Trademark Appeal Case
SLの識別力と使用による識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−1680(T2003−1680/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SL」の文字を標準文字で書してなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年10月18日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、平成14年3月11日付けの手続補正書により「乗用車並びにその部品及び附属品」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は「本願商標は、各種商品の品番、規格等を表示するための記号・符号として、一般に採択使用される欧文字二字の一類型と認められる『SL』の文字よりなるものであるから、これをもってしては、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
そして、出願人は、意見書において種々述べると共に、指定商品を補正し、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものであると主張しているが、提出に係る証左(参考資料1ないし10)からは、標準文字の出願である本願商標が、商標法第3条2項の適用を受ける程度に使用による識別力を有するに至ったものとは認められない。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり「SL」の文字を標準文字で書してなるものであるところ、自動車等の機械産業をはじめ各種産業分野においてその事業者が自己の製造・販売に係る商品について、その製品管理又は取引上の便宜性から、ローマ文字の1文字ないし2文字よりなる標章を単独で或いは数字などと結合して当該商品の規格、形式又は品番を表示するための記号、符号として使用していることは既に顕著な事実と認められる。そうしてみると、本願商標の構成文字であるローマ文字2字の「SL」は、本願指定商品について使用する場合、商品の種別、型式、規格等を表すための記号、符号として認識し理解されるにすぎず、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。
(2)そして、請求人(出願人)は、本件審判において、審査において提出した参考資料1ないし10を第1号証ないし第10号証と読み替え援用し、これにドイツ、イギリス、アメリカほか世界各国の登録事例として第11号証の1ないし17及び第12号証の「HP」の審決を提出して、「SL」なる本願商標は、請求人の製造・販売に係る「乗用車並びにその部品及び附属品」の商標として広く認識されたものであるから、商標法第3条第2項の要件を具備する旨主張している。
そこで、本願商標が当該条項の要件を具備するに至っているか否かについて検討するに、請求人は周知性を立証するため上記証拠を提出しているところ、これによれば、該「SL」の標章は、その大半が請求人の乗用車の広告ページ内に「MERCEDES−BENZ(メルセデス・ベンツ)」及びいわゆるスリーポインテッド・スターのシンボルマーク(社章)と共に用いられるものであって、車種のタイプとしての「SL」又は「SLシリーズ」(SL600,SL320,SL500)等として、広告宣伝、又は紹介されているものであり、それ自体が単独で商品識別の標識として機能しているとまではこれを認め難く、さらに、その使用文字も何ら特色のない字体(標準文字)であることからしても、請求人会社に係る各種自動車の車種タイプの一を表示するための記号と理解されるに止まり、需要者が請求人会社の業務に係る商品であることを認識するに至ったものとすることはできない。
また、請求人は、商標法第3条第2項についての審決例、及び「SL」の文字からなる商標の世界各国での登録例を示している。しかし、これら審決又は登録事情をもって、当該標章が需要者間において広く認識されていることを理由づけるものとはいえない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、該指定商品についての使用もってしては、商標法第3条第2項の要件を具備するに至ったものとも認めることができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第5号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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