結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2005−89015(T2005−89015/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4361684号商標(以下「本件商標」という。)は、「カラーバランス」及び「COLORBALANCE」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年4月21日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成12年2月10日に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第632121号商標(以下「引用商標」という。)は、「バランス」及び「BALANCE」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和37年7月28日に登録出願、第4類に属する商品を指定商品として昭和38年12月16日に設定登録、その後、昭和49年6月20日、同58年12月21日、平成6年5月30日及び同15年11月18日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録、さらに、同16年11月17日に指定商品並びに商品の区分を第3類「化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする書換登録がされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)請求人は、引用商標の商標権中「化粧品」についての専用使用権者であるから(甲第2号証の2)、本件審判請求をすることにつき利害関係を有する。
(2)化粧品は、使用の効果や方法、香りのいかんをセールスポイントとする商品といえるが、これらに劣らず、重要なセールスポイントをなすものとして、色彩があることは顕著な事実である。
しかして、化粧品中、とりわけ口紅、ほお紅、まゆ墨、アイシャドウ、ネイルエナメル、染毛剤等は、その色彩が重視されており、事実、これら化粧品においては、各種の色彩に関する商品が流通していることも顕著な事実である。
そうすると、化粧品との関係において、「色彩」を意味する英語及び外来語として日本語と同様に親しまれている「COLOR」又は「カラー」の語は、取引者、需要者に特段の特異性のあるものとは理解されず、たとえ、理解させることがあったとしても、それはせいぜい、当該化粧品が従来にはなかった色彩のものであること、又は同化粧品の色揃えが多様であることを誇示し、あるいは訴えているものと(すなわち、その商品のセールスポイントが色彩にあることを誇示し、訴えているものと)理解されるにとどまると見るのが相当である。
そこで、これを本件について見るに、本件商標は、「カラーバランス」及び「COLORBALANCE」の文字よりなるところ、このいずれにも全体として一連不可分にのみ把握すべき特段の事情は、存在しない。
してみると、かかる本件商標をその指定商品中の「化粧品」に使用した場合、その構成中の「カラー」及び「COLOR」の文字は、上記(ア)で述べたように、化粧品の色彩をセールスポイントとしていることを誇示し、訴えているものと理解され(すなわち、自他商品の識別力を有しないものと理解され)、「バランス」及び「BALANCE」の文字が自他商品の識別力を有すると把握される場合も、少なからずあるものというべきである。
しかして、本件商標中の「バランス」及び「BALANCE」の文字は、自他商品の識別標識たり得るものであるので、本件商標は、この部分に相応して、「バランス」の称呼及び「BALANCE」の観念を生ずるものといわざるを得ない。
一方、引用商標は、「バランス」及び「BALANCE」の文字よりなるから、「バランス」の称呼及び「BALANCE」の観念を生ずることは明らかである。
また、両商標の指定商品は、「化粧品」において同一である。
以上によると、本件商標は、他人の先願に係る引用商標と類似のものであって、引用商標の指定商品と同一の商品に使用するものである。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、その指定商品中「化粧品」についての登録は、同法第46条第1項の規定により、無効とされるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標とは、外観上類似しないことは明白であるので、観念ないし称呼上類似するか否かについて、以下、詳述する。
(ア)まず、本件商標と引用商標の観念を対比するに、本件商標は、一連のものとして、特定の意味合いを有しない造語であるところ、本件商標を構成する「カラー/COLOR」と「バランス/BALANCE」との文字の結びつきから、「色の均衡」程度の観念を生ずることがあり得るといえるのに対し、引用商標は、「つり合い、均衡、天秤」等といった観念を生ずるものである(乙第1号証)。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念上非類似の商標である。
