結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2003−21394(T2003−21394/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「龍村晋錦」の文字を標準文字としてなり、第24類、第25類及び第26類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年5月8日に出願されたものである。
(1)有限会社龍村織宝本社の商標「龍村製」、「龍村」等は、帯等の織物製品に使用した結果、昭和の初めには既に、取引者、需要者間に著名なものであったので、「龍村」の文字部分を要部とする本願商標を、その指定商品に使用するときは、商品の出所について誤認が生ずるおそれがある。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)本願商標は、「龍村製」「TATSUMURA」「たつむら」「タツムラ」又は「龍村」の文字からなる登録第319242号ほか21件の先願登録商標(以下、併せて「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)本願商標は、「龍村晋錦」の文字からなるところ、その構成中「錦」の文字は、金銀糸や種々の絵緯を用いて華麗な文様を織り出した紋織物の総称を意味する語であり(岩波書店発行「広辞苑」及び文化出版局発行「服飾辞典」参照。)、指定商品との関係においては、識別力が無いか極めて弱いというべきものである。
そして、読売新聞2000年7月21日大阪朝刊27頁に、「色鮮やか、錦織物 龍村晋氏の作品展 倉敷で始まる」の表題のもと、「古代からの錦織物の研究と復元に生涯をささげ、一昨年十二月に九十歳で死亡した龍村晋氏の『辰(しん)世紀の錦展・・・』が二十日、倉敷市本町の平翠軒二階ギャラリーで始まった。・・・龍村氏は、芸術院恩賜賞受賞の龍村平蔵氏の三男。東京帝大を卒業後、平蔵氏と正倉院に収められていた古代裂(きれ)や平安時代の有職(ゆうそく)裂などの錦織物の研究と復元に取り組んだ。代表作には山水画を織物にした『国宝山水屏風(びょうぶ)錦』などがあり、帝国劇場の緞帳(どんちょう)の制作などにも携わった。・・・。主催した総合企画会社・日本橋龍伝は『あらゆる名誉を断り、ひたすら研究と創作に取り組んできた故人の名作を一人でも多くの人に見てもらい、受け継いでほしい』としている。」との記事の掲載及び請求人が原審並びに当審において提出した資料を徴するに、「龍村晋」は、正倉院の古代錦を始め名物裂の復元と多くの美術織物を創作したことで著名な初代龍村平蔵の三男の氏名であり、同人は、初代平蔵の創作絵の復元とともに、独自に古代からの錦織物の研究と復元に生涯をささげた人物であること、特に作風技法において独自の「伝匠名錦」等を生み出した美術織物の創作者として周知な人物といえること、そして、帯や小物等について「龍村晋」ブランドをもって事業活動し、請求人は同人から受け継ぎ事業を行っていることが認められる。
してみれば、本願商標の構成中「龍村晋」の文字部分は、上記人物名及び同人のブランドを表すものとして一体不可分の標章として認識されるというのが、取引の実情に照らし相当というべきである。
しかして、本願商標は、その構成文字全体から「タツムラシンニシキ」の称呼と「龍村晋」の文字部分に相応して「タツムラシン」の称呼を生ずるものというべきである。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して「タツムラセイ」又は「タツムラ」の称呼を生じるものである。
そこで、本願商標及び引用商標の上記各称呼をそれぞれ対比しても、相違する各音の音質の差によって、いずれも判然と区別し得るものであるから、両商標は、称呼において相紛らわしいものとはいえない。
また、両商標が、外観あるいは観念において、相紛れるおそれがあるものともいえない。
してみれば、本願商標は、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標に類似する商標とは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。
(2)本願商標の構成中には「龍村」の文字を含み、また、「龍村製」等の商標が織物や帯等について広く認識されるに至っているものであるとしても、上記のとおり、「龍村晋」は一体不可分に看取されるものである。しかして、本願商標を指定商品に使用しても、龍村晋の錦との認識をもって把握され独自の出所を表す標章として認識されるというのが相当であるから、「龍村製」等の商標を付した商品との間で、その出所を誤認し混同を生ずるおそれがあるものとはいえないというべきである。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に、本願を拒絶する理由を発見しない。
よって、結論のとおり、審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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