結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31363(T2002−31363/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4336799号商標(以下「本件商標」という。)は、「ファインクラッド」の文字(標準文字による商標)を書してなり、平成11年3月17日に登録出願、第17類「プラスチック基礎製品,化学繊維(織物用のものを除く。),電気絶縁材料」を指定商品として、同年11月19日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者(以下「被請求人」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品中の「プラスチック基礎製品」について使用していないから、商標法第50条の規定により、上記商品について、登録の取消しを免れない。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(ア)被請求人提出の乙第1号証で示す包装用段ボール箱の外表面写真には、「FINE CLAD」の文字が表示されているが、これは単なる表示であり、本件商標の使用を示すものではない。
(イ)乙第2号証で示す注文書控えは、単に梱包用段ボール(箱)の注文書控えにすぎず、乙第1号証との関連性を示す記載がないから、本件商標の使用を示すものではない。
(ウ)乙第3号証で示す英文商品カタログの2頁の「Structure and etching process」は、「ファインクラッド」をプリント配線板に用いた例であり、また、3頁の(2)の「Cross section」には、3層からなる構成が示されているが、これは単なるレジンシートへの応用例を示しているにすぎず、指定商品中の「プラスチック基礎製品」についての使用とはいえない。本件商標が使用されている商品は、乙第3号証の1頁に記載されている「合金箔」と認められる。
(エ)乙第4号証で示す日本語商品カタログの6頁(4)「1.基本構成」の項には、銅箔(圧延銅箔)、抵抗層(スパッタ形成)及び高分子フィルムの3層からなる記述があるが、この商品は、カタログの表紙に表示されている「高分子フィルムと銅箔の接合材」のことであるから、つなぎ合わせる材料である。
そうとすれば、中間層である抵抗層(スパッタ形成)が本件商標の使用商品となる道理である。
そうすると、同6頁(5)「3.仕様」の項に記述されているように、これ(抵抗層)は、Ni−Cr合金、Ni−Cr−Fe合金、ITO等であり、明らかに金属である。
したがって、この使用証拠(乙第4号証)もまた、指定商品中の「プラスチック基礎製品」の使用とはいえない。
なお、クラッド材とは、クラッド法により得られる合金箔である。
株式会社日刊工業新聞社発行「マグローヒル 科学技術用語大辞典 改訂第3版」(甲第1号証)には、「クラッド法とは『cladding、bonding(工学)地金金属の周囲に被覆金属を鋳造して圧延し、または地金の表裏に被覆金属板を密着させ、高温圧延する方法』」と記載されている。すなわち、クラッド材とは、当業者間で金属板同士を圧延により接合したクラッド法による材料と理解されるものである。このことは、被請求人自ら、そのホームページ(甲第2号証)において、「ファインクラッド」の項の下に、「異種金属を接合したクラッド材は、単体の素材にない材料特性が得られるため、様々な工業分野において使用されています。当社では、今までにないクラッド材、ファインクラッドを開発しました。ファインクラッドは、真空中での低圧下の常温圧接により製造され、接合界面が清浄で平坦である、素材の特性が変化しない、種々の金属組み合わせでの接合が可能である、などの様々な特長を有した高機能積層材料です。」と記載し、さらに、ファインクラッドの用途例として「プリント基板、ICパッケージ基板の配線形成用材料です。」と記載していることから理解できる。
よって、乙第1号証ないし乙第4号証では、本件商標が「プラスチック基礎製品」に使用されていると認めることができない。
さらに、乙第4号証のカタログについては、日本国内における被請求人会社の製品の販売店・代理店等をくまなく調査したが、頒布された事実はなく、この点は、虚偽の記述であり、商標の使用事実を証明する証拠として採用できない。
したがって、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」に該当しない。
