Trademark Appeal Case
活性水の識別力と品質表示
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−15744(T2002−15744/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BS活性水」の文字を標準文字により表してなり、第3類「化粧水,ハイゼニッククリーム,バニシングクリーム,ひげそり用クリーム,日焼けクリーム,日焼け止めクリーム,漂白クリーム,ファウンデーションクリーム,頭髪用化粧品,香水類,脱毛剤,ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,バスオイル,バスソルト,パック用化粧料,ベビーオイル,毛髪脱色剤」を指定商品として、2000年商標登録願第141164号(平成12年12月28日登録出願)の分割出願として平成14年2月27日に登録出願されたものである。
なお、本件の出願分割にあっては、現商標法施行規則第22条第4項で準用する特許法施行規則第30条において規定する原出願についての必要な補正が分割出願と同時にされていないので、本出願は商標法第10条1項の規定による商標登録出願とは認められないから、その出願日の遡及もなく、いわゆる通常の商標登録出願として取り扱うものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『BS活性水』の文字を書してなるところ、『BS』の欧文字は、商品の品番、規格、型式等を表示するための記号、符号の一類型として普通に使用されているものであり、また、『活性水』の文字は、近時、肌を活性させることを謳った化粧品が多く市場に流通していることから擦れば、本願指定商品『化粧品』との関係において、『(肌を)活性化させる液状の商品』であることを容易に看取、把握するものであるから、これを本願指定商品『化粧品』中『化粧水,乳液』等に使用しても、前記に照応する商品であることを表したものと理解されるにとどまり、商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張(要旨)
本願商標中の[BS(ビーエス)」は、「ブラックシリカ」、すなわち「BLACK」と「SILICA」を省略した出願人が初めて工夫した造語であり、すなわち、「活性水」と結合した「BS(ビーエス)活性水」は、「ブラックシリカで処理した水」であることを意味するものである。また、「活性水」は、通常の水とは異なるクラスター水を意味するものであり、そのような活性水で処理したときに通常の水に比べて活性があることを示しているものである。活性水には、たとえば、飲料用の水として健康の面では、アルカリイオン水があり、また、植物用としては、例えば、生け花の場合には腐敗を防ぐ殺菌剤を含む水、また、植木鉢の場合には、植物を成長させる植物成長ホルモンを含む水、金魚などを飼育する水槽で金魚などを病気にかからないようにする成分あるいは成長させる成分を含む水、そして同様に動物を飼育するときも同様の成分を含む水などがある。すなわち、本願商標中「活性水」という用語は化粧品に適用されるものではない。よって、本願商標をその指定商品について使用しても、十分自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「BS」の欧文字と「活性水」の文字を組み合わせて「BS活性水」と書してなるものである。
そこで、まず、構成中の「活性水」の文字についてみるに、「水を物理・科学的な方法で活性化処理し、水のクラスターの大きさや構造を変化させた水」を意味するものとして使用されている語であり、本願商標の指定商品との関係においては、水を物理・科学的な方法で活性化処理し、水のクラスターが小さくなるほど活性力が高まり、肌にとても浸透しやすく、皮膚とよくなじんでしっとり潤す作用があるといわれており、活性水を原材料に用いた商品が開発・販売されている実情が以下の(ア)ないし(オ)のとおり認められる。
(ア)「ピティスジャパン、タイと日本で化粧品を販売」の見出しの下に、「ピティスジャパンは、豪州原産の植物エキスや活性水“BAE(バイ)”を主成分とする化粧品『ふぁしくる化粧品』を開発、タイと日本での販売に乗り出した。・・・BAEは韓国の物理学者、明于植氏の理論を研究するバイワールドが特許を持つ活性水で、水の分子クラスターが細かく肌への浸透性が高いのが特徴。(平成9年6月26日 日刊工業新聞)」
(イ)MICA化粧品のホームページにおける、化粧品の紹介の欄において「うるおいのあるなめらかなお肌のための保湿クリーム。磁気活性水と19種類のミネラル成分をベースに、コラーゲンと14種類の保湿成分を配合しました」(http://www.mica-c.jp/basic/index4.html)
