Trademark Appeal Case
称呼の類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−16977(T2003−16977/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PINE」の欧文字を標準文字により表してなり、第9類の願書記載の商品を指定商品として、平成13年3月30日登録出願、その後、その指定商品は、同14年10月29日付け手続補正書をもって、「電子メールの送受信に用いる電子計算機用プログラム(ダウンロードにより提供されるもの),電子メールの送受信に用いる電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録第4055889号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成7年8月17日登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年9月12日設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記に示したとおり「PINE」の欧文字よりなるものであるから、構成文字に相応し「パイン」の称呼を生じるものである。
他方、引用商標は、黒地長方形内の左上部に「PINE」の欧文字と「−(ハイフン)」記号を、その右側に、「PINE」の文字に比して大きく「DeskWare」と文字全体を白抜きで表示してなる別掲に示すとおりの構成よりなるものであるが、「PINE」の文字と「DeskWare」の文字とは、文字の大きさの差異、及び前者は大文字で、後者は「D」と「W」の文字のみを大文字で、それ以外の文字を小文字で表示してなり、その印象が異なることより、視覚上分離して看取されるばかりでなく、「PINE−DeskWare」の文字全体が、特定の意味合いを有するものとして、取引者、需要者に知られているものともいえず、また、「−(ハイフン)」記号は小さく表示されており、特に印象に残るものともいい難く、他に、これら各文字部分を常に一体不可分のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。
また、商標全体より生ずる「パインデスクウェーブ」の称呼もやや冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、商標中独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「PINE」の文字部分より生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標からは、「パインデスクウェーブ」の称呼の他に「パイン」の称呼をも生ずるといわなければならない。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「パイン」の称呼を同じくするものであり、又、「PINE」の文字は、「松」あるいは、果物の「パイナップル」の略称として我が国において親しまれていることから、観念においても相紛らわしいものといえ、外観の相違を勘案しても、称呼及び観念において相紛らわしい類似する商標というべきであり、かつ、引用商標の指定商品中には、本願商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれているものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当といえ、これを取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標は、我が国において指定商品の分野において、周知・著名なものとなっていること、及び登録例、判決例をあげて、本願商標と引用商標とは、出所の混同を生じないものであり、かつ、判決例のように、商標の類否の類比の判断においては、その外観・称呼・観念を総合的に勘案すべきである旨主張し、証拠方法として、第1号証ないし第12号証(原審においては、第1号証ないし第55号証)を提出している。
しかしながら、提出された証拠方法によっては、1989年から「PINEソフトウェア」の開発が開始されたこと、及び本願商標が指定商品について使用されていることは認められるものの、前記認定のとおり、「パイン」の称呼、及び「松」あるいは 「パイナップル」の観念を共通にする本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないとまでは認められないものである。
また、請求人のあげる登録例、判決例は、商標の具体的構成において、本願商標とは事案を異にするものであって、これら事例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適当でなく、かつ、本願商標と引用商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において、個別・具体的に判断すべきものであるところ、本件においても、両者の外観、称呼、観念を総合的に判断したものであり、請求人の主張は、採用することができない。
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