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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31228(T2004−31228/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1988075号商標の登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第1988075号商標(以下「本件商標」という。)は、「データコレクタ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年1月16日に登録出願され、第11類「電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年9月21日に設定登録されたものである。

当該商標権は、平成9年10月21日に存続期間更新登録がされている。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

(1)請求の理由

本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内においてそのいずれの指定商品についても何ら使用されていない。したがって、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取消は免れない。

(2)弁駁の理由

(イ)本件商標の取消請求に係る商品についての使用が証明されていない。

本件商標が使用されているとした「小型温度測定記憶装置」が乙第2号証の写真に示されるような商品である以上、乙第1号証のパンフレットにいう「計測ユニット」に止まるものであり、乙第1号証のパンフットの記述からすれば、当該商品は温度を測定し、データを記憶するに過ぎない。

そして、乙第1号証のパンフレットの記述全体の、取り分け「(a)独自の耐熱耐圧構造をほどこした小型温度測定記憶装置(データコレクタ)がセンサ、製品ともに生産ラインに流れ、正確なデータを記憶。(b)データ処理は測定後にパソコンに自動転送して行なう〈データ集積方式〉を実現」「パソコンを用いての高度のデータ処理」なる、記述からすれば、F値計算、最高温度、殺菌・滅菌時間の演算を行なう機能があり、温度・時間の過不足も演算するのはパソコンであって、小型温度測定記憶装置自体ではない。

すなわち、商標権者の使用にかかる「小型温度測定記憶装置」はあくまで測定機械器具に止まるものであって、電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっている「電子応用機械器具」には包含されない。

また、本件商標の通常使用権者とされる安立計測株式会社(以下「通常使用権者」という。)の「小型温度測定記憶装置」については乙第4号証のパンフレットのタイトルが「温度計測器総合カタログ」であり、そのパンフレット上でこの商品について「計測器本体」「熱電対式 温度計測器」なる表示がされていることからすれば、当該商品は測定機械器具として販売されていたことが判る。

以上述べた如く、商標権者及び通常使用権者のいずれの商品も本件審判において取消請求に係る商品「電子応用機械器具」に属しないから、被請求人は取消請求に係る商品についての本件商標の使用を立証していない。

(ロ)本件審判請求の登録前3年以内の使用が証明されていない。

乙第1号証のパンフレットには発行年月日が印刷されておらず、また、印刷業者の納品書等も提出されていないので、当該パンフレットが本件審判請求の登録前3年以内のものであることが証明されていない。

乙第2号証の写真は本件審判請求の登録日以降の平成16年11月8日に撮影されたものであるから、当該写真は本件審判請求の登録前3年以内のものであることが証明されていないから、その使用を何ら立証するものではない。

乙第4号証のパンフレットには発行年月日が印刷されておらず、また、印刷業者の納品書等も提出されていないので、当該パンフレットが本件審判請求の登録前3年以内のものであることが証明されていない。

乙第4号証のパンフレットの発行日が不明である以上、乙第5号証ないし乙第8号証の取引書類における商品記号の数字と当該パンフレットの同じ数字の商品記号の商品とが同一あるとはいえない。けだし、乙第4号証のパンフレットが古く、上記取引書類に掲載された商品の記号はその後に変更された可能性があり、また、同パンフレットが新しいものであって取引書類に掲載された商品記号が変更された可能性があるからである。なお、乙第6号証の受領書には商品名が記載されているが、その商品は「熱電対線」であって、本件審判において取消請求に係る商品とは明らかに相違する。

3.被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。

(1)商標権者と通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具」の分野に属する商品について使用している。

(イ)商標権者と通常使用権者は、小型温度測定記憶装置について、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標「データコレクタ」を使用している。

小型温度測定記憶装置とは、加圧加熱殺菌・滅菌処理機内の温度を正確に測定し測定結果をコンピュータ上で処理する目的で用いられるものである。

具体的には、この小型温度測定記憶装置をセンサ、製品とともに生産ラインに流すことにより、殺菌・滅菌処理機内の正確な温度を測定し、計測温度を経時的に記録する。さらに、設定した条件に合わせて温度を測定し、F値計算、最高温度、殺菌・滅菌時間の演算を行う機能があり、温度・時間の過不足も演算することができる。また、ホストコンピュータとの通信機能を使用し、計測したデータを転送すると、専用ソフトウエアを使い集積したデータを加工することが可能となる。

この小型温度測定装置は、電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっているため、本願指定商品のうち「電子応用機械器具」に包含されるものである。

