sokuhyo

Trademark Appeal Case

死者名誉と商標権

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89070(T2004−89070/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4756125号商標の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1.本件商標

本件登録第4756125号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、1999年6月16日アメリカ合衆国登録出願に基づく優先権を主張して平成11年8月18日に登録出願、第31類「バラの花,バラの木,バラのドライフラワー,バラの苗木,バラの盆栽」を指定商品として、平成16年3月12日に設定登録されたものである。

第2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。

本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第11号により、無効にすべきものである。

1.商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、後掲のとおりの構成よりなるが、中央にデザインされた「D」に関しては、本件商標の下部に「Diana's Legacy in Roses」とあることから、ダイアナ(DIANA)のイニシャルを指すものと考えられる。そして、ダイアナ妃は現在においても、バラとの結びつきが強いものといえる。インターネット上の検索サイトである「YAHOO! JAPAN」において「バラ ダイアナ妃」で検索をすると多数ヒットすることからも明らかである(甲第3号証)。また、「Diana's Legacy in Roses」の文字からは、「バラの中のダイアナの遺産」の意味が生じる。したがって、本件商標は、かつて元英国皇太子妃として世界的に知られたダイアナ妃を表したものであり、このようなものを当該国外の上記当人と何らの関係もない者が商標として独占使用することは、死者の名誉、国際信義を勘案し適当でないものと思料する。

審決例(甲第4号証ないし甲第7号証)においても、著名な死者の氏名を表した商標が、商標法第4条第1項第7号に該当するとして拒絶・無効とされている。

2.商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、次の登録商標すなわち、平成11年12月9日登録出願、商標の構成を願書記載のとおりとし、第4類、第18類、第21類、第24類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年4月6日に設定登録された登録第4465100号商標、同じく、平成11年12月9日登録出願、商標の構成を願書記載のとおりとし、第4類、第18類、第21類、第24類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年12月7日に設定登録された登録第4527804号商標、同じく、平成11年12月9日登録出願、商標の構成を「DIANA,PRINCESS OF WALES」の文字を標準文字で書してなり、第4類、第18類、第21類、第24類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月10日に設定登録された登録第4634485号商標、同じく、平成11年12月9日登録出願、商標の構成を「DIANA,PRINCESS OF WALES MEMORIAL FUND」の文字を横書きしてなり、第4類、第18類、第21類、第24類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月10日に設定登録された登録第4634486号商標、と類似する。

第3.被請求人の主張

被請求人は、何ら答弁していない。

第4.当審の判断

本件商標は、後掲のとおり、バラの花輪様の図形内にスクリプト風書体の「D」とバラ一輪を描き、その下に同書体で「Diana's Legacy in Roses」の文字を書し、その両端文字の突出装飾線を飛翔する二羽の鳩が銜えているが如き図形とを描き構成されてなるものである。

そして、この図形と文字とが組み合わされた本件商標に接する者は、かかる構成中、平易な英語といえる「Diana's Legacy in Roses」の文字よりは「バラにこめられたダイアナの遺産」程の意味合い理解し得るものであり、これを含め本件商標を全体から考察すれば、1997年に不慮の事故で亡くなった、バラとの関わりの強い元英国皇太子妃の「故ダイアナ妃」を連想・想起するとみて差し支えないものである。

してみると、本件商標は、不慮の事故から約2年後に登録出願されたものであって、その登録査定時ないし今日に至っても、英国の国民はもとより我が国を含め世界の多くの人々に敬愛されて止まない「故ダイアナ妃」とを関連付けて認識するものというべきである。

そうすると、本件商標は、故ダイアナ妃の名声を商取引に利用せんがために登録出願されたものと推認でき、かつ、その採択・使用に関して同妃の遺族等の承諾を得たものとは認められない。

したがって、本件商標は、同妃の遺族等とは何らの関係もない立場の商標権者が、これを一私人の名で商標として採択し独占的に使用することは、穏当性を欠くものであり、かかる行為は、国際信義に反するものといわざるを得ず、公の秩序を害するおそれがあるとみるのが相当である。

結局、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるから、他の請求人の主張について判断するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。