Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−5718(T2003−5718/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成14年6月18日に登録出願され、その後、指定商品については、同14年10月7日及び同15年2月26日付け手続補正書により、第16類「雑誌,新聞」と補正されたものである。
2 引用商標
本願の拒絶の理由に引用した登録第4259573号商標(以下「引用商標」という。)は、「SCOOTER」の欧文字を横書きしてなり、平成9年1月16日登録出願、第16類「紙類,紙製包装容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,雑誌,新聞,書画,写真,写真立て,かるた,歌がるた,トランプ,花札,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤,観賞魚用水槽及びその付属品」を指定商品として、同11年4月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、構成文字中の語頭の「S」の欧文字を大きく表してなる「SCOOTER」の欧文字と該「S」の文字の上部に重なるように小さく「TRAN」の欧文字を配した構成よりなるところ、該「TRAN」の欧文字と「SCOOTER」の欧文字とは、顕著に異なる大きさで表されているものであるから、「TRAN」及び「SCOOTER」の2語からなると認識、理解されるものであり、また、その構成中の「TRAN」の欧文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるのに対して、「SCOOTER」の欧文字は、「足をそろえて腰掛ける形で乗る、小型のオートバイ。」を意味する英単語として広く一般に知られているものである。
そして、本願商標は、これが構成全体をもって特定の事物、事象を表すというような格別の事情を見いだし得ないものであり、かつ、その構成中の「TRAN」の欧文字が「S」の欧文字の一部と重なっているとしても、「TRAN」の欧文字と「SCOOTER」の欧文字とは、前記したように顕著に異なる大きさで表されていることから、視覚上自ずと分離して看取されるものであり、大きく表された該「SCOOTER」の欧文字が、「足をそろえて腰掛ける形で乗る、小型のオートバイ。」を意味する英単語として広く一般に知られていることも相まって、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「SCOOTER」の欧文字部分をとらえて、取引に当たる場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中の「SCOOTER」の文字部分が、独立して自他商品の出所識別標識としての機能を果たすとみるのが相当であるから、結局、本願商標は、その構成文字に相応して「トランスクーター」の一連の称呼を生ずるほかに、該「SCOOTER」の欧文字に相応して、単に「スクーター」の称呼、観念を生ずるものである。
これに対して請求人は、商品「雑誌,新聞」において、そのタイトルが注目を浴びるようにデザイン化するのが通例であり、字数が多い商標は、コンパクトに折りたたむようにデザインするのが取引の実情であるから、本願商標の「TRAN」の欧文字と「SCOOTER」の欧文字とは、一体のものとして看取されるものであり、かつ、本願商標は、請求人が発行する雑誌に使用されており、「SCOOTER」の文字は、その内容を暗示するにすぎないから、「トランスクーター」の一連の称呼、観念のみを生ずる旨主張し、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
しかしながら、補正後の指定商品「雑誌,新聞」を取り扱う業界において、需要者の注意を惹くために、その題号をデザイン化する場合があることを否定するものではないが、とりわけ、商品「雑誌」については、2語以上の語句からなる商標をデザイン化した場合は、該デザイン化された文字全体から生ずる読みを片仮名文字で併記するのが通例であり、このことは、請求人の提出した証拠の一つである雑誌の表紙にも本願商標のほかに「トランスクーター」の片仮名文字が表示されていることからも是認できるものである。
しかして、本願商標は、デザイン化された欧文字のみからなるものであって、デザイン化された欧文字を用いた題号に通常併記されている片仮名文字がないものであるから、本願商標の認定判断においては、雑誌におけるかかる取引の実情と同列に論ずることは適切ではない。
また、「雑誌」とは、「雑多なことを記載した書物。号を追って定期的に刊行する出版物。」(広辞苑第五版)を意味し、「新聞」とは、「社会の出来事の報道・解説・論評を、すばやく、かつ広く伝えるための定期刊行物。」(前出 広辞苑第五版)を意味するところ、たとえ、請求人の発行する雑誌が、「スクーター」のみを記事内容とするものであるとしても、本願の補正後の指定商品には、「雑誌」のほかに「新聞」をも含むものであるばかりか、該「雑誌,新聞」においては、毎号その記事内容が異なるのが通例であり、雑誌又は新聞の題号若しくはその一部の文字が、直ちにその記事内容を特定し、表示するものということはできず、本願商標については前記認定のとおりであるから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
他方、引用商標は、前記したとおり、「SCOOTER」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これよりは、「スクーター」の称呼、観念を生ずること明らかである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違することを考慮しても、「スクーター」の称呼及び観念を同じくする場合のある類似の商標といわなければならない。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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