(3)よって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により「プラスチック基礎製品」に使用されておらず、その登録は、一部取消しを免れないものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁及び請求人の弁駁に対する再答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)乙第1号証は、指定商品である積層板を包装する段ボール箱の外観を撮影した写真であり、被請求人の下松工場(山口県下松市東豊井1302番地)において製造した積層板を、この段ボール箱により包装し、出荷していることを示すものである。その段ボール箱の外表面には、「FINE CLAD」と内容物である商品「高機能積層材」の表示がされている。当該段ボール箱の外表面に付された「FINE CLAD」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であり、かつ、商品「高機能積層材」は、プラスチック材と銅箔との積層板であり、本件指定商品中の「プラスチック基礎製品」中に含まれるものである。
平成8年改正商標法第50条第1項では、登録商標の使用と認める範囲を「社会通念上同一と認められる商標を含む」と明記し、その例示として、(ア)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、(イ)平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標、(ウ)外観において同視される図形からなる商標、を挙げ、かつ、登録商標の使用に当たるか否かの認定に当たっては、登録商標に係る指定商品等の属する産業分野における取引実績を十分に考慮し、個々具体的な事例に基づいて判断すべきものであるとしている。
このことから、不使用取消審判における登録商標の使用と認められる範囲は明確化され、商標においては、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標であれば、社会通念上登録商標と同一と認められる商標の使用も当該商標の使用と認めるという従来の運用が明確にされている。
したがって、乙第1号証に示す「FINE CLAD」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商品「積層板」に使用するものであるので、商標法第2条第3項第1号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付する行為」に該当する。
(2)乙第2号証は、乙第1号証に示した段ボール箱の注文書控のコピーであり、これによれば、被請求人の下松工場から、平成14年7月29日にレンゴー株式会社に対して、同じく、同年6月25日に親和紙器株式会社に対して、それぞれ段ボール箱を発注していることが記載されている。被請求人は、自社が製造した積層材を出荷するために、当該段ボール箱を上記それぞれの年月日に、それぞれの会社に発注し、同年8月3日及び同年7月2日に納入させていたことが明らかである。
(3)乙第3号証は、「FINE CLAD」が表示され、商品「Copper Laminated Resin Sheet」という表示を有する(3頁)英文商品カタログのコピーであり、被請求人の本社「クラッド開発部」が平成14年8月に作成したものである。その3頁の上段の赤枠には、「Strucure」として、10〜35ミクロンメートル厚の銅箔(Cu foil)と12〜50ミクロンメートル厚の「resin sheet」(合成樹脂板)とが積層された図が示されており、「resin sheet」の一例として、「Liquid crystal polymer:LCP」(液晶ポリマー)が示されている。
また、同頁の中段の赤枠の左側には、被請求人の製造に係る積層板の断面図が示されており、右側には、従来品の断面図が示されている。
この乙3号証によれば、被請求人は、商品「積層板」に関するカタログに「FINE CLAD」を付して頒布したものであり、それは商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」に該当する。
(4)乙第4号証は、本件商標が付され、かつ、商品「高分子フィルムと銅箔の接合材」という表示を有する日本語商品カタログのコピーであり、それは、被請求人の「技術研究所」が平成14年8月(2002/8)に作成したものである。
その1頁の上段の赤枠には、商品「接合材」について、本件商標が付されており、また、同6頁の上段の赤枠には、当該「接合材」(クラッド材)の「1.基本構成」として、銅箔と高分子フィルムとが積層された図が示されており、さらに、同頁の下段の赤枠の「3.仕様」には、「高分子フィルム」の一例として液晶ポリマーが記載されている。
当該乙第4号証によれば、被請求人は、商品「高分子フィルムと銅箔の接合材」の日本語商品カタログに、本件商標を付して頒布したものであり、それは商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」に該当する。
(5)乙第5号証は、乙第3号証及び乙第4号証に示された積層板の一方の側に積層されている「LCP」の用語を解説した技術文献であり、当該乙第5号証の112頁の赤枠には、「LCP」がエンジニアリングプラスチックの範疇にあることの記載がされている。
