Trademark Appeal Case
複合図形商標の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90668(T2004−90668/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4796083号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成16年2月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同16年8月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人「アディダス サロモン アーゲー」(以下「アディダス社」という。)の申立理由
(ア) 別掲(2)ないし別掲(10)に示したとおりの構成よりなる引用商標1ないし引用商標17(以下「アディダス商標」という。)は、アディダス社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識され、また、別掲(11)及び別掲(12)に示したとおりの構成よりなる引用商標18ないし引用商標21(以下「プーマ商標」という。)は、「プーマ アーゲー ルドルフ ダスラー スポーツ」(以下「プーマ社」という。)の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているから、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(イ)本件商標は、公の秩序を害するおそれがあり、同法第4条第1項第7号に該当する。
(2)登録異議申立人「プーマ アーゲー ルドルフ ダスラー スポーツ」(「プーマ社」)の申立理由
(ア)本件商標は、プーマ社の引用に係る、別掲(12)に示したとおりの構成よりなり、昭和55年4月4日に登録出願、第22類又は第24類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品とする登録第1663782号商標(同59年2月23日設定登録)及び登録第1679061号商標(同59年4月20日設定登録)をそのまま含む外観において類似する商標であり、指定商品も抵触する。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
以下、上記2件の商標を特にいう場合は一括して「引用商標」という。
(イ)本件商標は、取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標と同じ形状のプーマライン商標と、アディダス社の周知商標である3本ライン図形商標を単に結合させただけの図形にすぎず、商品の出所について混同を生じるおそれがある。したがって、本件商標は、同法第4条第1項第15号に該当する。
(3)アディダス社及びプーマ社の登録異議申立てを併合した結論
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、右上部になだらかに円弧を描いて立ち上がり、右端部に向かって波を打つように延びて徐々に細くなる波形曲線を描き、そのやや左部に、左に傾斜する3本の黒塗りの斜線を配してなるものであり、その構成よりすると、波形曲線と3本の黒塗りの斜線を有機的に一体に組み合わせた点に特徴を有する図形よりなるものということができる。
これに対し、アディダス商標は、3本線(または、ぎざぎざを施した3本線)を基調する図形よりなるものであり、また、プーマ商標は、右上部になだらかに円弧を描いて立ち上がり、右端部に向かって徐々に細くなる横にまっすぐ延びた円弧曲線よりなる図形(以下「プーマライン」という。)よりなるものである。
以上よりすれば、本件商標とアディダス商標及びプーマ商標とは、それぞれの構成において明確に区別し得る差異を有しているといわなければならないから、外観においては類似するものではないといわざるを得ない。
他に、本件商標とアディダス商標及びプーマ商標とを類似の商標とすべき理由はない。
(2)アディダス社及びプーマ社の提出に係る証拠によれば、別掲(3)及び別掲(7)に示す商標などのアディダス社が使用する3本線(または、ぎざぎざを施した3本線)を基調とする商標、及び別掲(12)に示すプーマ社が使用するプーマラインは、少なくとも本件商標の登録出願の時には、我が国においてスポーツ用品、特に靴の商標として取引者、需要者の間に広く認識され著名性を獲得していたものと認められる。
しかしながら、本件商標は、前述のとおり波形曲線と3本の斜線を有機的に一体に組み合わせた点に特徴を有するものであって、本件商標と著名な上記両社の商標間には、誤認、混同の生ずる事由は見出せないといわざるを得ないから、本件商標から上記アディダス商標あるいはプーマ商標を直ちに連想又は想起するものとは判断することができない。
してみれば、本件商標を、その指定商品に使用しても、その商品が登録異議申立人又は登録異議申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(3)本件商標は、その指定商品に使用してもアディダス商標あるいはプーマ商標を連想、想起させるものでないこと上述のとおりであるから、著名商標の名声にフリーライドするなど公の秩序を乱すおそれもないものである。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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