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Trademark Appeal Case

DRYの記述性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第92137号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4171545号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4171545号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年1月21日登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第1類「床下防湿用乾燥剤,その他の乾燥剤」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、昭和63年4月12日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第1類「化学品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成9年2月24日に設定登録された登録第2719791号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品中に包含されているから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

また、昭和34年12月3日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第69類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和36年9月1日に設定登録された登録第579879号商標(以下「申立人商標A」という。)、昭和12年10月19日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第69類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和14年7月7日に設定登録された登録第318460号商標(以下「申立人商標B」という。)及び昭和46年9月20日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年8月27日に設定登録された登録第1536219号商標(以下「申立人商標C」という。)の各商標は、申立人の商標として広く一般に知られているところ、本件商標は、これら申立人商標と「ナショナル」の称呼、観念を共通にする類似の商標であり、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人又は申立人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第12号及び同第15号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

登録異議の申立てがあった結果、本件商標について、商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。

〈取消理由〉

本件商標は、その構成中、中央の楕円形内に白抜きで表された「Nais DRY」の文字部分も独立して、識別力を有するといえるものであるところ、このうち「DRY」の語は指定商品「乾燥剤」との関係では商品の品質を表すものであるから、この文字部分における要部は「Nais」の文字にあり、これより「ナイス」の称呼をも生ずるものというのが相当である。してみれば、「NaiS」の文字よりなり「ナイス」の称呼を生ずること明らかな引用商標とは、「ナイス」の称呼を共通にする称呼上、類似の商標といわなければならない。そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に包含されているものと認めることができる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第第11号に該当する。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由通知に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証を提出した。

(1)本件、引用両商標の指定商品が類似していることについては異論がないため、両商標の類否について取消理由通知の考え方に承服できないものであるので反証として、乙各号証を提出し検討する。

▲1▼乙第1号証

登録第4085989号(商願平8−80304号)

商標:「DRY NOW」

指定商品:第1類「化学品,植物成長調整剤類...陶磁器用釉薬」

▲2▼乙第2号証

登録第4058469号(商願平3−95669号)

商標:「NOW」

指定商品:第1類「化学品、薬剤、医療補助品」

▲3▼乙第3号証

登録第2319186号(商公平2−68526号)

商標:「DRY SURF/ドライサーフ」

指定商品:第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」

▲4▼乙第4号証

登録第2298864号(商公平2−43828号)

商標:「サーフ/SURF」

指定商品:第1類「化学品、薬剤、医療補助品」

▲5▼乙第5号証

登録第2225219号(商公平1−61668号)

商標:「ドライキング/DRY KING」

指定商品:第1類「無機工業薬品」

▲6▼乙第6号証

登録第412253号(商公昭26−17401号)

商標:「KING/図形/キング」

指定商品:第1類「化学品、薬剤(但し、煎剤...消化剤及其の各類似品を除く)」

上記乙第1・3・5号証の商標は、態様中に「DRY」の文字を有する商標であり、本件商標と同様に「化学品」をその指定商品に含むものである。即ち、取消理由の考え方からすれば、上記乙第1・3・5号証の商標の要部は、明らかに「NOW」「SURF/サーフ」「キング/KING」の文字にあることとなり、各々「ナウ」「サーフ」「キング」の称呼を生ずる商標とは併存不可と解さざるを得なくなる。

しかし、実際には、上記乙第1・3・5号証の商標と指定商品が類似し、かつ、権利者が異なるにも拘わらず、乙第2・4・6号証の商標が登録されているという事実が存在しており、これらの審査においては、「DRY」の有無によって上記の各商標は、いずれも明確に識別し得ると解されたものと推認される。

(2)これらの審査例が示すことは、「DRY」のような語は只単に機械的に分離して認識されるべきものではなく、他の語と結合することにより一連一体の造語を形成するものであり、外観上或いは称呼上敢えて結合商標を分離観察すべき特段の理由がない場合には、常に一体不可分のものとして捉えるのが相当というものである。

上記のことは、本件商標から生ずる称呼の考察にも適合するものであり、本件商標中の「Nais DRY」から生ずる称呼「ナイスドライ」が一気一連に淀みなく発音されるものであることも合わせ考慮すれぱ、本件商標から「ナイス」のみの称呼が生ずることはないと解するのが正当である。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼上非類似の商標であることは明らかであり、又、その構成態様から両商標が外観、観念において相紛れるおそれのない商標でもあるから、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第第11号に該当しないものである。

5 当審の判断

本件商標は、別紙に表示するとおり片仮名文字、欧文字、漢字及び図形との組み合わせよりなるところ、これらを常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由は見当たらないものであるから、その構成中、中央に黒抜きの楕円形内に白抜きで顕著に表された「Nais DRY」の欧文字部分は独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえるものであり、このうち大文字のみで表した後半の「DRY」の文字部分は、「乾いた、乾燥した、乾燥させる」等の意味を有する英語として一般によく知られているものであって、本件商標の指定商品「床下防湿用乾燥剤、その他の乾燥剤」との関係においては、その商品の品質、効能を表わす文字とみるのが相当である。そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は「Nais DRY」の文字部分の後半の「DRY」の文字を商品の品質、効能を表わした部分と容易に理解し、「Nais DRY」の文字部分にあって、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は前半の「Nais」の文字にあると認識、理解し、この文字部分に相応して「ナイス」の称呼をもって取引に当たることも決して少なくないといわなければならない。

してみれば、本件商標は、その構成中の「Nais」の文字に相応して「ナイス」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。

この点に関し商標権者は、意見書において過去の登録例を挙げて種々述べているが、商標の類否、とりわけその商標からいかなる称呼を生ずるかは、結合されている語(本件の場合「DRY」)が結合に係る文字の前か後か、その指定商品との関係、引用商標(例えば、文字の綴り)との同一又は類似の度合い及び商取引の実情等を十分考慮して行わなければならないものであるところ、本件においては、上記の認定を妥当とするところであるから、申立人の主張は採用することができない。

他方、引用商標は、「NaiS」の文字に相応して「ナイス」の称呼を生ずるものと認められる。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、「ナイス」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に包含されていること明らかなものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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