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Trademark Appeal Case

ぬるの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−6194(T2004−6194/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ぬる」の文字を標準文字をもって書してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」、及び第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、平成15年2月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『物や身体の一部に粉末や液体などをなすりつける(塗る)こと』の意を容易に看取させる『ぬる』の文字を書してなるところ、本願指定商品中には、商品を塗って使用するもの、例えば、『化粧品(おしろい、クリーム、口紅等)、靴クリーム、靴墨、塗り薬』等数多く含まれているものであるから、本願商標をその指定商品中の前記商品について使用するときは、単に商品の使用方法を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ぬる」の文字を書してなり、第3類、第5類及び第10類に属する商品を指定商品として、平成15年2月17日に登録出願されたものであること上記のとおりである。

そして、請求人(出願人)は、「三省堂提供『大辞林 第二版』には、『ぬる』の意味について、『ぬ・る:(髪などが)ゆるんでとける。ほどける』、『ぬ・る:濡る→ぬれる』、『ぬる:物の表面の、ぬるぬるした粘液状のもの。『里芋の−をとる』』及び『ぬ・る【塗る】(1)物の表面に液や塗料、また、ジャム・バターなどをなすりつける。『塀にペンキを−・る』『傷口に薬を−・る』『パンにバターを−・る(2)壁土や漆喰などをなすりつけて、壁や塀などをつくる。『壁を−・る』(3)(白粉(おしろい)をつけて)化粧をする。『真っ白に−・った顔』(4)罪や責任を他人になすりつける。』と記載されているとおり、『ぬる』には複数の意味があり、前後の脈絡なくしては特定の観念のみを表すものではないから、本願の指定商品との関係においては、特定の観念を生じない造語商標というべきものである。」旨主張しているので、以下検討する。

平成15年8月7日付の刊行物等提出書のインターネット情報及び以下にあげるインターネット情報によれば、本願の指定商品中、例えば、「塗って使用する化粧品・靴クリーム・塗り薬」について、「ぬる」の文字が、前記商品の使用方法を表示するためのものとして、取引上、普通に使用されている実情にあることを窺い知ることができる。

(1)「プラスロン化粧品」のホームページ(http://www.plathlone.com/shop/basic/newproducts.html)には、「シワトリア」の商品紹介のページにおいて「えっ、

ぬる

だけのボトックス?」の記載。

(2)「メンテナンス用品」のホームページ(http://www.kutuya.com/ment001.html)には、商品名「CLASSIC 高級液体靴クリーム」の特徴の項目に「

ぬる

のも保存も簡単で、・・・」の記載。

(3)「杏林大学医学部付属病院」のホームページ(http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/knowledge/drug/ointment.html)には、「医療豆知識/ぬり薬/ぬり薬とは/皮膚に直接

ぬる

ことで、」の記載。

(4)「【大正製薬】ヴィックス ヴェポラップ」のホームページには、「かぜ百科/ヴィックスヴェポラップのご紹介/特徴と効能/ヴィックスヴェポラップは

ぬる

・吸う風邪薬」の記載。

(5)「フマキラーあっとホームページ」のホームページ(http://www.fumakilla.co.jp/products/athome/athm_k1.html)には、「花粉 鼻でブロック」の商品パッケージに「鼻に

ぬる

だけ」の記載、及び説明に、「鼻の入り口に塗るだけで花粉の吸入をブロック」の記載。

(6)「pigeon ベタつかない

ぬる

かぜ薬/ピジョン/カゼーニ」の商品パッケージの画像を掲載した紹介ホームページ(http://www.pigeon.info/syouhin/catalog/photo/v107a.gif)の商品画像。

(7)「経絡気功法協会/気の健康と美容のお店」のホームページ(http://www.igoods.jp/s/keiraku/1027/)には、「ググEXエディション」の商品説明に「

ぬる

だけの便秘解消ジェルです。」の記載。

そうすると、たとえ、「ぬる」の文字が多義語であるとしても、本願指定商品中の塗って使用する商品との関係においては、「ぬる」の文字は、単に商品の使用方法である「塗る」を意味するものとして認識されるものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、塗って使用する化粧品・靴クリーム・塗り薬に使用した場合には、商品の使用方法を表示するにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

おって、請求人は、過去の登録例をあげて、それらと同様に本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標の識別性に関する登録の可否の判断は、個別具体的になされるべきものであり、必ずしも過去の判断例に拘束されるべき理由はない。そして、前記したとおり、指定商品中、塗って使用する商品との関係においては、「ぬる」の文字が商品の使用方法を表示するためのものとして、取引上、普通に使用されている実情から、請求人の主張は、採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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