(ウ)株式会社バンインターナショナルのホームページにおける、化粧品の紹介の欄において「バンイオンローション(ミネラルイオン活性水)イオン化されたミネラルとクラスターの小さい活性水の働きで、皮膚中の水分子を活性化」(http://www.vinintl.co.jp/mutenka/hair/vinion.htm)
(エ)健康グッズ専門店トルマリンショップ・よしこのホームページにおける、商品の紹介の欄において「トルマリン活性水の最大の特長は肌への浸透力の違い。化粧品の有効成分が、きめ細やかなクラスターとともに深く肌に浸透、吸収され・・」
(http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~toruma-y/keshohinn.htm)
(オ)自然化粧品の店フェアリー・コットンのホームページにおける、商品の紹介の欄において「この活性水で、プロポリスやハーブの有効な成分が、より肌に浸透するのです。主成分のプロポリスはネバネバしていて、そのままでは使いにくいものですが、この粘りも取り除き使いやすくしてくれます。」(http://www.cottonclub.co.jp/proherb/)。
(2)次に、構成中の「BS」の文字についてみるに、請求人自身が本願の指定商品について「ブラックシリカで処理した水、ブラックシリカ活性水を利用した商品」である旨述べているように、その構成中の「BS」の文字部分ついては、北海道の上ノ国町で産出される天然鉱物「黒鉛珪石ブラックシリカ」の略語として、本願の指定商品が含まれる化粧品はもとより健康グッズを取り扱う業界等において取引上使用されている実情が以下の(カ)ないし(ク)のとおり認められる。
(カ)函館インフォメーション・ネットワーク株式会社における、ブラックシリカについての説明欄において、「北海道桧山郡上ノ国町天の川上流より産出されるブラックシリカは、数億年の間、海底の珪藻類が堆し、地表に隆起したと推定される天然鉱石であり多種の天然ミネラルをふんだんに含み、遠赤外線をはじめとする様々な活性波動を放射発散する不思議な石です。」また、商品紹介の欄において、『遠赤外線・治癒波動・マイナスイオンで体の元気を健康をつくりだすブラックシリカ健康グッズの通信販売、「ブラックシリカストーン」水のクラスターを結晶化させ身体に吸収しやすい健康の維持に有効な「活性水」にすることが出来ます。活性水を飲めば身体の健康維持に、お風呂に入れれば湯冷めしにくくなり、発汗を促し、お肌をすべすべにしてくれます。』
(http://bs.host.jp/shoping/default.htm)
(キ)株式会社コクセイ宝石における、商品紹介の欄において、「ブラックシリカ健康グッズ BSシートは、身体の肩こり、腰痛、関節痛、筋肉痛、胃痛など調子の悪い所などにご使用下さい。ブラックシリカを粉末にし、シリコンゴムを配合したシート、BSサポーターはブラックシリカの原石を採掘・破砕・選別・微紛砕した粉末を特殊加工にてサポーター生地に練り込んだものです。身体機能を維持・増進・回復・保護し、日常生活からスポーツシーンまで幅広い目的でご使用いただけます。」
(http://www4.ocn.ne.jp/~kokusei/sirika.htm)
(ク)株式会社ジャストにおける、商品紹介の欄において、「ローズソープ・BSは天然成分のみを使用し、遠赤外線・マイナスイオン・ミネラルを多く含むブラックシリカと野バラ油最高級成分を練り込んだ洗顔用ソープで、美肌効果・肌荒れの防止、シミ・ソバカス・ニキビの抑制に効果を発揮します。乳化剤を一切使用せず、 油溶性エキス等をぜいたくに配合することを可能にしたゲルエマルジョンタイプのローズモイスチャージェル・BS(ブラックシリカ)は最高の基礎化粧品といえます。」
(http://www.just-hokkaido.jp/shop.cgi)
前記実情からすれば、「BS活性水」と表わされる本願商標を、その指定商品に使用するときは、取引者・需要者は、全体として「BS(ブラックシリカ)で処理した活性水を使用した商品」の意味合いを有する語として容易に理解し、把握するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものというのが相当である。
(3)以上のとおり、本願商標は、商品の品質、原材料を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、本願商標を前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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