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Trademark Appeal Case

地名と一般名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−2999(T2004−2999/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第36類「建物の管理,建物の賃貸の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」を指定役務として、平成15年3月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『北海道に存する家』、『北海道の環境に適合した家』、『北海道産出の建材を使用した家』程度の意味合いを認識させるにすぎない『北海道の家』の文字を普通に用いられる方法と認められる書体で表してなるものであるから、これを本願指定役務について使用するときは、単にその役務の質・提供の用に供する物を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、近時、需要者の注意を引き、視覚的効果をねらう方法として、各種レタリング文字が広告、宣伝において広く用いられている実情があることにかんがみれば、本願商標に接する需要者は、それが「北海道の家」の文字を普通に用いられる方法で表したものと容易に看取し、認識するとみるのが相当である。

また、例えば、昭和63年(1988年)4月21日付け日経金融新聞(13頁)に、「ナショ住、きめ細かく地域開拓−『10%以上の成長図る』」の見出しの下、「(前略)【地方開拓】同社は全国に六十七社の共同販売会社を持つなど販売ネットは強いが、現在は首都圏と近畿圏の売り上げだけで全体の約半分を占めており、地方への浸透はこれから。このため今後は北海道の家「サングレース」、高知の家「新・土佐の家」といったように、地域の気象条件や風土に合わせた地域対応型住宅を中心に、キメ細かな販売促進を図る。(後略)」との記載があること、平成12年(2000年)3月5日付け日本経済新聞(朝刊29頁)に、「高断熱・高気密・計画換気、北の住まいの知恵に学べ−暖かく快適、高齢者もOK」の見出しの下、「寒い地域で培われた独自の住宅技術が全国に普及し始めた。北海道では厳しい寒さの中で快適な室内環境を維持したいという思いから、「高断熱」「高気密」「計画換気」という三点を重視した住宅が進化し、東北や九州に広がっている。保温性が高く高齢者も過ごしやすいという。逆に九州からは効率的なエアコンの設置方法が北海道に伝授されるなど、住宅技術の交流が進んでいる。(中略)寒さ対策を重視してきた北海道の家造りでは、二重冊子や断熱材の開発など独特の進化がみられたが、室内を高温に保ち続けるには限界がある。その上アルミサッシの登場や、燃料が炭から灯油へかわったことで、結露が深刻な問題に浮上。換気の重要性が認識されるようになった。(中略)北海道では、道立の寒地住宅都市研究所(札幌市)が住宅技術の底上げに努めている。五十五年に設立されて以来、断熱材や暖房設備、省エネ型住宅の研究、普及に力を入れてきた。中小工務店を集めた技術指導を進めるなど官民一体の取り組みが効果を上げつつある。(後略)」との記載があること、同14年(2002年)2月6日付け北海道新聞(朝刊17頁)に、「<もっと北海道>寒を極める(2の1) 北の大地が磨く技術と研究 雪と氷を生かして」の見出しの下、「(前略)住宅メーカー “高断熱”武器に道外へ 『家造りは北に学べ』という言葉が住宅業界にあるそうです。気密性、断熱性の高い北海道の家は、冬に暖かいだけでなく夏の暑さや湿気を防ぐ家としても評価を得ているのです。本州への普及が建材の量産化、ひいてはコスト減につながる効果もあります。北海道発の数々の新技術を生み出してきた道立寒地住宅都市研究所(札幌)。二重窓の断熱性能を一枚の窓枠に組み込んだペアガラス、ふろの湯気を外に漏らさないバスユニットなど『新技術が本州メーカーに与えた影響は大きい』と同研究所居住環境科長の鈴木大隆さんは語ります。克寒用に開発した高気密・高断熱の家造りを引っ提げ、道内企業の本州進出が活発です。土屋ホーム(本社・札幌)は道外に十三支店を有し、松本建工(同)は加盟店を五百八十に広げるほど。時には『火山灰が入り込まない』と鹿児島からの引き合いもあります。『寒地仕様だけでなく、道内の天然木を使うことも私たちの売り』と話すのは、北海道ハウジングオペレーション(同)の石出和博社長です。芦別周辺の造材・製材業者と提携して従来、建築材に不向きとされた間伐材を大胆に活用し、工賃の安い地元で部材加工(プレカット)を済ませる産地直送システムをつくり上げました。(後略)」との記載があること、及び社団法人北海道住宅建築協会のホームページの「北方型住宅」の項目(http://www.do-sumaizukuri.com/chisiki/hoppougata-index.htm)中に、「北海道の住まいは、その変遷のなかで防寒住宅、寒地住宅などと言う表現の通り冬期間の寒さ対策が主流を占めていました。時を経て、高断熱・高気密の技術が開発されるとともに効率の高い暖房方式、計画換気の技術が発達し、これらのバランスが快適な温熱環境のみならず省エネ性能をも高めた住宅づくりが可能になり、冬の寒さの克服だけでなく夏の暑さにも対処できる住宅になりました。(後略)」との記載があることにかんがみれば、本願商標をその指定役務について使用をしたときは、これに接した需要者は、「北海道の家」の文字から原査定において説示する「北海道に存する家」、「北海道の環境に適合した家」、「北海道産出の建材を使用した家」といった意味合いを認識するにとどまる場合も決して少なくないとみるのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務について使用をするときは、自他役務の識別標識として看取、認識されるというよりも、むしろ、その役務の質・提供の用に供する物を表示してなるにすぎないものというべきである。

なお、請求人は、過去における審査例や本願商標の使用実績等を挙げ、本願商標も充分に自他役務の識別標識としての機能を発揮する旨述べているが、請求人の挙げる審査例に係る商標は、いずれも本願商標の構成と異なる態様のものであって、本願商標についての前記判断を左右するものではなく、また、本願商標の使用実績についても、提出された証拠によっては、取引者、需要者間において自他役務の識別力が生ずるものと認めるには不十分といわざるを得ないから、これらの点に関する請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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