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Trademark Appeal Case

著名商標の混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−2690(T2000−2690/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第18類「毛皮,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成11年2月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の『ザ ポロ/ローレン カンパニー』が『被服』等の商品に使用して本願の出願時には既に著名となっている商標「polo」の文字及び「ポロプレーヤー」の図形とその構成の軌を一にする図形を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときは、これが恰も上記会社或いはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.当審における職権証拠調べ通知

当審において、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)に関して行った職権による証拠調べにより、以下の事実を発見したので、その旨を請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

(1)株式会社講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング同58年9月28日発行「舶来ブランド事典 ’84 ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年に映画「華麗なるギャツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

ラルフ・ローレンのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章が用いられ、これらの標章は単に「ポロ」と略称されて紹介されていた。

(2)株式会社洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項、及びボイス情報株式会社同59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略 ’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述、及び同63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が同51年にポロ社から「Polo」の文字よりなる標章をはじめ、「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合わせた標章などの使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

(3)ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社1971年7月発行「dansen 男子専科」を始め、前出「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社同54年5月発行「世界の一流品大図鑑 ’79年版」、株式会社チャネラー同54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑 ’80年版」、「男の一流品大図鑑 ’81年版」(同55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑 ’80年版」(同55年5月発行)、婦人画報社同55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑 ’81年版」(同56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典 ’84 ザ・ブランド」、株式会社講談社同60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、眼鏡については、前出「世界の一流品大図鑑 ’80年版」、同「ファッション・ブランド年鑑 ’80年版」、同「男の一流品大図鑑 ’81年版」、同「世界の一流品大図鑑 ’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」「ポロ」「Polo」「ポロ(アメリカ)」「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の標章の下に紹介されていることが認められる。

(4)ラルフ・ローレンの「POLO」「Polo」「ポロ」の標章について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決、平成2年(行ケ)第183号(平成3年7月11日言渡)、平成12年(行ケ)第5号(平成12年9月28日言渡)が存在する。

(5)以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章は、我が国においては、遅くとも本願出願時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものであり、その状態は現在においても継続しているものと認めることができる。

2.請求人の意見

上記証拠調べ通知に対し、請求人は、指定された期間内に何ら意見を述べるところがない。

3.引用商標の著名性について

前記1.の職権証拠調べ通知において示したとおり、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等に使用される「引用商標」についてした証拠調べ、(1)ないし(3)の事実及び(4)の判決をも併せ考慮すると、「引用商標」は、ラルフ・ローレンのデザインにかかる被服類、眼鏡等に使用する標章として、遅くとも本件商標の登録出願時までには、我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、かつ、著名となっていたものであり、その状態は現在においても継続しているものと認めることができる。

4.商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、別掲のとおり、疾走する馬とその前にマレット(ポロ競技用のスティック)を持って立つポロ競技プレーヤーの図形と、その上方にアーチ状に「Royal Barks Polo Cup」の欧文字を表してなるものであるところ、これらの文字と図形とは常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事由が存するものとも認められないものである。そして、本願商標構成中の「Royal Barks Polo Cup」の欧文字部分が、全体として特定の意味合いを表すものとして知られているとはいえず、その構成文字からみて何らかのスポーツ大会名として認識される場合があるとしても、実在する周知なスポーツ大会名であるとの証拠を見いだせないものである。

また、本願商標の構成中には、疾走する馬とその前にマレット(ポロ競技用のスティック)を持って立つ人物の着用する服装等からも、容易に「ポロ競技プレーヤー」「ポロ競技(ポロ)」を認識させるものである。

してみると、前記認定のとおり、引用商標が著名であること及びこれら商標が「Polo」「POLO」「ポロ」と認識されていることが少なくないことに照らせば、本願商標に接した需要者、取引者は、その構成中の「Polo」の欧文字及び「馬」「ポロ競技プレーヤー」の図形に注目して、「Polo」「ポロ競技プレーヤー」「ポロ競技(ポロ)」を認識し、本願商標が引用商標と何らかの関係があると容易に連想、想起するといえるものである。

そして、本願の指定商品は、引用商標が需要者に広く認識され著名となっている「洋服」等の被服類であり、「毛皮,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」は、トータルファッションが流行している昨今においては、引用商標が需要者に広く認識され著名となっている商品群と同様にファッション関連商品ということができるものである。また、「織物」は、被服等の原材料となるものであり、また、ハンカチ・タオル等の「布製身の回り品」は、ファッション性の強いアクセサリー的要素を持つもので、被服等と統一されたブランド名のもとで、同一のファッションメーカーより製造、販売される場合が少なくない。

そうとすると、本願商標をその指定商品に使用する場合に、これに接する需要者、取引者は、前記著名な引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

5.以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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