Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90752(T2004−90752/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4804080号商標(以下「本件商標」という。)は、「LEONARD KAMHOUT」の文字を標準文字で書してなり、平成14年1月31日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年9月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「LEONARD」と「KAMHOUT」が熟語である等、一連不可分に認識しなければならない特段の理由を有しないので、簡易迅速を尊ぶ取引界の実情に照らし、商標の要部として看者に重要な印象を与えるのは語頭部分の「LEONARD」である。
したがって、本件商標は、「LEONARD」の文字より「レオナード」の英語風、あるいは「レオナール」のフランス語風の称呼が生ずるから、以下に示す登録第2193943号商標及び登録第2720876号商標と「レオナード」又は「レオナール」の称呼において類似する商標である。また、両商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。
(ア)登録第2193943号商標は、「Leonard」(「e」にはアクサンテギューが付されている。以下同じ。)の文字を筆記体で横書きしてなり、昭和58年1月19日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年12月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第2720876号商標は、「LEONARD」(「E」にはアクサンテギューが付されている。以下同じ。)の文字をローマン体風に横書きしてなり、平成1年5月25日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年4月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(上記引用登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
(2)商標法第4条第1項第15号について
「LEONARD」の文字よりなる商標(以下「引用標章」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の取扱いに係る花柄プリント地を用いた被服等ファッション関連商品に使用され、本件商標の登録出願前より、世界的に周知、著名となっており、わが国の被服等ファッション関連の商品分野においても有名となっていた。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「LEONARD KAMHOUT」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上まとまりよく書されているものである。また、本件商標は、その構成中の「LEONARD」の文字部分が英米国において、「レナード」と読まれる男の名前として比較的ありふれたものとして、わが国においても知られているものといえるから、構成全体をもって氏名を表したと理解されるばかりでなく、本件商標の指定商品であるファッション関連の商品分野においては、米国の銀製アクセサリーのデザイナーである「Leonard Kamhout(レナード・カムホート)」を表すものとして理解される場合も決して少ないとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「レナードカムホート」の一連の称呼のみを生ずるものであって、米国の銀製アクセサリーのデザイナー名を理解させるものといわなければならない。
他方、引用商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるところ、それぞれの綴り文字の「e」、「E」には、英語の綴りにないアクサンテギューが付されているところから、引用商標に接する需要者は、ファッション関連の商品分野で比較的多く使用される仏語を表したと理解し、これを仏語読みにした「レオナール」の称呼、又はローマ字風読みの「レオナルド」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「レオナール」の称呼又は「レオナルド」の称呼を生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標より生ずる「レナードカムホート」の称呼と引用商標より生ずる「レオナール」又は「レオナルド」の称呼は、構成音数の差等により、それぞれを一連に称呼した場合においても明瞭に聴別し得るものである。また、本件商標は、前記のとおり、構成全体をもって、米国の銀製アクセサリーのデザイナー名を理解させるものであるから、「Leonard」又は「LEONARD」の文字よりなる引用商標とは、観念上類似するということはできない。さらに、本件商標と引用商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上明らかに区別し得るものである。
したがって、本件商標は、引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用標章はその業務に係る商品「被服」等に使用され、本件商標の登録出願前より、わが国のファッション関連の商品分野において著名となっていた旨主張し、甲第4号証(「英和商品名辞典」1990年発行)及び甲第5号証(申立人のホームページ)を提出するが、これらの証拠のみをもってしては、引用標章が申立人の業務に係る商品「被服」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前よりわが国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。仮に引用標章が申立人の業務に係る商品「被服」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前よりわが国の需要者の間で広く認識されていたものであるとしても、本件商標は、前記認定のとおり、その構成中の「LEONARD」の文字部分が独立して把握、認識されるものではないから、引用標章とは、商標自体相違するものであって、本件商標に接する需要者が申立人の「LEONARD」商標を想起又は連想するものとみることはできない。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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