Trademark Appeal Case
POLO商標の称呼と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第91146号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4113050号商標(以下「本件商標」という。)は、「POLOBROTHERS」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年6月27日登録出願、第17類「被服,布製見回品,寝具類」を指定商品として、平成10年2月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件商標に含まれる「POLO」の文字は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、眼鏡及び被服類について使用している著名商標である。この事実は東京高等裁判所の判決及び多数の異議決定において認定されているところである。本件商標がその指定商品に使用されれば前記の著名商標との間に混同を生じるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標権者の主張
(1)本件商標は一連一体の構成をもって表わしてなり、「ポロ」と「ブラザーズ」に分けて称呼すべき特段の事情も存在しないから、「ポロブラザーズ」の称呼のみを生ずるものである。
(2)衣料品、靴、かばん、眼鏡等ファッション関連商品分野の取引者、需要者の間において、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして広く知られているのは「POLO」及び「Polo」であって、「POLOBROTHERS」の構成をもっての使用がなされても、「POLO」ブランドに熟知している取引者においてはラルフ・口ーレンのデザインに係る「POLO」ブランドの関連商品であると認識することはない。
4 当審の判断
(1)「POLO」の周知性について
(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。
我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポ口」と略称されている。
そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/POLO」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB I980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。
他にこれを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても本件商標の登録出願時である昭和63年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成全体をもって既成の意味合いを有する一単語として認識し、理解されるものとは認められないものであるばかりでなく、「POLO」及び「BROTHERS」の文字がそれぞれ意味を有する既成語であることから、本件商標はこれら2語よりなる商標とみるのが相当といえる。
そうすると、本件商標は構成中に「POLO」の文字を有するものと容易に認識、理解されるものであり、また、本件商標をその指定商品である「被服等」に使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、前記した実情からして、引用商標の「POLO」を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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