sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消審判の証拠不備

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31409(T2004−31409/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2280349号商標の指定商品中「第7類 家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,これらに類似する商品」、「第9類 電池,電気磁気測定器,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,これらに類似する商品」及び「第11類 家庭用電熱用品類,これらに類似する商品」についての登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2280349号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NALDEC」と「ナルデック」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和62年10月7日に登録出願、第11類「電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、平成13年10月10日に、第7類「交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,起動器,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電極,抵抗線,磁心」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」に書換登録がなされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「第7類 家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,これらに類似する商品」、「第9類 電池,電気磁気測定器,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,これらに類似する商品」及び「第11類 家庭用電熱用品類,これらに類似する商品」について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件の被請求人は、広島県広島市南区比治山本町16番35号ナルデック株式会社であり、答弁書記載の被請求人は、神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号ビステオン・ジャパン株式会社であり、答弁書記載の被請求人は本件の被請求人に該当しない。

なお、乙第4号証は、答弁書記載の被請求人が提出した表示変更登録申請書にすぎず、答弁書記載の被請求人が本件商標の商標権者であることは真偽不明である。

したがって、答弁書は、商標法第50条に規定された被請求人の証明に該当しない。

(2)乙第5号証は、「(株)壮快薬品」の「株式会社マキノサービス」への販売を示すものであり、答弁書記載の被請求人を示す表示はなく、答弁書記載の被請求人の主張は認められない。

(3)したがって、被請求人は、乙第7号証ないし乙第13号証により、商品「ウォールポート」に本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」が付されていること主張しているが、本件商標の使用は立証されていない。

(4)また、被請求人は、商品(ワイヤレス・モジュラージャック)は通信機器であると主張する。しかしながら、商品(ワイヤレス・モジュラージャック)は、電力線コンセントに差し込まれるものであり、「配線用又は制御用の機械器具(類似群コード「11A01」)」に相当し、本件に係る指定商品には含まれない。

(5)なお、乙第7号証ないし乙第13号証は、以下のように、商標権者又は使用権者の本件商標の使用を証明するものでもない。

まず、乙第7号証は、1997年(平成9年)4月のものであり、本件審判の請求の登録前3年以内の使用を証明するものではない。

乙第8号証は、日付がなく、本件審判の請求の登録前3年以内の使用を証明するものではない。

乙第9号証は、日付がなく、また、作成者が不明であり、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

乙第10号証は、表紙と次頁との関係が不明であり、表紙は、1999年(平成11年)年7月7日のものであり、次頁には、発売元「(株)アスキーイーシー」の記事があるが、本件商標に関する権者ではなく、乙第10号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

乙第11号証は、表紙と次頁との関係が不明であり、表紙は、1998年(平成10年)5月28日の雑誌の表紙であり、次頁は、1998年(平成10年)5月14日の新聞の記事である。いずれにしても、乙第11号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

乙第12号証は、1998年(平成10年)8月1日の雑誌の記事であり、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

乙第13号証は、本件審判の請求の登録後の2004年(平成16年)12月8日に印刷されたものであるが、公開の有無、時期などは不明であり、さらに、記載された「有限会社ICA」は本件商標に関する権者ではなく、また、乙第13号証は「ウォールポート」の「販売終了」を示すものである。いずれにしても、乙第13号証は、本件審判の請求登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

(6)乙第6号証により、被請求人は、答弁書記載の被請求人が「株式会社デオデオ本店デジタル館」に商品を納品していると主張する。

しかしながら、乙第6号証は、「納品」ではなく、「備考1」に記載されているように、「終息商品」の、製品不良による「返品」を示すものである。

したがって、乙第6号証は、商品の販売がすでに終息済であることを立証するにすぎない。

また、乙第6号証を作成した会社名あるいは受入先の会社名は不明であり、答弁書記載の被請求人を示す表示はない。すなわち、乙第6号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではない。

(7)したがって、被請求人は、乙第7号証ないし乙第13号証により、商品(ワイヤレス・モジュラージャック)に「Naldec」が付されていることを主張しているが、本件商標の使用は立証されていない。

