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Trademark Appeal Case

効能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−6195(T2004−6195/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおり、灰色の矩形内に長方形の左上部を円弧状とし、右側面をグラデーションで表してなる黒色の図形を配し、前記図形内に灰色地で抜いた「コリホグス」の文字を配してなる構成のものであり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成14年7月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、筋肉が張ってかたくなること等の意味を有する語『凝り』の読みである『コリ』の文字とこり固まったものをやわらげる等の意味を有する語『解す』の読みである『ホグス』の文字を一連に書した『コリホグス』の文字を、ありふれた輪郭の域を脱しない程度の図形を背景として、普通に用いられる方法をもって書してなるにすぎないから、それをその指定商品中『湿布薬』について使用した場合には、それに接する取引者、需要者は、肩等の凝りを解すことを認識し、単に商品の品質(効能)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおり、灰色の矩形内に長方形の左上部を円弧状とし、右側面をグラデーションで表してなる黒色の図形を配し、前記図形内に灰色地で抜いた「コリホグス」の文字を配してなる構成よりなるところ、構成中の該図形部分は、単に文字を引き立たせるために背景として認識せしめる程度のものとみるのが相当であって、それのみで自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。また、構成中の「コリホグス」の文字部分は、広辞苑第5版において、「凝り」の項目中の例示に「肩の凝り」との記載、そして、「解す」の項目中の例示に「肩の凝りを解す」との記載があることからすると、その指定商品中の「湿布薬」や「肩こりの緩和のための内服用薬」との関係においては、構成前半の「コリ」の文字が「凝り」の読みを、構成後半の「ホグス」の文字が「解す」の読みを、それぞれ表したものであり、該文字全体として「肩凝りを解す」の意味合いを容易に認識させるとみるのが自然である。

これに対し、請求人(出願人)は、「広辞苑第5版には、『コリ』と発音する語として、『凝り』のほかに、『こること。くくること。・・・行李』等と記載された『梱』、『神仏に祈願するため、冷水を浴び身体のけがれを去って清浄にすること。』等と記載された『垢離』」、及び『キツネとタヌキ。』等と記載された『狐狸』の記載があることからみると、『コリ』が、直ちに「肩等のこり』の意味で認識されるとはいえないものであり、また、『解す』の文字にしても、『こり固まったものをやわらげる。ほどく。ほごす。『絡み合った糸を−・す。』『肩の凝りを−・す』『焼き魚を−・す』『緊張を−・す』」と記載されていることからみると、『ホグス』が、直ちに『肩の凝りを解す』の『解す』の意味で認識されるとはいえないものであるから、『コリホグス』の文字からなる本願商標は、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。」旨主張している。

しかしながら、たとえ、「コリ」の文字と「ホグス」の文字が、それぞれ複数の意味を有し、1つの意味に特定できない語であるとしても、いずれも、広辞苑第5版において、前記したとおりの記載があることからみれば、これらを一連に「コリホグス」と書してなる本願商標は、商品「湿布薬」、「肩こりの緩和のための内服用薬」との関係においては、該文字全体として「肩凝り等を解す」の意味合いを容易に認識させるとみるのが相当である。

さらに、請求人(出願人)は、「肩等の凝りを解すことを表現する場合には、『肩等の凝りを解す』という表現がなされるものであって、目的語となる『何を』の部分を省略して、単に『凝りを解す』という表現がなされることはなく、まして、『コリホグス』と表現されることもないから、本願商標は、これをそのいずれの商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商品の品質、効能を表示するものではなく、全体として特定の観念を生じない造語商標というべきである」旨主張する。

しかしながら、近年、ストレスの影響を受けやすい社会情況においては、肩等の凝りの症状に悩まされている人が多く、その凝りを解すための商品が各種販売されており、その結果、「凝りを解す」の語は、肩等の凝りと強く関連付けられて一般に親しまれている語であることからすれば、「コリホグス」の文字よりなる本願商標は、本願指定商品中の「湿布薬」、「肩こりの緩和のための内服用薬」との関係においては、何の凝りを解すのかが表示されていなくても、「肩等の凝りを解す」の意味合いを容易に理解させるとみるのが相当である。

