Trademark Appeal Case
著名商標の類否と出所混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第91879号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4160615号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、平成9年3月14日に登録出願、第11類「加熱器,調理台,流し台,冷凍機械器具,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,家庭用電熱用品類」を指定商品として、同10年6月26日に設定の登録がされたものである。
2 取消理由の通知
平成11年3月8日付けで、商標権者に下記の取消理由を通知した。
本件商標は、別紙に示すとおり「cKc」の文字を横書きしてなるものである。
ところで、アメリカ合衆国在のカルバン クライン トレードマーク トラスト(以下、「カルバン・クライン社」という。)及びそのライセンシーが、靴、衣服、アクセサリー等の商品について使用の別紙に表示した構成の引用商標A及び引用商標B(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)は、本件商標の登録出願時には、既に、著名となっていたものである。
しかして、本件商標は、その構成中に、著名な引用商標を想起・連想させると認められる「cK」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品がカルバン・クライン社又は同社と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認める。
3 商標権者の意見
上記2の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べている。
引用商標にあっては、「カルバン・クライン」の名と共に広く知られている事実は容易に認められるが、「cK」の商標が単独でファッションに関係のない分野においてまで広く知られているとはいえない。加えて、本件商標の指定商品と引用商標に係る指定商品とは、取引関係者及び需要者を全く異にしているものであり、近年の市場の拡大や経営の多角化を考慮しても、全く接点のない機械器具関連の分野にまで、引用商標の著名性が及ぶものとは考えられない。
また、両商標の構成態様からみても、引用商標は、小文字の「c」と大文字の「K」を結合させた「cK」の2文字からなるものであるのに対し、本件商標は、大文宇の「K」を中心にして両脇に小文字の「c」をバランスよく配置し、全体としてまとまりのよい極めて一体的なものであり、タイプフェイスも異なるものであるから、両者は、全く非類似の商標であり、この点からも商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
4 当審の判断
そこで判断するに、申立人の提出に係る甲号各証によれば、カルバン・クライン社及びそのライセンシーが、靴、衣服、アクセサリー等の商品について使用する「cK」の文字からなる引用商標A及び「cK」の文字と「Calvin Klein」の文字からなる引用商標Bは、本件商標の登録出願時には、既に、取引者・需要者の間において広く認識されるに至っていたものと認めることができる。
この点について、商標権者は、「cK」の商標が「カルバン・クライン」の名と共に広く知られている事実は容易に認められるが、これが単独でファッションに関係のない分野においてまで広く知られているとはいえない旨主張している。
しかしながら、申立人の使用に係る「cK」の文字からなる商標は、別紙に示したとおり、上下部分に細い線飾りを付した「K」の文字を大きく表し、その文字の左側中央部分に「c」の文字を「K」の文字の二分の一程度の大きさで小さく表すという極めて特徴のある構成からなるものである。そして、「cK」の文字と「Calvin Klein」の文字からなる引用商標Bにあっても、「cK」の文字部分は「Calvin Klein」の文字に比べて格段に大きく表されているものであるから、これに接する需要者は、特徴のある「cK」の文字部分に注意を惹かれ、「Calvin Klein」の文字とともに「cK」の文字部分も需要者の記憶に強く残るものいうべきである。
しかして、本件商標は、別紙に示したとおり、「cKc」の文字からなるものであるが、その構成中の冒頭部分を占める「cK」の文字は、その字体、文字の大きさ及びその配置をいずれも特徴のある著名な引用商標の「cK」とほぼ同じくするものである。そして、その指定商品は、引用商標が使用されている靴、衣服等と同じく、一般家庭において用いられるr家庭用電熱用品類」を含むものであり、その他の商品も必ずしも専門的分野に属する特殊なものとはいえない。
してみれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、容易に、著名な引用商標を想起・連想し、これがカルバン・クライン社又は同社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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