なお、乙第7号証ないし乙第13号証は、商品(ワイヤレス・モジュラージャック)が本件の指定商品には含まれず、また、商標権者又は使用権者の本件商標の使用を証明するものでもない。

(8)被請求人は、乙各号証によって、本件商標は商標権者によって請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具」について、本件審判の請求前3年以内に使用されていることが証明したものであると主張する。

しかしながら、上述したように、乙各号証はいずれも、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者又は使用権者の使用を証明するものではなく、商標法第50条に規定された被請求人の証明に該当しない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁の理由を要旨次のよう述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。

(1)被請求人は、本件商標の商標権者である(乙第1号証及び乙第4号証)。

(2)本件商標は、以下に述べるとおり、商標権者である被請求人によって本件審判の請求前3年以内に請求にかかる指定商品に包含されている「電気通信機械器具」に使用しているものである。

(3)被請求人は、2003年8月6日付けの「得意先別商品別集計表」(乙第5号証)から明らかなように、商品名「ウォールポートセット」を株式会社マキノサービスに販売している。

商品名「ウォールポートセット」は、商品カタログ2(乙第8号証)から明らかなように、ワイヤレス・モジュラージャック「ウォールポート」の本体を含むセットである。

商品「ウォールポート」には、乙第7号証ないし乙第13号証から明らかなように、本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」が付されている。

また、この商品(ワイヤレス・モジュラージャック)は、乙第7号証ないし乙第13号証から明らかなように、電力線搬送技術を使った通信機器であり、「電気通信機械器具」に相当する。

(4)被請求人は、2002年4月3日付けの「戻入商品管理票」(乙第6号証)から明らかなように、商品型番「ウォールポート」を株式会社デオデオ本店デジタル館に納品している。この商品型番の後に記されている「WP2」は社内開発コードであり、「(セット)」は、商品カタログ2(乙第8号証)から明らかなように、ワイヤレス・モジュラージャック「ウォールポート」の本体を含むセットを意味している。

商品「ウォールポート」には、乙第7号証ないし乙第13号証から明らかなように、本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」が付されている。

またこの商品(ワイヤレス・モジュラージャック)は、乙第7号証ないし同第13号証から明らかなように、電力線搬送技術を使った通信機器であり、「電気通信機械器具」に相当する。

(5)上述した各乙号証によって明らかなとおり、本件商標は、商標権者によって請求にかかる指定商品中の「電気通信機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていることが証明されているものである。

(6)したがって、本件商標は、乙第5号証ないし乙第13号証においても立証されているとおり、本件商標が請求に係る指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していることが明らかであり、商標法第50条の規定により取り消すことのできないものである。

第4 当審の判断

1 被請求人について

本件に係る答弁書の被請求人欄に記載された者は、「神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号 ビステオン・ジャパン株式会社」である。そして、商標登録原簿によれば、本件商標の設定登録時の商標権者は、「広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社」であったが、平成12年10月17日に同人から「広島県安芸郡府中町新地3番1号 ナルデック株式会社」へ商標権の移転登録がされたものである。そして、前記原簿と乙第4号証とによれば、前記ナルデック株式会社がその名称をビステオン・ジャパン株式会社に変更し、住所を神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号に変更したことが認められる。

してみれば、答弁書の被請求人欄に記載された者は、本件商標権者・被請求人であり、この点に関する請求人の主張は、採用できない。

2 乙第5号証ないし乙第13号証について

(1)乙第5号証は、2003年8月6日付の「得意先別商品別集計表 自2003年7月1日 至2003年7月31日」であるところ、その商品名欄には「ウォールポートセット」の記載がある。そして、販売先を「(株)壮快薬品」、販売者を「(株)マキノサービス」とするものと認められるが、被請求人に係る記載は見当たらない。

(2)乙第6号証は、受付日を2002年4月3日とする「戻入商品管理票(兼)初期不良返品票」である。そして、得意先欄には「(株)デオデオ 本店デジタル館」、メーカー欄に「ナルデック」、商品型番欄には「ウォールポートWP2(セット)」の各記載がある。

