結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31607(T2004−31607/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4456928号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZERO」の欧文字と「ゼロ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、平成12年1月19日に登録出願、第36類「金融に関する情報の提供,有価証券に関する情報の提供,株式市況に関する情報の提供」を指定役務として、同13年3月2日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務中「金融に関する情報の提供」について、過去3年間日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人の提出に係る書証は、何れも、本件審判の請求の登録後の平成17年(2005年)2月17日又は同18日にホームページを印刷したものと思われるが、当該書証には、本件審判の請求の登録前の事実を表したものとするに足る客観的な裏付けが認められない。また、請求日以降に開示された資料のみをもってしては、請求日以前の使用事実は立証し得ない。
(イ)その上、被請求人の提出に係る書証は、何れも、本件商標を取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」に使用している事実を立証していない。次のような事実にすぎないものである。
(a)乙第1号証の1ないし3
「ZERO」とは係りのない大手銀行の「為替に関する情報の提供」の例に過ぎない。
(b)乙第2号証
被請求人が「ZERO」事業を承継するまでの経緯が説明されている程度である。
(c)乙第3号証の1及び2
「ZERO」の無料インターネット接続サービスについて記述があるが、「金融に関する情報の提供」については全く触れられていない。
(d)乙第4号証
本件商標の使用事実とは関わりのない記述があるにすぎない。
(e)乙第5号証
マスターネットの提供サービスで、他社の株価データ分析ソフト(為替情報の閲覧可)への入会案内をしているが、ここにおいても、商標「ZERO」の使用事実を窺うことができない。
(f)乙第6号証
当該書証に至っては、他の書証との客観的な関連性が一切説明されていない。
(ウ)以上のごとく、被請求人は、本件商標の使用事実を何ら立証していない。
被請求人は「審判請求人の主張は理由がないものとする。審判費用は審判請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番を含む。)を提出した。
答弁の理由
(1)本件商標の指定役務について
本件商標は、第36類「金融に関する情報の提供,有価証券に関する情報の提供,株式市況に関する情報の提供」を指定役務としており、今般、不使用取消審判の対象とされた指定役務は、これらの指定役務のうち、「金融に関する情報の提供」であるので、かかる役務がいかなるサービスを包含するものであるかについて検討する必要がある。
しかるに、特許庁商標課が公表している類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕によって、「金融に関する情報の提供」にかかる役務の類似群コードを調査すると、同基準の36A01、36B01がこれに該当すると思われる。
さらに、同基準によれば、かかる類似群コードに属する役務としては、「内国為替取引、外国為替取引」(36A01)等が挙げられており、これらの為替に関する情報は、一般に銀行が顧客に提供していることは、周知のことと思われる(乙第1号証の1ないし3)。
(2)商標権者が提供している役務について
商標権者は、インターネットサービスプロバイダ(以下「ISP」という。)事業を営む法人であり、2004年11月1日付でゼロ株式会社を吸収合併している(特定承継による本件商標権の移転登録日:平成16年11月19日)(乙第2号証)。
ゼロ株式会社は、2000年7月1日からかかる商号を使用し、かつ、商標「ZERO」なる名称でISPサービスを提供しており、2000年7月1日以前においては、マスターネット株式会社の商号でISPサービスを提供していた(乙第3号証の1及び2)。
ちなみに、同社の2002年3月末の会員数は、およそ81万2千人に達している(乙第4号証)。
商標権者は、ISPサービスを提供するのみならず、同時にマスターネット株式会社時代に構築したサイト内において、株式市況や為替に関する情報を提供しており(乙第5号証)、少なくとも為替情報の提供は、上述した「金融に関する情報の提供」に包含されるべきものであることは明らかである。
なお、このサイトにおいて、商標権者が提供する為替情報は、同サイトで指定した株価データ分析ソフトを使用して閲覧する。
かかる株価データ分析ソフトとしては、(a)ナル1カナル2(東研ソフト社)、(b)りっちなかぶぬし(西神戸マイコン社)、(c)CBフレンド98(竹内投資研究会)の各ソフトを紹介しているが、このうち、例えば、(a)を使用すると、チャートで表示された為替情報を閲覧できる(乙第6号証)。
(3)総括
上述したとおり、本件商標は、2000年7月1日から今日に至るまでの4年7ヶ月以上にわたって、日本国内において、商標権者によって、その指定役務「金融に関する情報の提供」に使用されてきたものである。
(1)被請求人提出に係る乙第1号証の1ないし3は、「りそな銀行」「UFJ銀行」及び「みずほ銀行」の為替情報に関するウェブページを表示したにすぎないものであるから、本件商標の使用とは直接関係ないものである。
(2)同じく、乙第2号証は、被請求人が「ゼロのISP事業を吸収」したとのニュース記事であるが、当該ニュース記事には、「インターネット接続サ−ビス」に関する記事はあるが、本件取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」に関する記事は一切ない。
(3)同じく、乙第3号証の1及び2は、「マスターネット株式会社のインターネット接続サ−ビス」に関するニュース記事であるが、当該ニュース記事には、「インターネット接続サ−ビス」に関する記事はあるが、本件取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」に関する記事はない。
(4)同じく、乙第4号証は、2002年3月末の会員数1万人以上のインターネットプロバイダの会員数の一覧表であるから、これは、本件取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」とは関係ないものである。
(5)同じく、乙第5号証は、被請求人であるグローバルメディアオンライン株式会社(GMO)グループの個人向けサ−ビスの内容を表しているウェブページであるが、その日付は2005年2月17日であって、本件取消審判の請求の登録日(平成17年(2005年)1月11日)以降のものである。
また、そのサ−ビス内容として「株価データ分析ソフト」があるが、「株価データ分析ソフト」は、本件取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」の範疇には含まれない役務である。
(6)同じく、乙第6号証は、「株価データ分析ソフト『カナル1カナル2』で閲覧した為替データのチャート」であると説明されているが、乙第6号証には、本件商標の表示もないし、かつ、その使用年月日の記載もない。
(7)以上のとおりであるから、被請求人は、本件商標を継続して本件取消審判の請求の登録日(平成17年(2005年)1月11日)前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定役務「金融に関する情報の提供」について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中の「金融に関する情報の提供」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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