Trademark Appeal Case
観光地名とツアーの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−12027(T2004−12027/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「幻の大陸 八重干瀬ツアー」の文字を横書してなり、第39類「旅行商品のツアータイトル」を指定役務として、平成15年6月16日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、近年、幻の島として観光名所となっている沖縄県、宮古島北約10Kmにあるサンゴ礁群の主催旅行を認識する「幻の大陸 八重干瀬ツアー」の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定役務に使用するときは、前記観光名所を目的とした主催旅行を認識し、役務の質、内容を表示したものであると認められ、自他役務の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)指定役務は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願に係る指定役務「旅行商品のツアータイトル」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「幻の大陸 八重干瀬ツアー」の文字よりなるものであるところ、その構成中「幻の大陸」の文字は、「実体がないのにあるかのように見える地球上の広大な陸地」の意味を表す語として、続く「八重干瀬」の文字は、「沖縄県宮古島北約10Kmにあるサンゴ礁群(コンサイス日本地名辞典)」を表す語として、それぞれ認識されるものであり、また、「ツアー」の語は、「小旅行,周遊,観光旅行」等の意味を有する英語「tour」の読みを表したものと認められ、該語は、我が国において、上記意味を有する外来語として一般に親しまれているところである。
そうとすれば、これに接する取引者、需要者は、さほどの困難を伴うことなく、全体として、「幻の大陸、八重干瀬に関する旅行」というほどの抽象的な意味合いを認識、把握すると見て差し支えなく、もって本願指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)の業務の内容と関連づけて認識すると見るのが相当である。
ところで、上記「八重干瀬」は、干満の差の大きい、旧暦3月3日頃にわずかな期間のみ岩礁となることで知られ、近年幻の島として観光名所となっているところであって、大潮の干潮時に海面上に現れる干出裸岩及びサンゴ礁群が「幻の大陸」と呼ばれていること、また、大潮の時期にあわせて該「幻の大陸」と称されるサンゴ礁への上陸、あるいは、巨大サンゴ礁での潮干狩りを楽しむための観光旅行が催行され、多くの観光客でにぎわっていることは、新聞記事情報のデータベース、及びインターネットのホームページ等の情報からうかがい知ることができるものである。
さらに、「ツアー」の語は、旅行関連の役務の分野においては、「旅行会社などが企画する団体旅行」を表す語、すなわち、役務の質(内容)を表示する語として、普通に用いられているものであり、例えば旅行先で訪ねる場所の地名や観光スポット等の名を該語の上に冠した「○○○ツアー」の語句をもって、「主催旅行の実施、旅行に関する契約の代理・媒体又は取次ぎ」等が行われている実情があるところである。
そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標「幻の大陸 八重干瀬ツアー」の文字より、「幻の大陸として知られている八重干瀬に関する観光旅行」を表わしたもの、すなわち提供される役務の質(内容)の表示として認識するにとどまり、これをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものというのが相当である。
また、請求人は、その請求書において、本願の指定役務を補正すれば商標登録の要件を具備しているものと確信する旨主張するが、その後、相当の期間が経過するも、未だ何らの手続もされていないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し、本願が同法第6条第1項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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