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Trademark Appeal Case

品番の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−21885(T2002−21885/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「EC 155」の文字を標準文字により表してなり、第12類「ヘリコプター,その他の航空機並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成13年1月12日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、平成14年6月12日付け及び当審において平成14年12月20日付け手続補正書により、第12類「ヘリコプター」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、商品の品番・等級等を表す記号符号として普通に使用されているアルファベット文字の二字と数字を結合した類型である「EC 155」の文字を書してなるにすぎないので、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、原査定に対して、本願商標が登録されるべき理由として以下の旨主張し、甲第1号証ないし同第88号証を提出している。

(1)本願商標は、航空業界において請求人の業務にかかる商品「ヘリコプター」を表示するものとして、航空業界の需要者・取引者の間に広く知られ世界的に周知著名となっている。また、本願商標は、実際の取引において自他商品識別機能を発揮する態様で商標的使用がなされて周知性を獲得するに至っている。

(2)請求人であるユーロコプテール社は、フランスのアエロスパシアル社とドイツのダイムラークライスラーアエロスペース社の合併によって1992年に誕生したヨーロッパ最大のヘリコプター製造・販売会社である。世界のいわゆる5大ヘリコプターメーカーは、アグスタ・ウェストランド社、ベル社、ボーイング社、シコルスキー社と請求人である「ユーロコプテール社」である。ユーロコプテール社の1999年度の総売上高は約20億ドルといわれ、1996年から4年連続して売上高は世界のヘリコプターメーカーの中で1位の座に輝いており、1999年度の受注総数はヘリコプター382機を計上している。

(3)本願商標「EC 155」の使用されるヘリコプターは、5トンクラスとして開発された新しい高性能ヘリコプターであり、1997年からその生産が行われている。この本願商標「EC 155」については、多くの雑誌、新聞、及びインターネット上のウェブサイトにおいて紹介されており、自他商品識別機能を発揮する態様において商標的使用がなされている。

(4)「ヘリコプター」の取引業界はその商品の特殊性から、特殊な取引業界というべきであって、その専門的知識を有する取引者・需要者が本願商標に接した場合、一般消費財等の商品の取引者・需要者に比して容易に商品の出所を識別できる。

(5)本願商標は、世界各国において商標登録出願がされている。商標登録例としては、オーストラリア、ノルウェー、メキシコ、フランス、OHIM、カナダ、ブラジル、フィリピンにおいて商標登録がされている。なお、南アフリカ、マレーシア、シンガポールにおいても商標登録出願がなされている。

(6)「A320」指定商品第12類「航空機」、「747」指定商品第12類「大型ジェット旅客機,大型ジェット貨物機」、「737」指定商品第12類「大型ジェット旅客機,大型ジェット貨物機」は、一見して機種番号のように認識されるおそれを有するが、自他商品識別力を有する商標的使用により広く知られ、商標登録がなされている。

(7)本願商標はその使用の結果、需要者が審判請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至った商標として商標法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができる。

4 当審の判断

本願商標は、前記に示したとおりの構成よりなり、全体として特定の意味合いを有するとは認められないものである。

ところで、本願指定商品である「ヘリコプター」や航空機業界においては、商品の製造・販売または取引上の便宜性から、欧文字の2文字に数字を組み合わせた標章、さらに、これらの類型の標章を、商品の規格・型式または品番を表示するための記号・符号として取引上、普通に使用されているところである。

このことは、請求人の提出した証拠中、例えば、甲第2号証の「HelicopterNow」には、「イタリア・アグスタ社は今、・・・EH−101大型3発ヘリコプターの量産が・・・」とあり、甲第3号証の「ヘリエキスポ2001速報」には、2葉目に写真とともに、「AB139ヘリコプター」との表示がされている。

また、甲第12号証の「HELI WORLD 2003」中のPART5ないしPART7の項目には、「機種」として多数の機種名が表示されており、名称とともに欧文字と数字を組みあわせた標章が多数使用されている。甲第17号証の「Helicopter JAPAN」9頁には、「型式別在籍機数」として「機種」の項目に欧文字と数字を組みあわせた標章が多数使用されているところである。甲第40号証には、「ヘリコプター整備実績」中に「■整備機種」として「ユーロコプター社製(AS350、AS355、AS365、AS332、EC120、EC130、EC135、EC155)型機」と機種・型式が記載されている。

そうとすれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべきである。

なお、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項に該当する旨主張しているので、以下、請求人の上記主張について検討する。

自他商品の識別機能を果たし得ない商標が、使用により識別力を有するに至ったものとして登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品又は役務と同一の商品又は役務に関する場合のみである。そして、当該商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、実際に使用している商標ならびに商品又は役務の使用開始時期、使用期間、使用地域、生産数量又は営業の規模及び広告宣伝の回数などを総合的に勘案して判断されるべきものである。

これを本願についてみるに、提出された証拠からは、本願商標「EC 155」が請求人によって使用されていると認められるものは、甲第49号証ないし同第52号証であるところ、これらはインターネットのホームページのみであって、それも該ホームページは日本語でなく、使用されている「EC155」の文字も、一連の文章中に記載されているものがほとんどである。また、甲第12号証、甲第17号証、甲第40号証の書証に使用されている「EC155」の文字は、「機種」「型式」「型」としての表示がなされているとみられるところである。そして、すべての甲号証にあって、本願商標と相違する「EC155B」を除いたもので商標的な使用がされていると認められるものは、これといって見あたらず、どの程度周知されたのかが把握し得ないものである。

また、甲第53号証以降のものは、外国雑誌等のコピーであり、これらによっては、本願商標が、わが国で使用されたと認めることはできない。

してみれば、請求人の提出による各甲号証をもってしては、日本国内における実際に使用している商標ならびに商品の使用開始時期、販売数量又は売上げなどの営業の規模及び広告宣伝の実績が明らかでなく、これより総合的に勘案して判断すると、本願商標が使用による識別力を獲得したものと認めることはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものと認められ、また、商標法第3条第2項の要件を具備しているものとはいえないから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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