(イ)次に、本件商標と引用商標の称呼を比較するに、本件商標からは、「カラーバランス」の称呼を生ずるのに対し、引用商標からは、「バランス」の称呼を生ずる。
請求人は、「化粧品との関係において『色彩』を意味する英語及び外来語として親しまれている『COLOR』又は『カラー』の語は、・・・化粧品の色彩をセールスポイントとしていることを誇示し、訴えているものと理解され・・・、本件商標からは、『バランス』の称呼及び『BALANCE』の観念を生ずる。」旨述べている。
確かに、化粧品の業界において、体を美化し、あるいは容貌を変えるために毛髪、顔、爪等に着色するものや、色彩を有する商品(例:メーキャップ化粧品、染毛剤)を表示する際に「カラーペンシル」「カラーリンス」「カラートリートメント」のごとく、「カラー」の文字を商品の普通名称に付して、普通に使用している事実はあるが、本件商標の場合、「カラー」及び「COLOR」の文字に続くのは、商品の普通名称を表す文字でない「バランス」及び「BALANCE」の文字であるから、それが商品の普通名称に付される場合と同様に、商品の品質、色彩等を表示する識別力の弱い語と見られるとは必ずしもいえないものである。
してみれば、本件商標は、「カラー」及び「COLOR」の語と、「バランス」及び「BALANCE」の語とを結合した一体不可分の商標であって、構成文字の全体をもって、「カラーバランス」(色の均衡)として把握し、認識されるものというべきであるから、該文字に相応して、「カラーバランス」の称呼のみを生ずるものである。
してみると、本件商標の称呼「カラーバランス」と引用商標の称呼「バランス」とは、語頭音「カラー」の有無、すなわち構成音数において相違しており、それぞれを一連に称呼しても、語感、印象が相違し、明らかに聴別し得るものである。
(ウ)商品の普通名称ではない一般的用語や造語等に「カラー」、「COLOR」を冠した場合、「カラー」、「COLOR」の部分が必ずしも商品の普通名称や品質、色彩等を表示するものとして認識されるとは限らないと判断された審決例(乙第2号証ないし乙第6号証)も、存在しており、被請求人の主張は、それによっても裏付けられる。
(エ)さらに、被請求人は、本件商標と引用商標の双方の指定商品中の「化粧品」を指定商品中に含み、「カラー+○○」からなる結合商標が「○○」商標と非類似の商標として併存登録されている登録例(乙第7号証)を提示する。
(2)以上述べたように、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼上のいずれについても、互いに区別し得る非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当せず、その指定商品中の「化粧品」についての登録を無効とすべきでない。
(1)請求人適格について
請求人が本件審判請求をする法律上の利害関係を有することについては、当事者間に争いがない。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり、片仮名文字及び欧文字を同書、同大、等間隔に一連一体に横書きしてなるものであり、視覚上も、まとまりよく、一体的に表されているものであって、これより生ずると認められる「カラーバランス」の称呼も格別冗長という程のものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、「カラー」(COLOR)及び「バランス」(BALANCE)の語は、いずれも親しまれた語であって、双方を結合した本件商標からは、「色のバランス(均衡)」という程の意味合いが認識される場合のあることも否定し難いところである。
そうすると、本件商標中の「カラー」及び「COLOR」の文字が商品の色彩表示として使用され得る場合があるとしても、かかる構成にあっては、商品の品質、色彩等を具体的に表示するものとして、直ちに認識し、理解されるものというべきではなく、本件商標は、その構成文字の全体に相応して、「カラーバランス」の称呼のみを生じ、「色のバランス(均衡)」という程の観念が想起されるものと見るのが相当である。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「バランス」の称呼及び「つり合い、均衡」といった観念を生ずるものである。
そこで、両商標を比較するに、本件商標から生ずる称呼「カラーバランス」と、引用商標から生ずる称呼「バランス」とは、構成音数の相違、すなわち「カラー」の音の有無において、明らかに相違しており、明瞭に区別し得るものである。また、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得るものであり、さらに、観念上も、上記のとおり、明確に区別することができるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、その指定商品中「化粧品」についての登録は、これを無効とすることができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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