結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30758号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2696032号商標(以下「本件商標」という。)は、「LITTLEMERMAID」文字と「リトルマーメイド」の文字とを二段に併記きしてなり、昭和62年9月28日に登録出願、第19類「日用品、台所用品」を指定商品として、平成6年9月30日に設定の登録がなされたものである。
(1)請求の趣旨
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
(2)請求の理由
被請求人は、本件商標を、そのいずれの指定商品についても継続して3年以上日本国内において使用をしていない。
また、本件商標について専用使用権者は存在せず(甲第1号証)また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用綿者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品つき使用されていないものである。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件審判につき請求の趣旨通りの審決を求める次第である。
(3)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人提出の乙第2号証に筆記体で書かれた「LittleMermaid」の文字が、被請求人のいう「セルフトレイ」の中央に大きく表示され、また一方の端に「リトルマーメイド」の文字を表示したシールが貼られている。また、同第3号証によれば、「リトルマーメイド」の文字を表示したシールが被請求人のいう「陳列トレイ」の一方の端に貼られている。
しかして、上記「セルフトレイ」は、被請求人のフランチャイジーであるパン小売店舗の店内において顧客が商品である「パン」等を載せてレジまで運ぶのに使用されるものであり、上記「陳列トレイ」は、商品である「パン」等を同店内に陳列するために使用されているものである。
このことは、答弁書第2頁7〜9行において「顧客はこのセルフトレイにパン、ペストリー、サンドイッチ、総菜等を載せてレジまで行き、そのレジでパン、ペストリー等商品を購入するわけです。」また、同答弁書第2頁10〜1211において「また、乙第3号証の写真に示すように店舗内で商品たるパンあるいはペストリーを陳列する陳列トレイ(お盆)を用意し、各店舗内の陳列ケースにパンやペストリーを載せた陳列トレイを陳列して販売するのです。」と述べられていることからも明らかである。
上記の通り、被請求人の主張に係る「セルフトレイ」及び「陳列トレイ」は、店舗内の備品であり、そこに表示された「LittleMermaid」の文字が商品としての「盆」の商標でないことは明白である。
この法理は、すでに古典的な判例である巨峰事件(福岡地裁飯塚支部昭和46年9月17日判決、無体集3巻2号317頁、甲第2号証)において明らかにされているとおりである。
すなわち、同判決は「巨峰」種の葡萄の入った段ボール箱に大きく表示された「巨峰」の標章は、その客観的機能からみても、製造者の主観的意図からみても、内容物たる巨峰ぶどうの表示であり、包装用容器たる段ボール箱についての使用ではない旨判示された。
本件の場合もこれと実質的に同一であり、本件「セルフトレイ及び「陳列トレイ」に表示された「LittleMermaid」 「リトルマーメイド」の標章は、その客観的機能からみても、使用者の主観的意図からみても、パン小売店の店名表示であり、台所用品たる「盆」についての使用ではないことが明らかである。
さらに、被請求人は、各リトルマーメイド店あるいは取引のあるパン小売り販売店で顧客の要望によりセルフトレイあるいは陳列トレイを販売していると述べている。
たしかに、たまたまパン小売店内の備品を客が譲ってくれと頼むということはあるかも知れないが、しかし、それ故にその店舗備品が商標法上の「商品」になるわけではない。
なお、被請求人は、そのような顧客への販売については、何ら立証していない。
以上のとおり、本件商標は、本件指定商品中の商品たる「盆」に使用されているものではなく、また、他に本件商標がその指定商品に使用されたことを立証する証拠も何ら提出されていない。
つまり、被請求人は、本件商標がその指定商品に使用されたとの事実を証明していない。
(1)被請求人の答弁の趣旨
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない」旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第9号証を提出している。
(2)答弁の理由
被請求人たる商標権者(株式会社タカギベーカリー)は、「リトルマーメイド」と称呼されているフランチャイズペイストリーチェーン店等を全国的に展開し、現在(平成10年9月30日)725店舗となっている(乙第1号証)。
そして、これらの店舗は、被請求人あるいは子会社株式会社アンデルセンからパン、ペストリー製品の原材料等を継続的に購入していると共に、店舗を運営するに際し使用する各種の物品を継続的に購入している。
そして、これらの店舗のオーナーは、被請求人或いは株式会社アンデルセンとは全く異なっており、別人のパン小売店舗として位置づけられる。
ここで、各「リトルマーメイド」店等の店舗においては、パン、ペストリー等の購入すべき顧客が好きなパン、ペストリー、サンドイッチ、総菜等を自ら選んで購入できるように、あらかじめ多数のセルフトレイ(お盆)を店内に用意しています。このセルフトレイを写した写真を乙第2号証に示す。そしてこのセルフトレイの端部には「リトルマーメイド」との登録商標が記載されている。顧客はこのセルフトレイにパン、ペストリー、サンドイッチ、総菜等を載せてレジまで行き、そのレジでパン、ペストリー等商品を購入するわけである。
