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Trademark Appeal Case

役務の質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−6879(T2004−6879/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「アクアシェイプ」の片仮名文字と「AQUASHAPE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第41類「フィットネスクラブにおけるトレーニングの教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,健康増進のためのトレーニング施設の提供,運動施設の提供」を指定役務として、平成14年9月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『アクアシェイプ』の片仮名文字と『AQUASHAPE』の欧文字を普通に用いられる方法で上下二段に書してなるものであるが、『アクアシェイプ』又は『AQUASHAPE』の文字は、シェイプアップを目的とした水中運動プログラム名としてフィットネスクラブ等の指定役務を取り扱う業界においては普通に使用されているものであるから、これをその指定役務中、前記に相応する役務、例えば『フィットネスクラブのシェイプアップを目的とした水中運動プログラムにおけるトレーニングの教授,シェイプアップを目的とした水中運動プログラムを行うためのトレーニング施設の提供』等について使用するときは、単にその役務の質(内容)、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記したとおり「アクアシェイプ」の片仮名文字と「AQUASHAPE」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、その構成中の前半部の「アクア」及び「AQUA」の各文字は、「水」(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第2版」、株式会社小学館発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」より。)を意味する語として、一般に親しまれ、普通に使用されているものであり、本願指定役務に関連するスポーツ産業の業界においては、「アクアティクス(水上(水中)スポーツ)」、「アクアノーツ(スポーツ潜水システムの一つ。潜水者は特殊なヘルメットを着け、船上または桟橋のボンベから供給される酸素を受けとる。)」、「アクアビクス(水中運動法。健康のための運動の一つで、音楽に合わせて水中でさまざまに身体を動かすもの。アクアロビクスとも。)」、「アクアプレーン(水上スポーツで、モーターボートに引かせて水上を走る波乗り板。)」「アクアラング(水中呼吸器。背中に圧搾空気を詰めたボンベを背負い、その空気を送気管を通して水中で吸うことによって、長時間潜水できるようにした装置。一般名はスキューバ。)」(いずれも株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第2版」より。)のように、水上(水中)で行うスポーツに関連した複合語となることの多い語である。

また、後半部の「シェイプ」及び「SHAPE」の各文字は、「形、格好、姿、体つき。」(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第2版」、株式会社小学館発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」より。)を意味する語として、一般に知られ、親しまれており、特に、該語を構成要素とする「シェイプ・アップ」及び「Shape up」の語は、「美容と健康の増進のために、運動したり、カロリー調整したりして体形を整えること。」を意味する語であるから、本願指定役務に関連するスポーツ産業の業界においては、商品の品質又は役務の質を表示する語として普通に使用されているところ、今日では、「シェイプ」及び「SHAPE」の各文字も、前記「シェイプ・アップ」「Shape up」の語と同義なものとして採択、使用されている実情がある。

そうとすると、「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」の文字よりなる本願商標は、「アクア」と「シェイプ」及び「AQUA」と「SHAPE」を、各々組み合わせた造語であるとしても、本願指定役務の取引者・需要者にとって「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」の語自体からは、「シェイプアップを目的とした水中運動プログラム」のごとき意味合いを理解、認識することは、容易というべきである。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用した場合には、取引者・需要者であれば、「該役務がシェイプアップを目的とした水中運動プログラムを内容とするものである」という役務の質を表わすものとして、これを、直接的に「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」と表現したものであると理解、認識することになるのは、至極自然なことというべきである。

そして、本願指定役務に関連するスポーツ産業の業界においては、「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」の語が原審説示のように「シェイプアップを目的とした水中運動プログラム名」として一般に使用されている実情を、原審において開示された新聞記事情報の例に加え、請求人が提出した甲第18号証の1ないし137のインターネットのホームページ情報等からも、その一端をうかがい知ることができるところである。

したがって、「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」の文字よりなる本願商標をその指定役務中「フィットネスクラブのシェイプアップを目的とした水中運動プログラムにおけるトレーニングの教授,シェイプアップを目的とした水中運動プログラムを行うためのトレーニング施設の提供」等に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前記したように、その役務の質を表わしたものと理解するにとどまり、それをもって自他役務の識別標識とは、認識し得ないものというべきであり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

なお、請求人は、「本願商標は、新聞記事データベースにおける記載事実及びインターネット情報における出願人以外の使用事実からは、スポーツクラブ業界で『シェイプアップを目的とした水中運動プログラム』あるいは『水圧や噴流を利用したトレーニング』の名称として普通に採択、使用されているとはいえない。」旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号列挙のものは通常、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解される(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説(第16版)」参照)。

そして、本願商標「アクアシェイプ」及び「AQUASHAPE」については、上記のとおり、取引者・需要者をして、役務の質を表示したものとして理解するにとどまるものであり、仮に同様の表示を他人が使用していないとしても、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものである。

しかも、「アクアシェイプ」の語は、請求人の提出した甲第18号証の1ないし137のインターネットのホームページ情報を見ても、既に、全国展開型のスポーツクラブであるコナミスポーツ株式会社、株式会社ルネッサンス、株式会社ティップネス等の施設や全国各地のスポーツクラブ、公共施設・団体において「シェイプアップを目的とした水中運動プログラム名」として採択、使用されているものである。

したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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