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Trademark Appeal Case

色名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−3117(T2004−3117/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「やまぶき」の文字を標準文字で表してなり、第16類「紙類,洋紙,印刷用紙」を指定商品として、平成15年6月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『やまぶき』と普通に用いられる方法で書してなるところ、これよりは、『黄色、こがね色』の意味を容易に認識できるから、本願の指定商品に使用したときは、取引者、需要者は『こがね色の紙』と認識するに止まり、単に商品の品質、色彩を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、「やまぶき」の文字は、例えば、「広辞苑第5版」(岩波書店発行)によれば、「山吹色の略」と記載されているものである。

そして、「やまぶき色(山吹色)」は、「色名事典」(日本色研事業株式会社発行)において、「*

山吹色(やまぶきいろ)

・・

山吹色は古くからある色名

で山吹の花のような色をいう。」と記載されており、一般に古くから知られている色である。

さらに、色名の由来についてみると、例えば、「藤色」は、「藤の花のような青紫系の薄い浅い調子の色」、「桃色」は、「桃の花の色に似た淡い紅花染の色」にちなんでいることは、上記事典等から植物に由来するものが多いものであることが認められる。

そして、一般的に、色名を、例えば、「橙色」を「橙」、「茶色」を「茶」のようにしばしば「色」の部分を省略して使用されていることよりすれば、「やまぶき」の文字は、容易に「やまぶき色」を理解させると見るのが相当である。

また、製紙業界においては、「大王製紙株式会社」のホームページ(http://www.daio-paper.co.jp/newsrelease/archieve/n150623.html)によれば、「大王製紙の『再生色上質』増色・増規格について・・・この『再生色上質』について、さらにユーザーの皆様のご要望にお応えするべく、当社営業員が印刷会社や流通の皆様を訪問してマーケット調査を行なった結果、(1) 色数の増色 (2)A判横目の全色品揃え (3) カット判(色PPC)の増色、これらの要望が多いことが判明しました。・・1.増色・増規格の内容・・3.再生色上質カット判(コピー&軽オフセット用カラーペーパー)の新ブランドとし「ダイオーマルチカラーペーパー」FSC森林認証紙(16色)を上市する。背景:文具通販の普及により、一般企業でも再生色上質カット判(色PPC)を使う頻度が増えており、色のバリエーションが要望されている。」との記載があり、ユーザーの要望に応えるべく、製紙各社は増色等の製品開発を行っている実情がある。

「やまぶき(色)」が、日本の伝統色として一般に使用され、また、紙類を取り扱う業界においても、色名の一種を表示するものとして使用されていることは、例えば、新聞記事情報、インターネットのホームページにおいて、以下の記事があることからも十分に裏付けられるところである。

(1)2005.1.13 「朝日新聞」東京地方版/埼玉 35頁

「新市『区の色』、4案人気投票・・・岩槻区(現岩槻市)は市の花から

やまぶき色

、盆栽の街として知られる北区は深緑色、中央区は与野公園のバラから、バラ色に決まった。」

(2)「紙の温度 新入荷商品情報 / ギャラリーのご案内・・★お客様からのお問い合わせが多かった里紙が入荷しました。

やまぶき

・わさび・・の7種類です。」

(http://www.kaminoondo.co.jp/papiest/papies_base.html)

(3)「野田印刷有限会社・・・ ■色上質紙 表紙やなか扉に使用する無地で色の付いた上質紙です。豊富な色数と自然な色で綺麗な仕上がりになります。下記にある33色の中からお選びください。・・・

やまぶき

・・」

(http://www16.ocn.ne.jp/~noda-prt/)

(4)「Washi 和紙シリーズ・・・セット内容:本状・返信はがき・封筒・シール(印刷込み)越前もみ紙は「

やまぶき

・くさ・紺・朱」の4色の中から、お好きな2色をお選びください。」

(http://www16.plala.or.jp/kaminoki/sub(1).html)

(5)「特殊紙価格表(イルミカラー〜岩はだ) 表中、キロ数と色名が両方とも太字の紙は、部数に関係なく700部以上の単価で買えます 元の紙見本帳画像は(株)立川紙業様webページ内に有ります。紙名 色ケント 用紙の色名・・(イ):れもん、

やまぶき

、かき、みかん・・」

(http://www.bros-comic.co.jp/price/paper/paper-I.htm)

これらによれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者をして、「やまぶき色の紙」であるものと理解させるに止まり、単に商品の品質、色彩を表示したもの認識させるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取消すことはできない。

なお、請求人は、紙類、洋紙、印刷用紙が広く普及している現状において、いまだ「やまぶき」なる表示が一般的に使用されていない旨主張するが、紙類を取り扱う業界において、用紙の色名として普通に使用されていること及び「やまぶき色」が日本の伝統色であり、一般需要者間においても馴染みの色であることは、前記認定のとおりである。さらに、過去の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきであるとも主張するが、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成が相違し、事案を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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