Trademark Appeal Case
品質・用途表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−24088(T2003−24088/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ソテースパゲティ」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第30類「冷凍スパゲティのめん,冷凍調理済みのスパゲティ」を指定商品として、平成14年12月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『西洋料理の調理法の一つ。少量の油を用いて強火で炒めること。』の意味を有する『ソテー』の文字と『スパゲティ』の文字を標準文字により一連に『ソテースパゲティ』と表してなるものであるから、これをその指定商品中『香ばしく炒めたスパゲティ』に使用するときは、商品の品質を表示するものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「ソテースパゲティ」の文字よりなるところ、構成前半の「ソテー」の文字は、「西洋料理で、肉・野菜などをバターや油で炒めたり焼いたりすること。また、その料理。」(広辞苑第5版)を意味する語として一般によく知られているものであり、また、構成後半の「スパゲティ」の文字は、本願の指定商品との関係においては、商品の原材料を表示するにすぎないものである。
そして、以下にあげる新聞記事によれば、「ソテー」の文字は、食品を取り扱う業界において、例えば、「ソテー用」のように記載されて、商品の用途を表す語として、普通に使用されていることを窺い知ることができる。
(1)2003年11月30日付け共同通信には、「『私の自由研究』(9)ハモンは後ろ脚だけ」の見出しのもと、「イベリコ豚はハム以外の肉料理でも珍重されている。日本のイタリア料理店でも、ソテー用などに使っているほど。」の記載。
(2)1998年8月2日付け毎日新聞東京朝刊には、「〔くらしノート〕バルサミコ」の見出しのもと、「・・・肉や魚のソテーに・・・その他ソテー用のソースに・・・」の記載。
(3)1996年1月29日付け朝日新聞東京朝刊には、「豚肉のみそくわ焼き 300キロカロリー(料理メモ)」の見出しのもと、「豚ロース肉(ソテー用)」の記載。
(4)1995年8月7日付け日食外食レストラン新聞には、「この飲食材でこのメニュー ピザソースでイタリアの味3選」の見出しのもと、「材料・・・/ポーク(ソテー用)」の記載。
(5)1995年4月10日付け日本食糧新聞には、「サミット、砧店の鮮魚コーナーを充実 アップグレード100点を品揃え」の見出しのもと、「精肉では、ステーキ用・ソテー用、カレー・シチュー用など用途別にコーナーづくりをしている。」の記載。
(6)1992年12月13日付け読売新聞東京朝刊には、「〔今週の夕食〕ホウレンソウ ビタミン、カロチン、鉄なども豊富」の見出しのもと、「ソテー用は硬めにゆで・・・」の記載。
(7)1992年9月30日付け日本食糧新聞には、「新商品開発のトレンド=8月」の見出しのもと、「グリーンジャイアント・フローズンでは、ピラフ用、ソテー用など用途限定・・・」の記載。
(8)1991年3月2日付け読売新聞東京朝刊には、「〔きょうの夕食〕牛肉の煮込みミラノ風サフランライス添え」の見出しのもと、「スパゲティをゆで、ソテーにして添えてもよい。」の記載。
(9)1990年10月10日付け読売新聞東京朝刊には、「〔きょうの夕食〕豚肉のチーズソテー ポテトニョッキ添え」の見出しのもと、「豚モモ肉ソテー用」の記載。
(10)1990年1月19日付け読売新聞東京朝刊には、「〔きょうの夕食〕ポークソテーリンゴソース」の見出しのもと、「豚ロースソテー用」の記載。
そうすると、上記の実情からして、前記構成文字よりなる本願商標をその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者・需要者は、ソテー用スパゲティ、すなわち炒め又は焼いて調理するのに適した冷凍スパゲティのめん・冷凍調理済みのスパゲティである旨を表示したものと認識し得るものであるから、単に商品の用途、原材料を表したものと理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものであり、かつ、これを前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、「本願商標は、同書体、同大の文字にて等間隔に調和よ
く一連の態様で表示してなるものであるから、全体で一連の造語商標と認識されるとみるのが自然であって、『炒めて調理するスパゲティ』を意味するものとして認識されることはなく、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。また、『ソテースパゲティ』の文字からなる本願
商標は、請求人あるいは請求人の親会社である『株式会社日清製粉グループ本社』及び請求人と同じく日清製粉グループに属する『日清フーズ株式会社』が製造・販売する商品に使用されているものである(甲第1及び2号証)から、現実の取引市場において、請求人の自他商品の識別標識として十分に識別力を発揮し得る状況にあること明らかである。また、請求人あるいは請求人の親会社である『株式会社日清製粉グループ本社』及び請求人と同じ日清製粉グループに属する『日清フーズ株式会社』以外によるインターネットホームページにおける『ソテー』と『スパゲティ』の文字の使用(甲第1号証及び甲第3号証)は、いずれも、誤って検索されたもので証拠とできないものである。さらに、本願商標は、商品の品質を直接的に表示するものではなく、間接的に表示するもの、暗示する程度のものであるから、「判例工業所有権法の抜粋」(甲第4号証)及び『東京高裁判決写し』(甲第5号証)に照らせば、登録が認められるべきものである。」旨主張している。
しかしながら、本願商標は、構成文字全体が、同書体、同大の文字にて等
間隔に調和よく一連の態様で表示されているものであるとしても、構成文字全体で、前記した意味合いを容易に認識させるものであるから、全体で一連の造語商標と認識されるとみることはできないものである。
また、甲第1及び2号証として提出されたインターネットホームページにおける「ソテースパゲティ」の検索結果のホームページアドレス上に掲載されているもののうち、請求人あるいは請求人の親会社である「株式会社日清製粉グループ本社」及び請求人と同じく日清製粉グループに属する「日清フーズ株式会社」が製造・販売する商品として掲載されている商品についてみると、請求人がその商品の製造販売者と記載されていないばかりか、それらの商品パッケージに表示されている「ソテースパゲティ」の文字は、いずれも、その文字以外に自他商品識別標識としての機能を有する図形や文字とともに使用されていることが認められるものであるから、これらの証拠によって、現実の取引市場において、該文字が独立して、請求人の自他商品の識別機能を有するに至っているものであると認めることはできない。
してみれば、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。