(6)請求人の弁駁に対する再答弁
(ア)請求人は、「乙第1号証で示す包装用段ボール箱の外表面写真には、「FINE CLAD」が表示されているが、これは単なる表示であり、本件商標の使用を示すものではない。」と主張するが、この主張は当を得ていない。
なぜなら、(段ボール箱の外表面の表示が)本件商標の取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」の包装に標章を付する行為であり、商標法第2条第1項第1号の「使用」に該当するからである。
(イ)請求人は、「乙第2号証で示す注文書控えは、単に梱包用段ボール(箱)の注文書控えにすぎず、乙第1号証との関連性を示す記載はないから・・・」と主張するが、被請求人は、本件商標の取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」の包装に標章を付するために、乙第1号証で示した段ボール箱を発注したという一連の流れを示すために添付したものである。
なお、請求人の疑念を払拭するために、答弁書(第2回:平成16年3月18日付け)において、新たに乙第6号証を提示し、本件商標に係る「ファインクラッド」製品の梱包用段ボール(箱)の見積書及びその仕様書を添付した。
被請求人は、「ファインクラッド」製品を出荷するために、この段ボール箱をレンゴー株式会社に発注し、2000年(平成12年)1月31日及び同年2月23日に、それぞれ見積書を受領していたことが明らかである。
そして、この乙第6号証(見積書)の品名欄には、「ファインクラッドケース」と明記されており、見積書に係る段ボール箱が本件商標に係る「ファインクラッド」製品の梱包用段ボール箱であることは明らかである。
(ウ)請求人は、「乙第3号証で示す英文カタログ・・・は、・・・応用例を示しているにすぎず、・・・」と主張するが、この主張も全く当を失しているといわざるを得ない。
被請求人が第1回答弁書において、乙第3号証の3頁の上段について言及しているのに、請求人は、全く異なった頁の記載をとらえて反論している。
乙第3号証で示す英文商品カタログは、本件商標に係る「ファインクラッド」製品について幾つかの仕様があることを示したものであり、本件取消審判請求に係る商品「プラスチック基礎製品」は、乙第3号証の3頁の上段に明確に記載されている。
(エ)請求人は、用語辞典や被請求人のホームページの記載を添付して、「乙第4号証で示す日本語商品カタログ・・・は、・・・中間層である抵抗層・・・が本件商標の使用商品となる・・・」と主張する。
しかしながら、この主張も被請求人の第1回答弁を無視するものであり、反論になっていない。すなわち、被請求人は、乙第4号証の6頁の上段の赤枠を示して、本件商標に係る「ファインクラッド」製品の基本構成を説明し、取消請求に係る商品が記載されている旨反論したのである。
それにもかかわらず、請求人は、「クラッド材」なる用語を我田引水し、本件取消請求に係る指定商品と全く関連のない事項を引用している。
なお、念のために言及するが、乙第3号証の3頁の下段の赤枠及び乙第4号証の6頁の上段の赤枠に、それぞれ断面図で示された接合材「ファインクラッド」の製造は、被請求人の工場において実施しているものであり、高分子フィルムと10〜35ミクロンメートル厚の金属箔(銅箔)との接合は、通常の圧延などで実施できるものではなく、真空雰囲気中での精密な管理のもとで接合可能となるものである。
よって、使い古された技術用語を持ち出して、新技術で製造される製品に使用される本件商標につき定義付けることは何の効果もない。
(オ)被請求人は、「ファインクラッド」製品を他社に出荷した事実を立証するため、乙第7号証(納品書)を添付する。
この乙第7号証によれば、株式会社SSKの依頼により製造した50ミクロンメートル厚のLCPフィルムと35ミクロンメートル厚のCu箔とを接合したクラッド材を「技術研究所」から被請求人の本社「クラッド開発部」へ平成14年9月12日に出荷した事実が明らかである。
(カ)請求人は、「日本国内における被請求人会社製品の販売店・代理店等をくまなく調査したが、・・・虚偽の記述であり、・・・。」と述べているが、この点は何の根拠をもって主張しているのか疑問を禁じ得ない。
(7)結論
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により、その指定商品中の「プラスチック基礎製品」について使用されたものであるから、商標法第50条の規定により、当該商品についての登録は、取り消されるべきでない。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第1項の規定により、当該審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る指定商品につき当該登録商標を使用していることについて証明しない限り、あるいは、使用していないことについて正当な理由を明らかにしない限り、同条第2項の規定により、その登録の取消しを免れない。
