Trademark Appeal Case
CDローンの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−5549(T2004−5549/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「CDローン」の文字と「シーディーローン」の文字とを二段に横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん」を指定役務として、平成15年2月3日に登録出願され、その後、指定役務については、同年11月10日付け手続補正書により、第36類「資金の貸付け」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定役務との関係においては、『現金自動支払機』を意味する語として使用されている『CD』の文字と『貸付け』等を意味する『ローン』の文字を『CDローン』と書したその下方に、その読みを片仮名で表したものと認められる『シーディーローン』の文字を普通に用いられる方法で書してなり、全体として、『現金自動支払機を利用して行われる資金の貸付け』の意を理解させるにとどまるものであるから、これをその指定役務中、前記に照応する役務について使用するときは、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「CDローン」の文字と「シーディーローン」の文字とを書してなるところ、下段の「シーディーローン」の文字は、上段の「CDローン」の文字から生ずる読みを片仮名文字で表したものと認められるものである。
そして、本願商標の構成中の「CD」及び「ローン」の各文字は、補正後の指定役務「資金の貸付け」との関係において、前者は、「cash dispenser(現金自動支払機)」を意味する語の略称を表したものとして、後者は、「貸付、貸付金」を意味する語として、それぞれ広く一般に知られているものである。
これに対して、請求人は、「CD」の文字は、「cash dispenser(現金自動支払機)」の他に、「compact disc(コンパクト−ディスク)、negotiable certificate of deposit(譲渡性預金)」の略語として使用されているので、その意味合いが一義的に定まるものではない旨主張している。
しかして、該「CD」の文字は、これらの略称であることを否定するものではないが、補正後の指定役務「資金の貸付け」との関係においては、これを取り扱う銀行業界、貸金業界において、現金自動支払機を意味する「cash dispenser」の略称として、該「CD」の文字が頻繁に使用されているばかりでなく、現金自動支払機から借入金を引き出すことができる資金の貸付けが行われているのが実情である。
してみれば、本願商標は、「CD」、「ローン」の各文字を一連に表し、これらから生ずる読みを表した「シーディーローン」の片仮名文字からなるものと容易に認識し、把握させるものであり、その指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該「CD」の文字を「現金自動支払機(cash dispenser)」の略称・略語と認識したうえで、構成文字全体から、「現金自動支払機による貸付け」といった意味合いを表したものと認識し、理解するというのが相当である。
以上のことは、「CD」及び「ローン」の文字について、各種商品・役務を紹介した下記のインターネットのホームページの記載からも十分に裏付けられるところである。
(1)「キャッシュディスペンサー カードで現金を引き出す機械のことで、『現金自動支払機』あるいは『現金自動引出機』と言います。『CD』などと略され、『CD機』などと呼ばれることもあります。現金の引き出し機能のみで入金機能は持たず、入金機能があるものは『ATM』と呼ばれ区別されています。」
(http://www.all-field.net/orix/yougo/ka9.html)
(2)「キャッシュディスペンサー(CD) 旅先でお金が足らなくなったら、ここでキャッシングができます。」
(http://www.100bangai.co.jp/EKIGUIDE/gaido.html)
(3)「CDとATMの違い CD(キャッシュ・ディスペンサー)は『お引出し』専用機、『お引出し』『お振込み』等もできるのがATM(現金自動預払機)です。」
(http://www.sonyfinance-card.com/money_service/cdatm.asp)
(4)「【キャッシュディスペンサー】(CD= cash dispenser) 現金自動引出機。または現金自動貸出機。略称で単にCD(シーディー)あるいはCD機と呼ばれることもある。」
(http://www.tapals.com/archive/dic-data/v-ki.html)
(5)「ローン 貸し金。融資。住宅ローン、自動車ローンといった使途目的による融資のほか、使途目的を限定しないフリーローンもあります。」
(http://www.cashing-loan.com/loan.html)
(6)「ローンサービス 計画的に毎月ご返済いただける各種ローンをご用意しています。・・・クイックローン 提携金融機関のCD/ATMまたは提携各社のCDでカードと暗証番号だけで、利用可能枠の範囲なら何回でも繰り返しご利用いただけます。」
(http://www.jacard.co.jp/money/money02.html)
(7)「キャッシング&ローン CD・ATMのご利用案内 キャッシングリボ・キャッシング一括のお借り入れ・ご返済や、お借り入れ可能額照会・ご返済可能額照会などがご利用になれるCD・ATMをご案内いたします。」
(http://www.smbc-card.com/mem/loancash/loancash_cdatm.jsp)
(8)「無担保ローン(アイフルカード)・・・● 全国のアイフルATMでご利用頂けます。(場所により営業時間が異なります) ● 提携CD/ATMでもご利用頂けます。」
(http://www.aiful.co.jp/e/goodsDetail/PE13H030.html)
(9)「かりる・ローン・・・ファミリーパックサービス 借入枠10〜50万円のカードローン。お使い道は自由で、借入枠の範囲内で、CD・ATMで何回でもご利用いただけます。」
(http://www.kagin.co.jp/100_kojin/102_kariru/index.html)
(10)「借りる あなたの夢と豊かな暮らしの実現に向け、さまざまなローンをご用意しました。・・・50万円から200万円までの大型カードローン・・・静岡銀行をはじめ全国の提携銀行CD・ATMでお借り入れできます。」
(http://www.shizuokabank.co.jp/personal/borrow/bo-023.jsp)
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記した意味合いを表したものと認識し、単に役務の質・内容を表示したものと理解するに止まり、自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標を使用した「資金の貸付け」を平成15年2月から開始し、利用顧客数は1,100社、融資実績は420億円に達しており、本願商標は、出願人の取扱いに係る「資金の貸付け」を示す商標として、既に周知の状態になっていると主張し、証拠方法として、甲第4号証ないし甲第7号証を提出している。
ところで、上記主張は、商標法第3条第2項の規定による本願商標の登録を主張しているものと解されるところ、商標法第3条第2項の要件を具備し
て登録が認められるのは,使用に係る商標が出願に係る商標と同一のものに限られると解される。
しかしながら、請求人の提出した証拠を徴するに、甲第4号証及び甲第7号証は、「CD」の欧文字の右側に右上方に折れ曲がった矢印の図形を表し、その内側に「ローン」の文字を配した構成からなる標章と「CDローン」の文字の記載が認められるものであるが、いずれも「シーディーローン」の片仮名文字の記載が無く、甲第5号証及び甲第6号証は、それぞれ雑誌、新聞の記事であるが、そこには「CDローン」の文字のみが記載されているものであり、請求人の提出した各証拠によっては、本願商標が使用された結果、請求人(出願人)の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間で広く認識される程に識別力を有するに至っているものとは認めることができないから、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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