(3)乙第7号証は、「製造販売元 ナルデック株式会社」の商品カタログと認められる。そして、表紙には「Naldec」の文字を表示した商品が掲載され、また、同右下に「Naldec」の文字が表示されている。さらに、2葉には「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されるとともに、「電話信号をFM変調して「電波」として電気配線を利用して送信し・・・電話通信を可能にしました。」との記述がある。しかし、カタログの作成年月日は見いだせない。ただ、2葉右下に「このカタログの内容は、1997年4月現在のものです。」との記載がある。

(4)乙第8号証は、ウォルポート販売センターの商品カタログであり、「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されており、その下に「ウォルポートは電力線搬送技術を使った新しい通信機器です。電話信号をFM変調し、一般の電力線の回線を利用して送信・・・を可能にしました。」との記述がある。また、下部には「Naldec」の文字が表示されている。しかし、カタログの作成年月日は見いだせない。

(5)乙第9号証には、「Naldec」の文字を表示した商品の現物写真が掲載されている。被請求人は雑誌TRENDへの掲載であると主張しているが、表紙や奥付は示されておらず、2葉左上の「TREND」の文字からみて当該雑誌が「TREND」であるといい得るとしても、その発行日が何時であるかについては不明である。

(6)乙第10号証は、1999年7月7日水曜日発売の雑誌「週間アスキー」と認められる。そして、<PR> の頁に、発売元を「(株)アスキーイーシー」として、「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されている。

(7)乙第11号証は、1998年5月28日木曜日発売の雑誌「週間アスキー」と認められる。そして、その78頁には、「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されている。

(8)乙第12号証は、1998年8月1日発行の情報誌「MacPeople」であり、その13頁には、「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されている。

(9)乙第13号証は、2004年12月8日に印刷されたと思われる「有限会社ICAのホームページ」である。そして、その「便利な通信機器」欄のもと、「Naldec」の文字を表示した商品が掲載されているが、その右下には「販売終了」の記載がある。なお、当該ホームページの公開の時期などは不明であり、被請求人に関係のある記載は見いだせない。

3 使用商標及び使用商品について

(1)乙第5号証及び乙6第号証については、商品名とメーカー名の表示は認められるが、商標の表示は見当たらない。

乙第7号証ないし乙第13号証については、使用商品に「Naldec」の商標の表示が認められ、これらの使用に係る商標は、「NALDEC」及び「ナルデック」の文字を上下二段に横書きした本件商標とは、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えないものである。

(2)また、使用に係る商品は、被請求人の主張及び乙各号証中の商品に関する記述によれば、電気通信機械器具に属する商品とみるのが相当であるから、取消請求に係る指定商品の一に該当するものである。

4 使用時期について

本件審判の請求の登録日は平成16年11月15日であるところ、乙第7号証ないし乙第12号証は、その年月日が平成13年11月15日より以前のものであるか、あるいは日付が不明であることから、前記登録日前3年以内における使用を示すものに該当するとはいえない。なお、平成10年4月頃に印刷されたとしても、乙第7号証のカタログが、前記時期に、頒布等されたとする証左はない。また、乙第13号証は、当該商品が「販売終了」となったことは判明しても、これをもって、前記時期において、被請求人による本件商標の使用がなされたことを示すものとはいい難いものである。さらに、乙第5号証は、被請求人との関係が不明であり、これをもっては、被請求人の使用を示すものとは認められない。

5 上記2ないし4によれば、被請求人が、本件商標と社会通念上同一の商標を取消請求に係る指定商品の一に使用していたとしても、本件審判の請求の登録前3年以内の時期に、本件商標を前記商品について使用したとは認め難いものである。

6 したがって、乙各号証によっては、本件審判の請求の登録前3年以内に取消請求に係る指定商品について、商標権者あるいは使用権者が本件商標の使用をしたことの証明をしたということはできない。

他に本件商標の使用を認め得る証拠はない。また、使用をしていないことについて正当な理由の提示はない。

7 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、結論掲記の商品について取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。