(2)そこで、被請求人の使用に係る商品が取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に該当するか否かについて、以下、検討する。
(ア)1996年(平成8年)12月25日社団法人発明協会発行「特許庁商標課編『商品及び役務区分解説〔改訂第3版〕』」106頁の「4 プラスチック基礎製品」の項には、
「この概念には、プラスチックの半加工品が含まれる。成型等の加工を何等施さない原料としてのプラスチックは、第1類7原料プラスチックに属し、ここには含まれない。また、“プラスチック製の接着剤”“プラスチック製容器”“プラスチック製くし”及び“プラスチック製タイル”等、最終製品となったものは含まれない。この概念には、ガラス繊維、金属繊維等を強化材又は充てん材として使用した『繊維入り板』『繊維入り管』及び『繊維入り棒』が含まれる。・・・(中略)・・・なお、〈合成紙〉は、プラスチックフィルムをその素材とするが、これに特殊加工を施して印刷、筆記適性をもたせたものであるから、第16類1紙類に属する。」
との記載がされている。
(イ)また、1996年(平成8年)12月20日社団法人発明協会発行「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準〔改訂第8版〕」
81頁の第17類「プラスチック基礎製品」には、「金属はくを蒸着したプラスチックシート」が含まれている。
(ウ)上記(ア)及び(イ)の記載及び答弁書(第2回:平成16年3月18日付け)における「乙第4号証の6頁の上段の赤枠に・・・断面図で示した接合材が被請求人の製品『ファインクラッド』であり・・・」との被請求人の主張を併せ考えると、乙第4号証の6頁の上段の赤枠に断面図で示されている商品は、高分子フィルムと抵抗層と銅箔とを重ね合わせたものであり、上記(イ)において、第17類「プラスチック基礎製品」に「金属はくを蒸着したプラスチックシート」が含まれていることからみれば、この材料も「プラスチック基礎製品」に属すとみるのが相当である。
(3)次に、被請求人が本件取消審判請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に使用したとして提出した乙各号証(乙第1号証ないし乙第7号証)において、本件商標が使用されたと認められるか否かについて、以下、判断する。
(ア)乙第1号証は、段ボール箱の外観を撮影した写真(上下2枚)(写)であり、そこには、段ボール箱の外表面の上段に「FINE CLAD」の文字が、また、その下段には、「(高機能積層材)」の文字が二段に横書きされている。
しかしながら、この乙第1号証のどこにも、上記写真の撮影年月日が見当たらないだけでなく、当該段ボール箱に記載された「高機能積層材」に相応する段ボール箱の内容物も定かでなく、対象商品の特定ができないという以外にない。
なお、該段ボール箱には、多数の瘤状発泡体と一葉の薄紙(シート)が見受けられるが、「高機能積層材」がこれらであるということを客観的に裏付ける的確な証拠の提出もない。
してみると、当該段ボール箱の外表面に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「FINE CLAD」の表示があるとしても、これをもって、被請求人が本件審判請求の登録(平成14年12月11日)前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」について、本件商標を使用していたと認めることはできない。
(イ)乙第2号証
乙第2号証は、注文書・控という表題のある横長のカード状用紙(上下2枚)を1枚紙にコピーしたといえるものである。
そこには、本件商標の表示が見当たらず、「品名・工事名」欄に「MTセット(梱包用ダンボール)」又は「ダンボール箱」という記載が見受けられる。
しかしながら、この「MTセット(梱包用ダンボール)」又は「ダンボール箱」が乙第1号証の写真に見られる段ボール箱であることを客観的に裏付ける証拠の提出はなく、かかる注文書・控(写)のみをもって、本件商標が被請求人により取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に使用された証拠と認めることはできない。
(ウ)乙第3号証及び乙第4号証
乙第3号証は、全3枚からなる英文商品カタログ(コピー[カラー])というものである。
その1頁の上段の中央には、「FINE CLAD」の文字が見受けられ、その直下には、「Clad Materials」(クラッド材)の表示があり、その右には、被請求人の会社名(東洋鋼鈑株式会社)の英文表記(TOYOKOHAN CO.,LTD)が見受けられる。