そして、当審において、職権をもって調査したところによれば、以下にあげる新聞記事やインターネットの情報から、「凝りほぐす」あるいは「こりほぐす」の表示が、肩や腰などの凝りを解すことを意味するものとして、肩等の凝りを解すための各種商品を取り扱う業界において、普通に使用されている実情にあることを、窺い知ることができる。

(1)2004年10月27日付け繊研新聞には、「〈商品情報〉磁気で

こりほぐす

」の見出しのもと、「アツギは、磁気による『こり』の解消や血行促進に効果があるレッグウェア『マグネットヘルデー』を開発した。」の記載。

(2)2002年4月19日付け日刊スポーツ新聞社東京日刊には、「れんさい 目は口ほどに物を言う(44)瞳孔反射 首、肩ほぐして視力改善」の見出しのもと、「『目から指のラインは目に直結しており、このライン上の部位を

こりほぐす

と視力改善に結びつきます。」の記載。

(3)1994年9月2日付け毎日新聞大阪朝刊には、「温めながら

こりほぐす

オムロン」の見出しのもと、「オムロンは肩、腰などの筋肉痛やこりを温めながらほぐす『ホットトコトン』を1日発売。」の記載。

(4)1992年11月14日付け日刊工業新聞には、「オムロン、家庭用の温熱低周波治療器発売。温めて

こりほぐす

」の見出しのもと、「軟らかな暖かさでこりと痛みをほぐす。」の記載。

(5)2003年6月25日付け毎日新聞大阪朝刊には、「〔ビジネス情報〕ピップフジモト 回転磁石で

凝りほぐす

治療器発売」の見出しのもと、「電池で円柱形の磁石を回転させ、磁気を広範囲に浸透させることで血行を良くし、肩や腰などの凝りをほぐすという。」の記載。

さらに、以下にあげる新聞記事やインターネットの情報から、本願の指定商品中の「湿布薬」、「肩こりの緩和のための内服用薬」を取り扱う業界においては、肩、腰等の凝りを解す効能を有する商品があることを、窺い知ることができる。

(6)2004年6月28日付け繊研新聞には、「〈情報ダイジェスト〉タイガースのロゴテープで血行促進 中龍」の見出しのもと「中龍は、血行を促進する皮膚用テープ『αロン』を開発した。マイナスイオンと温熱効果で血行を高め、筋肉の

こりをほぐす

。」の記載。

(7)「大鵬薬品工業株式会社」のホームページ(http://www.okayama-taiho.co.jp/seihin/thehappuehot.html)には、「腰痛・肩こりに!!/ザハップE〈ほっと〉」の商品説明があり、「特徴/1.腰痛・肩こり・関節痛などの、こりや痛みを鎮めます。2.血行をよくして

こりをほぐす

。」の記載。

(8)「三笠製薬株式会社」のホームページ(http://www.mikasaseiyaku.co.jp/promenu/zeh00tht.html)には、「ゼノールしっぷ〈温感〉」の商品説明があり、「商品特徴/●『血行を促進し、

こりをほぐす

』・・・腰痛、肩こり等の症状を改善します。」の記載。

(9)「富山薬品株式会社」のホームページ(http://www.toyama-pharmacy.jp/korihogusu.html)には、「肩こり・腰痛・神経痛にコリホグス・・・有効成分・・・効能効果 肩・首筋などの痛みおよび凝り・・・」の記載。

そうすると、上記実情からして、本願商標は、これをその指定商品中「湿布薬」、「肩こりの緩和のための内服用薬」に使用しても、「肩等の凝りを解す」の意味合いを認識させるに止まり、単に商品の品質、効能を表示したものと把握し、理解されるにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当であり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

なお、請求人(出願人)は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張しているが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は、採用することができない。

また、請求人(出願人)は、本願商標の構成中の図形部分について、左上部分を大きな円弧状とし、後端部をグラデーションで表してなる電車の車両図形のようなものであって、通常一般的に使用されているありふれた輪郭図形ではないから、本願商標は、この図形部分においても、顕著性を具備するものであるとも主張しているが、前記のとおり、該図形部分は、単に「コリホグス」の文字を引き立たせるための背景として認識する程度のものであり、これのみで殊更に看者の注意を惹くほどの特徴を有するとも認められないものであるから、請求人の主張は、採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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