されたものである。
(f)登録第4554996号商標(以下「引用F商標」という。)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、平成13年5月31日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月22日に設定登録されたものである。
(g)登録第4632271号商標(以下「引用G商標」という。)は、別掲(8)のとおりの構成よりなり、平成14年4月23日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年12月20日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第19号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標「N」は、その商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、かつ、申立人の親会社の名称の略称としても著名である。
したがって、本件商標は、申立人の商標「N」に類似する商標であり、かつ、類似する商品について使用するものである。さらに、本件商標は、申立人の商標「N」を不正の目的をもって使用しているものと推認される。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性
(ア)本件商標の構成について
本件商標は、別掲(1)のとおり、黒塗り横長方形内に欧文字「N」の字形を白抜き風に太線と霞ませた帯状線及び縁取りとにより図案化して表し、この欧字形の右隅に、縁取りをした如き「NORIA」の欧文字を冒頭の2字が重なるように配した構成よりなるものである。
しかして、本件商標の構成は上述したとおり、黒塗り横矩形、太線と霞ませた帯状線及び縁取り等の構成要素とともに欧文字「N」の字形を描いてなるものであって、構成中の「NORIA」の文字部分を捨象してみても、これが極めて簡単で、かつ、ありふれた標章ということはできず、かかる構成全体を一つの纏まりをもって創造的に図案化された標章と看取させるというのが相当である。
(イ)引用各商標の構成について
(a) 引用A商標は、別掲(2)のとおり、左傾斜の変形黒塗り縦矩形内に太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を描き出した構成からなるものである。
(b) 引用B商標は、別掲(3)のとおり、左傾斜のT状変形黒塗り縦矩形内に太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を描き出した構成からなるものである。
(c) 引用C商標は、別掲(4)のとおり、上下が細線及び左右が太線による左斜方形内に太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を描いた構成からなるものである。
(d) 引用D商標は、別掲(5)のとおり、点線による左斜方形内に太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を細線と点線とで二重にして描き出した構成からなるものである。
(e) 引用E商標は、別掲(6)のとおり、太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を細線と点線とで二重に囲繞した構成からなるものである。
(f) 引用F商標は、別掲(7)のとおり、点線を白抜き風に太線内に配したもので太いゴシック体風の欧文字「N」の字形を描き出した構成からなるものである。
(g) 引用G商標は、別掲(8)のとおり、太いゴシック体風の欧文字「N」の字形の周辺を細線により囲繞した構成からなるものである。
しかして、引用各商標の構成は、上述(a)ないし(g) とおり、いずれも欧文字「N」の字形のみを描いてなるものでなく、引用各商標は、それぞれ全体として纏まった特異な構図を形成するものとして、自他商品の識別力を具有するものといわなければならない。
(ウ)本件商標と引用各商標の類否について
そこで、本件商標と引用各商標とを比較すると、両者はたとい構成中に「N」の字形を有する点において共通するところがあるとしても、該欧文字の描出方法の相違に加え、その他の構成要素も大きく異にし、両者はその構成態様において顕著な差異を有するものであるから、これに接する看者には別異の印象を与えるものであって、時と処を異にして観察した場合でも外観上相紛れるおそれのないものとみて差し支えないといえる。
さらに、本件商標は上記構成に照らし、構成中の「NORIA」の文字部分を除きみれば、全体として一つの図形商標というべきであって、特定の称呼、観念を生ずるものでなく、また、引用各商標も上記構成に照らし、一つの図形商標というべきであり、特定の称呼、観念を生ずるものではないと判断するのが相当である。
その他、本件商標と引用各商標より、欧文字「N」の字形のみが単独で看者に識別され、独立して称呼又は観念されるとすべき事情は見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても類似とすべき点は見当たらないから、両者は非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第10号の該当性
申立人が述べるところの申立人の商標「N」とは、如何なる構成態様になるものかは特定付けることはできないばかりでなく、申立人提出に係る証拠によれば、数種の「N」の字形が付されたスニーカー等の商品への使用は認められるとしても、これ以上に、当該商品にそれぞれ使用される「N」の字形が申立人及その親会社(ニュー・バランス・アスレティック・シュー・インコーポレイテッド;New Balance Athletic Shoe ,Inc.)の業務に係る商品(運動用特殊衣服、運動用特殊靴、その他の運動具全般)の商標として、需要者間に広く認識されているものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第8号の該当性
申立人の親会社(ニュー・バランス・アスレティック・シュー・インコーポレイテッド;New Balance Athletic Shoe ,Inc.)の商号が「ニュー・バランス(New Balance )」と略称されることはあるとしても、上述と同様に申立人提出に係る証拠によっては、親会社の使用する商標「N」の存在及びその著名性は不明というほかなく、これを前提に、略称「N」として著名である旨の申立人の主張は採用できない。
(4)商標法第4条第1項第19号の該当性
本件商標は、上述のとおり、かかる構成全体を一つの纏まりをもって創造的に図案化された商標と認定し得るものであり、申立人提出に係る証拠においてスニーカー等の商品に使用されている数種の「N」の字形とは、類似しない別異の商標といえるものである。さらに、本件商標は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用するものとは認められず、また、その証左も見出せない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、第10号、同第11号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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