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Trademark Appeal Case

不使用取消における使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31251(T2004−31251/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4410336号商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4410336号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年3月20日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運動技能訓練用シミュレーター,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成12年8月18日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

(1)請求の理由

本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内においてその指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について何ら使用されていない。したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取消は免れない。

(2)弁駁の理由

(ア)本件審判請求の登録前3年以内に本件商標の使用が証明されていない。

本件商標は、片仮名文字「キューピー」とローマ字「DATA COLLECTOR」とからなるものであるが、当該商標が表示されているのは乙第2号証の写真上の装置のみであり、これ以外の証拠方法には本件商標とは社会通念上明らかに別の商標である「DATA COLLECTOR」、「データコレクタ」の商標が表示されている。

しかるに、この写真は本件審判請求の登録日以降の平成16年11月8日に撮影されたものであるから、当該商標が付されたのが本件審判請求の登録前3年以内であることは何ら立証されていない。さらに、当該商標が商品に付された写真のみでは自他商品識別標識として使用されていたことも立証されていない。

(イ)さらに、以下に述べるように、「DATA COLLECTOR」「データコレクタ」(以下「使用商標」という。)が取消請求に係る商品に本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことは証明されていない。

(a)使用商標の取消請求に係る商品についての使用が証明されていない。

被請求人は、使用商標が使用されているとされた「小型温度測定記憶装置」がセンサ、製品とともに生産ラインに流すことにより、殺菌・滅菌処理機内の正確な温度を測定し、計測温度を経時的に記録し、設定した条件に合わせて温度を測定し、F値計算、最高温度、殺菌・滅菌時間の演算を行なう機能があり温度・時間の過不足も演算することができるものであって、本件審判において取消請求に係る商品「電子応用機械器具」に属すると主張する。

しかしながら、被請求人の「小型温度測定記憶装置」が乙第2号証の写真に示されるような商品である以上、乙第1号証のパンフレットにいう「計測ユニット」に止まるものであり、乙第1号証のパンフットの記述からすれば、当該商品は温度を測定し、データを記憶するに過ぎない。

そして、乙第1号証のパンフレットの記述全体の、取り分け「(a)独自の耐熱耐圧構造をほどこした小型温度測定記憶装置(データコレクタ)がセンサ、製品ともに生産ラインに流れ、正確なデータを記憶。(b)データ処理は測定後にパソコンに自動転送して行なう〈データ集積方式〉を実現」「パソコンを用いての高度のデータ処理」なる、記述からすれば、F値計算、最高温度、殺菌・滅菌時間の演算を行なう機能があり、温度・時間の過不足も演算するのはパソコンであって、小型温度測定記憶装置自体ではない。

すなわち、被請求人の「小型温度測定記憶装置」はあくまで測定機械器具に止まるものであって、電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっている「電子応用機械器具」には包含されない。

また、使用商標の通常使用権者とされる安立計測株式会社(以下「通常使用権者」という。)の「小型温度測定記憶装置」については乙第6号証のパンフレットのタイトルが「温度計測器総合カタログ」であり、そのパンフレット上でこの商品について「計測器本体」、「熱電対式 温度計測器」なる表示がされていることからすれば、当該商品は測定機械器具として販売されていたことが判る。

以上のとおり、商標権者及び通常使用権者のいずれの商品も本件審判において取消請求に係る商品「電子応用機械器具」に属しないから、被請求人は取消請求に係る商品についての使用商標の使用を何ら立証していない。

(b)本件審判請求の登録前3年以内の使用が証明されていない。

乙第1号証のパンフレットには発行年月日が印刷されておらず、また、印刷業者の納品書等も提出されていないので、当該パンフレットが本件審判請求の登録前3年以内のものであることが証明されていない。

乙第3号証は修理及び部品交換の見積書であり、乙第4号証は修理の依頼書・見積書・試験成績書であり、修理は商品についての商標の使用には当たらないので、これら証拠方法は使用商標の本件審判請求の登録前3年以内の使用を何ら立証していない。さらにいえば、納品書がない以上契約の申込に対する承諾の存在が証明できない以上、修理がされたこと自体が疑わしい。

乙第6号証のパンフレットには発行年月日が印刷されておらず、また、印刷業者の納品書等も提出されていないので、当該パンフレットが使用商標の本件審判請求の登録前3年以内のものであることが証明されていない。

(ウ)まとめ

以上述べたように、被請求人は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことを何ら証明しておらず、また、使用商標が取消請求に係る商品に本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことを何ら証明していない。

3.被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審判を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。

(1)商標権者と通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の分野に属する商品について使用している。

以下、その理由について述べる。

(ア)商標権者と通常使用権者は、小型温度測定記憶装置について、本件審判請求の登録前3年以内に、「キユーピー DATACOLLECTOR」を使用しているものである。

小型温度測定記憶装置とは、加圧加熱殺菌・滅菌処理機内の温度を正確に測定でき、測定結果をコンピュータ上で処理する目的で用いられるものである。

具体的には、この小型温度測定記憶装置をセンサ、製品とともに生産ラインに流すことにより、殺菌・滅菌処理機内の正確な温度を測定し、計測温度を経時的に記録する。さらに、設定した条件に合わせて温度を測定し、F値計算、最高温度、殺菌・滅菌時間の演算を行う機能があり、温度・時間の過不足も演算することができる。また、ホストコンピュータとの通信機能を使用し、計測したデータを転送すると、専用ソフトウエアを使い集積したデータを加工することが可能となる。

