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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90074(T2005−90074/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4817775号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4817775号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナノテクノス」の片仮名文字と「NANO TEXNOS」の欧文字とを二段に書してなり、平成16年4月30日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年11月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の3件の登録商標を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

(ア)引用登録第2717664号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ナノテックス」の片仮名文字と「NANOTEX」の欧文字とを二段に書してなり、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年8月8日に登録出願、同8年11月29日に設定登録されたものである

(イ)同じく、引用登録第4575829号商標(以下「引用B商標」という。)は、「NANO−TEX」の欧文字を標準文字で書してなり、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年4月9日に登録出願、同14年6月7日に設定登録されたものである。

(ウ)同じく、引用登録第4603941号商標(以下「引用C商標」という。)は、「NANO−TEX」の欧文字を標準文字で書してなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年6月8日に登録出願、同14年9月13日に設定登録されたものである。

(以下、これらをまとめていうときには、「引用各商標」という。)

したがって、本件商標は、引用各商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)申立人「ナノテックス エルエルシー」(以下「ナノテックス社」という。)」は、世界で最初にナノテクノロジー(ナノ[10億分の1メートル]の領域で原子、分子を操作し、物質の改善を図るもの。)を繊維に応用した企業であり、この開発した技術を他社にライセンスし、このライセンス料を主な収益とする会社である。

そして、ナノテックス社の「NANO−TEX」商標は、我が国においても数多くのライセンス先企業、例えば、イトーヨーカ堂、ユニチカグループ、東海染工等の企業を介して、「NANO−TEX」商標を付した商品の宣伝・広告が大々的に行い、その結果、本件商標の登録出願時(平成16年4月30日)に、繊維業界において、申立人の業務に係る商品を指称する商標として周知となっていたことは明らかである。

してみれば、申立人の「NANO−TEX」商標と実質的に同一の文字構成「NANO TEX」を含む本件商標を、その指定商品に使用する場合は、当該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、商標法第43条の3第2項よって、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、前記したとおり、「ナノテクノス」の片仮名文字と「NANO TEXNOS」の欧文字とを二段に書した構成よりなるところ、該構成各文字は、ともに一連に同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で視覚上もまとまりよく一体的に表してなるものであり、加えて、本件商標のごとく、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成からなる商標は、その片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼と見るのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、その構成各文字に相応して、無理なく「ナノテクノス」の自然の称呼を生ずるものである。

他方、引用A商標は、「ナノテックス」の片仮名文字と「NANOTEX」の欧文字とを二段に書してなるところ、前述のとおり、その構成中の上段の片仮名文字部分は、欧文字部分の読みを特定したものと容易に理解されるものであるから、全体の構成文字に相応して、「ナノテクッス」の称呼を生ずるものである。

また、引用B商標及び引用C商標は、それぞれ「NANO−TEX」の欧文字を標準文字で表してなるから、それぞれ「ナノテックス」の称呼を生ずること明らかである。

そこで、本件商標より生ずる「ナノテクノス」の称呼と、引用各商標より生ずる「ナノテックス」の称呼とを比較するに、両商標は、語頭部の「ナノ」の音と語尾の「ス」の音を共通にするとしても、第3音以下の中間音において、「テクノ」と「テック」の音に明確な差異を有するばかりでなく、後者の「テック」の音は、促音を伴う関係で、それ自体強音として発音・聴取されることから、両称呼の音構成上におけるこれらの差異が全体の称呼に与える影響は決して少さいとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違し、称呼上相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。

さらに、本件商標と引用各商標とは、特定の観念を生じ得ない造語よりなるものであるから、両商標は、観念上比較すべくもない。また、両商標は、それぞれの構成より見て、外観上も十分に区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用各商標は、その称呼、外観及び観念のいずれよりしても、十分に区別し得る商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人が引用する商標は、「ナノテックス加工を施した繊維素材」について使用されているものと認められる。

そして、甲第4号証ないし甲第7号証及び甲第9号証の新聞記事情報によれば、その使用商品は、専ら、「ナノテク衣料」(甲第4号証及び甲第5号証)、「ナノテク素材」(甲第4号証)、「ナノテク繊維」(甲第4号証)、「ナノテク服」(甲第6号証)、「ナノ加工」(甲第7号証)のように指称されて使用されている事実は認められるものの、申立人の商標「NANO−TEX」自体の使用は明らかでなく、むしろ「nano−tex」(甲第5号証、甲第10号証)のような態様であまり目立たない程度に表示されているものである。

そうとすると、甲各号証の使用例又は甲各号証の全体を精査して見ても、申立人の商標「NANO−TEX」の著名性を証するに足りる十分な証拠とはいえないものというのが相当である。

確かに、申立人主張のごとく、本件商標の綴り字中の「NANO TEX」の欧文字部分のみに着目すれば、申立人の商標「NANO−TEX」の綴り字と一致するものではあるが、本件商標の全体構成からみれば、当該「NANO TEX」の文字は、その構成中に埋没しており、その構成上よりして「NANO TEX」と「NOS」とに分離して看取されると見ることは、むしろ不自然であって、一連一体の一語としてとらえられるというべきである。

加えて、上記認定のとおり、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれから見ても、別異の商標といわざるを得ないから、本件商標をその指定商品について使用をしても、これに接する取引者、需要者が、引用各商標を直ちに連想又は想起するものとは認め難く、その商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。

よって、本件商標は結論のとおり決定する。

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