商標権者は、昭和60年から現在まで「DATA COLLECTOR」の商標を使用して、小型温度測定記憶装置を販売している(乙第1号証及び乙第2号証)。

さらに、温度計測器製造会社である通常使用権者とともに小型温度測定記憶装置を開発した経緯から、商標権者と通常使用権者は平成14年9月2日付けで商標の使用許諾契約を締結した(乙第3号証)。通常使用権者は「データコレクタ」若しくは「DATA COLLECTOR」を小型温度測定記憶装置に使用している(乙第4号証)。

そうとすれば、商標権者と通常使用権者は、いずれも、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具」の分野に属する商品について使用している。

(ロ)平成16年9月発行の通常使用権者の温度測定器総合カタログ(乙第4号証)において、計測機器本体に「DATA COLLECTOR」が使用されている。

「DATA COLLECTOR」の文字よりなる商標と「データコレクタ」の文字よりなる商標とは、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標であり、社会通念上同一と認められるものであるので、通常使用権者が本件商標「データコレクタ」を小型温度測定記憶装置に使用していることは明らかである。

さらに、通常使用権者は、本件商標を付した小型温度測定記憶装置についての注文を受け、以下に示すように納入している。

(a)「ハンディタイプ 6チャンネル データコレクタ及びその付属品」(AM‐7002K)を販売会社である安立計器東京販売株式会社(以下「販売会社」という。)を通し、昭和大学へ納品(平成16年6月11日〜平成16年6月15日)(乙第5号証)

(b)「ハンディタイプ 6チャンネル データコレクタ及びその付属品」(AM‐7002K)を販売会社を通し、株式会社フジクラへ納品(平成16年6月18日〜平成16年6月21日)(乙第6号証)

(c)「ハンディタイプ 6チャンネル データコレクタ、専用ソフトウエア及びその付属品」(AM−7002E)を日本デリカフーズ協同組合を通しタワーベーカリー株式会社へ納品(平成16年7月1日)(乙第7号証)

(d)「ハンディタイプ 6チャンネル データコレクタ」(AM−7002K)を株式会社第一科学へ納品(平成16年9月17日)(乙第8号証)

上記売上伝票、物品納品書には「データコレクタ」の文字の表示はされていないが、製品番号から、「ハンディタイプ 6チャンネル データコレクタ AM−7002シリーズ」のものであることは明らかである。

よって、通常使用権者は、小型温度測定記憶装置に本件商標「データコレクタ」を使用しているというべきである。

そうとすれば、商標権者と通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具」の分野に属する商品について使用している。

4.当審の判断

被請求人は、同人(商標権者)に係る「DATA」「COLLECTOR」の文字を上下に2段書きした表題の「温度測定記憶装置」に関する商品カタログ(乙第1号証)、「キューピー DATA COLLECTOR」が付された「温度測定記憶装置」とする写真3葉(乙第2号証)、平成14年9月2日付けの商標権者と通常使用権者との間における本件商標及び登録第4410336号商標に関する商標使用契約書(乙第3号証)及び通常使用権者に係る「温度計測器総合カタログ」との表題の商品カタログ(乙第4号証)他、「品名/仕様」の欄に「AM−7002K」、同「AM−7002E」、同「AMS−7006 WIN」及び「商品名」の欄に「データコレクタ・熱電対線 一式」等の記載がされた売上伝票等の取引書類(乙第5号証ないし乙第8号証)を提出している。

そして、このカタログ(乙第1号証)を徴するに、表題の右にやや小さく「温度測定記憶装置」と表示されていて、商標権者に係る小型温度測定記憶装置の商品カタログと認められるところ、被請求人は「この小型温度測定記憶装置は、電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっているため、本件指定商品のうち『電子応用機械器具』に包含されるものである。」旨述べている。

しかし、提出された商品カタログ(乙第1号証、乙第4号証)の仕様及び使用説明等からするとその使用に係る商品は、「温度計測器」と認められるものであり、かつ、カタログ(乙第4号証)の114頁には、「熱電対式 温度計測器」と表示されており、種々ある温度計(抵抗式、熱電式、圧力式、放射式)の中の熱電温度計に属する商品であると認められるものである。

してみれば、上記の「小型温度測定記憶装置」及び「温度計測器」は、温度測定(計測)後にパソコンを用いてデータ処理を行なう機能があるとしても、被請求人が主張する「電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっているもの」とは認め難いものであり、むしろ、各種の計測・制御機器等が多く含まれる「測定機械器具」に属する商品とみるのが相当である。

そうすると、本件取消審判の取消請求に係る指定商品中には「測定機械器具」はなく、また、被請求人は、他に商標権者又は使用権者が本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していたことを立証する証拠を何ら提出していない。

したがって、被請求人の答弁及び乙号各証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標をその指定商品について、請求の登録前3年以内に日本国内で使用していたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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