また、同頁の最下部には、「inquires」(問合せ先)として、被請求人会社及びその「クラッド開発部」の英文表記(「TOYO KOHAN CO.,LTD.」「Clad development Department」)並びにその住所が記載されているところ、該住所は、英文表記順(番,号,丁目,区,東京都,郵便番号,日本国)に記載されており、さらに、電話及びファクシミリの番号に国コード(+81)の記載が認められる。
他方、乙第4号証は、全6枚からなる日本語商品カタログというものである。
その1頁目の最上部には、本件商標が、その下には、「高分子フィルムと銅箔の接合材」という表示が、また、同頁の中央には、被請求人の会社名「東洋鋼鈑株式会社」が、さらに、同頁の最下部には、年月「2002/8」(すなわち平成14年8月)及び被請求人会社の「技術研究所」の英文表記「Toyo Kohan Tech. Res. Lab.」がそれぞれ見受けられる。
しかして、両カタログには、商品の品番・価格等に加え、乙第3号証においては、その作成年月日が、乙第4号証においては、その問い合わせ先を示す電話番号やファクシミリ番号等の記載が一切見受けられない。
そうすると、商品の販売促進の目的のために制作・頒布される商品カタログに、販売促進のためには必要不可欠と思われる上記掲載事項が見当たらないことは、商品カタログとして不自然というほかはなく、乙第3号証のカタログが被請求人の説明のとおり、平成14年8月に作成されたものであって、乙第4号証のカタログも同証拠に記載のとおり、同じく、平成14年8月に作成されたものであるとしても、具体的に、取引者、需要者に対して、いかなる所で、どの程度、どのような方法で両カタログが頒布されたものであるのか、その事実を示す証拠又は説明等を確認することができない以上、かかる証拠をもって、本件審判請求の登録(平成14年12月11日)前3年以内に日本国内において、被請求人が取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に本件商標を使用した事実を客観的に裏付けるものということはできない。
(エ)乙第5号証
乙第5号証は、「LCP」(主に液晶ポリマー)について解説した文献にすぎず、本件商標の使用の証拠となるものではない。
(オ)乙第6号証
乙第6号証は、被請求人がレンゴー株式会社から受領した梱包用段ボールの見積書のコピーというものである。
そこには、「ファインクラッドケース」という文字の記載が見られるとしても、当該「ファインクラッドケース」が乙第1号証の写真に見られる段ボ
ール箱及び乙第2号証に記載の「MTセット(梱包用ダンボール)」又は「ダンボール箱」であると認めるに足る客観的な証拠は、見当たらないだけでなく、そもそも乙第6号証は、本件取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」の取引書類ではなく、その梱包用段ボールについての見積書(コピー)にすぎないものであるから、これをもって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に本件商標を使用したとは到底認めることができない。
(カ)乙第7号証
乙第7号証は、「試作クラッド材送付の件」という記載のある「技術研究所 クラッド開発G」から、被請求人会社の「クラッド開発部」に宛てた納品書(写)というものである。
しかしながら、この乙第7号証には、本件商標がどこにも見当たらず、また、担当者の受領印もない。
さらに、該乙第7号証自体は、被請求人会社の一部署と推認し得る「技術研究所 クラッド開発G」(答弁書[第1回:平成15年1月27日付け]3頁の「技術研究所」の記載参照)から、同じく、被請求人会社の一部署と認められる「クラッド開発部」に宛てただけの、いわゆる同じ組織内でのやりとりをした書面[納品書(写)]にとどまるものと認められ、しかも、送付商品が「試作クラッド材」であり、無償のものであってみれば、これのみをもってしては、かかる商品が不特定多数の第三者に対して転々流通して取引される商標法上の商品に該当するものとは、直ちに認められないから、これをもって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」に本件商標を使用したと認めることはできない。
(キ)他に、取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」について、被請求人が本件商標を使用した事実を示す証拠は、見いだせない。
(4)まとめ
以上を総合すれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品「プラスチック基礎製品」について本件商標を使用していなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「プラスチック基礎製品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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