Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−18385(T2003−18385/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「YOU CAN’T DO E−BUSINESS WITHOUT US.」の文字を書してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、パリ条約に基づきアメリカ合衆国への出願を最初の出願(2002年1月14日)とする優先権の主張を伴うものとして、平成14年5月7日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における同16年1月16日付け手続補正書をもって、第9類「電子応用機械器具及びその部品」、第35類「コンピュータデータベースへの情報構築」及び第42類「ウェブサイトの作成と保守(他人のためのもの),コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットによる検索エンジンの提供,電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『YOU CAN’T DO E−BUSINESS WITHOUT US.』と書してなる英語であるが、これよりは全体として『我々なしで電子商取引はできません。』程度の意味合いを容易に理解できるものと認められるので、このような商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、一種のキャッチフレーズ、キャッチコピー的なものと理解するにとどまり、何ら自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものではなく、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱いに係る商品や役務、企業イメージに関して、需要者に親しみや好感、信頼感等の良い印象を抱いてもらうよう日常的に心がけているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)等を採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又は役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、これらの中には、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、これを本願商標についてみるに、本願商標は、上記のとおり、「YOU CAN’T DO E−BUSINESS WITHOUT US.」の文字を書してなるところ、我が国における英語の普及度に照らせば、これを構成する各語はいずれも比較的親しまれたものといい得るものであり、これに接する取引者、需要者をして、その構成全体から「我々なしで電子商取引はできません。」という抽象的意味合いを容易に想起させるとみるのが相当である。
そして、前記意味合いを容易に想起させる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接した取引者、需要者は、これを自他商品又は自他役務の識別標識として看取し、認識するというよりは、むしろ、その指定商品及び指定役務を取り扱っている請求人の業務に関し、語句全体から「我々なしで電子商取引はできません。」という、その企業理念等を表す、企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)として認識し、理解するにとどまるというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者は、それが企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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