Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90684(T2004−90684/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4792272号商標(以下「本件商標」という。)は、「シェルウォール」の文字を標準文字で書してなり、平成16年1月27日に登録出願、第6類、第19類及び第20類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同16年8月6日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称「Shell」を含むものであるにもかかわらず、本件商標の登録について申立人から何ら承諾を得ていない。また、申立人の商標「Shell」「シェル」(以下「申立人商標」という。)は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名であるから、申立人商標と類似する本件商標が指定商品に使用さた場合には、申立人と経済的、組織的に何らかの関係があるものと誤認されるおそれがある。
(2)本件商標は、申立人の引用する次の(ア)ないし(カ)に示した商標と類似するものであり、また、その指定商品も、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(ア)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和47年6月6日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同54年9月28日に設定登録された登録第1392715号商標
(イ)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年7月15日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録された登録第2265413号商標
(ウ)「Shell」の文字を書してなり、平成1年4月7日に登録出願、同4年1月31日に設定登録され、指定商品については、同14年6月19日に第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第16類及び第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされた登録第2375293号商標
(エ)「シェル」の文字を書してなり、平成1年4月7日に登録出願、同4年1月31日に設定登録され、指定商品については、同14年6月19日に第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第16類及び第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされた登録第2375294号商標
(オ)「SHELL MELLOWPHALT」の文字を書してなり、昭和63年9月6日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録され、指定商品については、同14年1月16日に第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされた登録第2325356号商標
(カ)「シェル メロウファルト」の文字を書してなり、昭和63年9月6日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録され、同14年1月16日に第19類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされた登録第2325357号商標
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「シェルウォール」の文字よりなるところ、該文字は標準文字で外観上まとまりよく一体に表してなるものであり、その全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。そしてたとえその構成中の「ウォール」の文字が「壁」を意味する語であるとしても、前半部の「シェル」の文字も「貝殻」を意味する一般に知られた日常語といえるものであり、これら両文字間に軽重の差異は見出せないから、かかる構成にあっては、全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものとみるのが自然であるというべきである。
してみれば、本件商標は、その構成文字の全体に相応して「シェルウォール」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
そうとすれば、本件商標より「シェル」の称呼をも生ずるとし、その上で本件商標と引用商標とが「シェル」の称呼において類似するとする本件登録異議申立ての理由は妥当でなく、その理由をもって両商標を類似のものとすることはできない。
(2)申立人は、国際石油資本(メジャー)であるロイヤル・ダッチ・シェル・グループの中核企業であって、我が国では、昭和シェル石油株式会社が同グループに所属していることが認められる。
昭和シェル石油株式会社のウエブサイトのホームページによれば、同社は多くの関係会社を有しており、昭和シェル石油及びその関連会社(以下「申立人等」という。)は、東亜石油京浜精油所扇町工場、同水江工場、昭和四日市石油四日市精油所、西部石油山口精油所等に精油設備を所有し、主として全国4,900箇所のサービスステーションを通じてガソリン、軽油、自動車用潤滑油、LPガスなどを販売していることが認められる。
以上からすれば、申立人は、我が国において、その名称の主要部といえる「Shell」及び「シェル」の部分をもって略称されることがあるものと推認することができる。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠には、本件商標の登録出願時である平成15年ごろにおいて、「シェル」が申立人の略称として著名であったと認めるに足りる証拠はない。
また、申立人の提出に係る証拠には、平成15年当時における申立人等の使用する商標を示すものはなく、例えば、上記サービスステーションでどのような商標が使用され、とりわけ「Shell」及び「シェル」の文字からなる商標がいかなる態様で使用されていたのか、あるいは、申立人等が広告、宣伝等においてどのような商標をどのような態様で使用していたのかなど、申立人等の使用する商標を確認し得るものはない。
そうとすれば、申立人の提出に係る証拠を併せ検討しても、本件商標の登録出願当時においては、申立人が「Shell」、「シェル」と略称され、あるいは、申立人等が商品、役務の商標として「Shell」、「シェル」商標を使用していたものと推認し得るにとどまるといわなければならない。
以上からすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、これを申立人の著名な略称を含むものと認識するとは判断し得ず、かつ、本件商標より申立人の使用する「Shell」、「シェル」商標を直ちに連想、想起し、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品又は役務であろうと誤認、混同するおそれがあるものとも判断することができない。
(3)してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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