また、乙第3号号証に示すような店舗内で商品たるパンあるいはペストリーを陳列する陳列トレイ(お盆)を用意し、各店舗内の陳列ケースにパンやペストリーを載せた陳列トレイを陳列して販売する。この陳列トレイの端部にも「リトルマーメイド」との登録商標が記載されている。
尚、各リトルマーメイド店あるいは取引のあるパン小売り販売店では、さらに顧客の要望によりこのセルフトレイあるいは陳列トレイを販売している。顧客が自宅でこれらのトレイをお盆として使用したいとする要望に対応するためである。
しかして、被請求人あるいは本件商標に関する通常使用権を許諾された株式会社アンデルセンは、このセルフトレイ及び陳列トレイを一括して各リトルマーメイド店あるいは取引のあるパン小売り販売店へ販売している。その取引書類を乙第4号証及び第5号証に示す。
乙第4号証は、被請求人株式会社タカキベーカリーの売上伝票であり、平成10年5月17日にセルフトレイを70枚93800円で、陳列トレイを30枚52,200円でLMヒカリマチ店へ販売していることがわかる。
尚、「LM」はリトルマーメイドのことを意味する。LMヒカリマチ店は乙第1号証のN0.176に記載されている「LM光町店」のことで広島県に存する店舗で1983年9月13日に開店した店舗である。
また、乙第5号証は、株式会社アンデルセンが「LM学園店」に陳列トレイ及びセルフトレイを送付した送り状、受領書であり、1997年12月1日に陳列トレイ60枚、セルフトレイを120枚販売している。
ここで、「LM学園店」とは乙第1号証のN0.419に記載されている1「LM学園店」(茨城県内の店舗)のことで1997年12月4日に開店した店舗である。1997年12月4日の開店に備え、各種の物品が必要であるため、1997年12月1日に各種の物品を納入したもので、その中に陳列トレイを60枚、セルフトレイを120枚注文した記載がある。
乙第8号証は、LM学園店(リトルマーメイド学園店株式会社カスミ)の店長である長谷部敏夫氏が平成9年12月セルフトレイ120枚を株式会社アンデルセンから160,800円で購入したことを証明する証明書であり、乙第9号証は、乙第8号証の控えとして示された受領書に箱違ないことを示す証明書である。
次に、乙第6号証及び同第7号証は、株式会社タカキベーカリーあるいは株式会社アンデルセンが販売する品目一覧表の一部であり、乙第6号証に示すようにLMセルフトレイは1枚1,200円で仕入れ、LM(リトルマーメイド)各店 には1枚1,340円で販売する状況が記載されている。従って、乙第4号証に記載されているように、70枚購入すると、1,340円×70枚で93,800円となる。
また、乙第7号証に示すように、陳列トレイは、1枚1,560円で仕入れ、LM(リトルマーメイド)各店には1枚1,740円で販売している。よって、これも乙第4号証に記載され ているように、陳列トレイ30枚を購入すると1,740円×30枚で52,200円となる。
以上説明したように、被請求人たる商標権者は、当該登録商標「LITTLEMERMAID/リトルマーメイド」を指定商品「トレイ(お盆)」に現在使用中である。
よって、被請求人の有する登録商標「LITTLEMERMAID/リトルマーメイド」 (商標登録第2696032 号)につき平成10年7月24日になされた「商標登録第2696032号の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」との取消審判は、理由がないとの棄却審決を求める。
被請求人及び本件商標の通常使用権者は、本件商標をその指定商品中の「セルフトレイ、陳列トレイ」について使用しているとして提出した証拠を徴するに、乙第2号証によるとセルフトレイ及び陳列トレイとして用いられる盆の中央部に「LM」の文字を大きく表し、[LjttleMermajd」の文字を重ねて表示し、その左右に帯状幾何図形を配した盆の枠隅部に「リトルマーメイド」の文字を表示した貼紙が付されているのが認められ、また、乙第3号証によると、乙第2号証に係る「盆」の裏側隅部に「リトルマーメイド」の文字を表示した貼紙が付されているのが認められる。
しかして、当該セルフトレイ及び陳列トレイとして使用される盆は、被請求人及び通常使用権者に係る「リトルマーメイド」のフランチャイジーがその店内において、商品の陳列及び顧客が商品を載せるために使用されるためのもので、フランチャイジーであることを表示するために使用される備品と1しての盆に付された「LittleMermaid」の文字及び「リトルマーメイド」の貼紙は、商品「盆」についての自他商品の識別標識として機能を果たす商標としての使用とは認められないものというべきである。
そして、その他の証拠は、上記の「盆」についてのフランチャイジー「LM光町店」への「LMチンレツトレイ」「LMセルフトレイ」についての被請求人に係る平成10年5月17日の売上伝票、「LM学園店」への「LM陳列トレー」「LMセルフトレー」についての通常使用権者株式会社アンデルセンつくばセンターに係る97年12月1日の送り状(受領書)、「LMセルフトレー」 「LMチンレツトレーYD−1−V」についての被請求人又は通常使用権者に係る1998年8月2日付け品目一覧表、フランチャイジーリトルマーメイド学園店株式会社カスミが前記「LMセルフトレー」についての平成9年12月に購入及び受領したことの証明書で あって、本件商標がその指定商品中の「盆」について自他商品の識別標識としての機能を果たす商標として使用されていたものであることを立証するものとは認められない。
その他、本件商標をその指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことについて何ら立証するところがない。
してみれば、被請求人及び通常使用権者は、本件商標を取消請求に係る指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していなかったものであり、又、使用していないことについての正当な理由もないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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