この小型温度測定記憶装置は、電子の作用が機械器具の機能の面で本質的な要素になっているため、本願指定商品のうち「電子応用機械器具及びその部品」に包含されるものと思料する。

商標権者は、昭和60年から現在まで、「キユーピーDATACOLLECTOR」の商標を使用して、小型温度測定記憶装置を販売している(乙第1号証及び乙第2号証)。

また、商標権者は下記に示すように、小型温度測定記憶装置本体及びその付属部品の販売・修理・メンテナンスなども行っている。商標権者が販売している製品であるが、温度計測器製造会社である通常使用権者に製造委託しているため、見積もりや修理は商標権者から通常使用権者に委託している。

(a)「キユーピー DATA COLLECTOR」を大塚製薬株式会社より受注し、製造会社である通常使用権者へ修理及び部品の交換を委託(平成14年3月22日)(乙3号証)。

(b)「キユーピー DATA COLLECTOR」を株式会社菜華より受注し、製造会社である通常使用権者へ修理及び部品の交換を委託(平成15年1月21日〜平成15年3月11日)(乙第4号証)

そうとすれば、商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の分野に属する商品について使用している。

(イ)温度計測器製造会社である通常使用権者とともに小型温度測定記憶装置を共同開発した経緯から、商標権者と通常使用権者は、平成14年9月2日付けで商標の使用許諾契約を締結している(乙第5号証)。

通常使用権者は、本件商標より、商標権者のハウスマークを除いた「データコレクタ」「DATACOLLECTOR」商標を用い、小型温度測定記憶装置を製造販売している(乙第6号証)。

なお、通常使用権者は商標権者が販売する小型温度測定記憶装置「キユーピー DATA COLLECTOR」の製造を請け負っている。

よって、商標権者と通常使用権者は、小型温度測定記憶装置について本件商標「キユーピーDATA COLLECTOR」を使用しているというべきものである。

そうとすると、商標権者と通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の分野に属する商品について使用している。

4.当審の判断

被請求人は、同人(商標権者)に係る「DATA」「COLLECTOR」の文字を上下に2段書きした表題の「温度測定記憶装置」に関する商品カタログ(乙第1号証)、「キューピー DATA COLLECTOR」が付された「温度測定記憶装置」とする写真3葉(乙第2号証)、平成14年9月2日付けの商標権者と通常使用権者との間における登録第1988075号商標及び本件商標に関する商標使用契約書(乙第5号証)及び通常使用権者に係る「温度計測器総合カタログ」との表題の商品カタログ(乙第6号証)他、「品名」の欄に「データコレクタ DVC−R100 No.63 修理」、「送付機材 1.データコレクタ(本体1機)」、「データコレクタ修理依頼書」、「品名」の欄に「DVC−C60−70 修理」、「修理・事故報告書 製品名 DVC−C60−70」、「製品名 DVC−C60−70」等の記載がされた見積書等の取引書類(乙第3号証、乙第4号証)を提出している。

そして、このカタログ(乙第1号証)を徴するに、表題の右にやや小さく「温度測定記憶装置」と表示されていて、商標権者に係る小型温度測定記憶装置の商品カタログと認められるところ、被請求人は「この小型温度測定記憶装置は、電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっているため、本件指定商品のうち『電子応用機械器具』に包含されるものである。」旨述べている。

しかし、提出された商品カタログ(乙第1号証、乙第6号証)の仕様及び使用説明等からするとその使用に係る商品は、「温度計測器」と認められるものであり、かつ、カタログ(乙第6号証)の114頁には、「熱電対式 温度計測器」と表示されており、種々ある温度計(抵抗式、熱電式、圧力式、放射式)の中の熱電温度計に属する商品であると認められるものである。

してみれば、上記の「小型温度測定記憶装置」及び「温度計測器」は、温度測定(計測)後にパソコンを用いてデータ処理を行なう機能があるとしても、被請求人が主張する「電子の作用が機械器具の機能面で本質的な要素となっているもの」とは認め難いものであり、むしろ、各種の計測・制御機器等が多く含まれる「測定機械器具」に属する商品とみるのが相当である。

そうすると、本件取消審判の取消請求に係る指定商品中には「測定機械器具」はなく、また、被請求人は、他に商標権者又は使用権者が本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していたことを立証する証拠を何ら提出していない。

加えて、乙第1号証のカタログは、発行年月日が印刷されていないものであり、かつ唯一、片仮名文字「キューピー」と欧文字「DATA COLLECTOR」の文字よりなる本件商標が使用されている乙第2号証の写真(3葉)は、撮影年月日が本件審判請求の登録日以降のものであるばかりか、その中央に貼付された写真にある機器はいかにも古く、そのプレート上の「DATE」(製造年月日)、「NO」(製造番号)の欄(箇所)には、何も印字がされておらず、この機器(上下の写真との関係も不明)が客観的に何時製造されたものかが不明である。そして、被請求人は、他に商標権者又は使用権者が本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していたことを立証する証拠を何ら提出していない。

したがって、被請求人の答弁及び乙号各証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標を本件取消請求に係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で使用していたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められないから、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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