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第4条第1項第10号・第4条第1項第19号・第4条第1項第15号・第4条第1項第7号「著名商標の混同と著作権」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2004−90606(T2004−90606/J7)|登録維持)

審判番号
異議2004−90606(T2004−90606/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
著名商標の混同と著作権
適用条文
第4条第1項第10号・第4条第1項第19号・第4条第1項第15号・第4条第1項第7号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2004−90606(T2004−90606/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号・第4条第1項第19号・第4条第1項第15号・第4条第1項第7号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標の混同と著作権」です。特許庁は「登録第4783947号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4783947号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4783947号商標は、平成11年11月30日に登録出願、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第28類「遊技用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」を指定商品として、同16年7月2日に設定登録、その後、指定商品中の「遊技用器具,ビリヤード用具」については、同17年5月18日付けで,登録第4783947号の2商標(以下、これらを一括して「本件商標」という。)として分割移転登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(6)である。

(1)登録第4798390号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年12月28日に登録出願、第6類、第9類、第11類、第14類、第15類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年8月27日に設定登録されたものである。

(2)登録第4759722号は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、商標1997年12月24日グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成10年6月23日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年3月26日に設定登録されたものである。

(3)登録第4753491号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、1997年12月24日グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成10年6月23日に登録出願、第6類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年3月5日に設定登録されたものである。

(4)登録第4687432号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成14年4月22日に登録出願、第4類、第10類、第12類、第14類、第27類、第34類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年6月27日に設定登録されたものである。

(5)登録第4672770号商標は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成13年12月28日に登録出願、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年5月16日に設定登録されたものである。

(6)登録第2136229号商標は、「Yellow Submarine」の欧文字を横書きしてなり、昭和57年8月11日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録されたものである(以下、これらを一括していうときは「引用商標」という。)。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第7号について

申立人は、「Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)」の楽曲、映画及び映画にかかるイラストについて著作権を有している。

また、我が国は、ベルヌ条約に基づいて、著作権を保護する義務を負っている。

そうとすれば、本件商標は、「他の法律によって、その使用が禁止されている商標」である。

また、本件商標の商標権者は「ビートルズ」と何ら関係のない一私人であるから、本件商標は、「国際信義に反する商標」である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、単に商標法第4条第1項第10号に該当するとのみ主張している。

(3)商標法第4条第1項第15号について。

「Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)」の名称は、著名ロックグループ「The Beatles」の楽曲の題名、アルバムの題名及びアニメーション映画の題名として、本件商標の登録出願日(1999年11月30日)及び設定登録日(2004年7月2日)において、世界的に広く知られていた。

ゆえに、本件商標をその指定商品に使用する場合には、当該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第19号について

本件商標と引用各商標の「Yellow Submarine」の文字は、デザインが似ている。また、商標権者は、その経営する会社のホームページにおいて、本件商標を潜水艦のイラストと一緒に使用している。

そうとすれば、商標権者に「不正の目的」があったことは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第7号について

本件商標の使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、商標法第4条第1項第7号に規定する商標に当たらないものと解するのが相当であり、同号に関する審査基準にいう「他の法律によって、その使用が禁止されている商標」には該当しないものというべきである(平成12年(行ケ)第386号判決 東京高等裁判所 平成13年5月30日判決言渡)。

また、申立人が他国において商標権を取得していることのみをもって、本件商標は、「国際信義に反する商標」であるということもできない。

さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

「Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)」の語が、ロックグループ「The Beatles」の楽曲名、アルバムの題名及びアニメーション映画の題名として、商品「レコード」「録音済みビデオデスク,ビデオテープ,その他の録音済みの記録媒体」「録画済みビデオデスク,ビデオテープ,その他の録音済みの記録媒体」について、ある程度知られていることは、甲各号証によって認め得るところである。

しかしながら、上記商品と本件商標の指定商品「遊技用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」とは、その生産部門、販売部門、品質及び用途などを明確に異にする別異の商品である。

また、「Yellow (イエロー)」及び「Submarine(サブマリン)」の語は、それぞれ、一般的で、平易な英語であって、「Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)」の語も「黄色い潜水艦」を意味を容易に認識させるものであるから、「Yellow Submarine(イエロー・サブマリン)」が造語商標であるとは、いい難いものである。

そうとすれば、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、類似しないものであり、また、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起し、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標と引用商標の「Yellow Submarine」の文字のデザインが仮に似ており、また、本件商標の商標権者が、その経営する会社のホームページにおいて、本件商標を潜水艦のイラストと一緒に使用していたとしても、そのことのみによっては、不正の目的をもって本件商標を出願し登録を受けたものであるとはいい難いものである。

(4)むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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