Trademark Appeal Case
著名図形商標の不正登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90269(T2004−90269/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4745847号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成15年6月20日に登録出願、別掲1のとおりの「猫の図形」よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年2月6日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同7号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。
第3 本件商標に対する取消理由(要旨)
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の主張の趣旨及び甲第1号証ないし甲第8号証によれば、次の事実が認められる。
1 申立人は、本件商標とほぼ同一といえる「猫の図形」よりなる商標を、以下のとおり所有している。
(1)別掲1のとおりの構成よりなる、アメリカ合衆国商標登録第2440358号商標(2001年4月3日登録 指定商品 国際分類第25類)(甲第2号証)
(2)別掲1のとおりの構成よりなる、同商標登録第2538563号商標(2002年2月12日登録 指定商品 国際分類第18類)(甲第3号証)
(3)別掲2のとおりの構成よりなる、同商標登録第2429559号商標(2001年2月20日登録 指定商品 国際分類第25類)(甲第4号証)
(4)別掲2のとおりの構成よりなる、同商標登録第2541251号商標(2002年2月19日登録 指定商品 国際分類第18類)(甲第5号証)
(以下、これらを一括して「引用商標」という。)
2 引用商標の著名性について
申立人(ファット ファッションズ エルエルシー)は、ヒップホップ界の実力者として世界的に有名な「ラッセル・シモンズ」により創立された男性向けファッションブランド「Phat Farm」及び女性ラインである「Baby Phat」を擁する企業であり、商標「Baby Phat」を平成7年(1995年)12月31日に採択し、ニューヨーク・コレクションの2002年の春夏コレクションでデザインの発表を行い、その後も同イベントの常連として継続的に商品を送り出してきた(甲第6号証)。その結果、同ブランドは、アメリカ合衆国のみならず、我が国においても、近年高い人気を博するようになった(甲第7号証)。
引用商標は、このような人気ブランドの顔であり、日本のオンラインショッピングサイトの書き込みにも、2002年6月21日の時点において「Baby Phat」のブランドが、「猫のロゴマークで只今女性に大ブレーク中のHIPーHOP系のブランド」との紹介記事が掲載されている(甲第8号証)ことから、本件商標の登録出願時である平成15年(2003年)6月20日及び登録査定時である同16年(2004年)1月7日において、既に我が国を含む世界中の需要者、取引者に広く知られるに至っているといえるものである。
3 商標法第4条第1項第19号について
(1)本件商標は、申立人の業務に係る被服等のファッション関連商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者、取引者の間に広く認識されている引用商標の「猫の図形」と図形部分において外観上酷似する構成よりなるものである。そして、上記2よりすると、該「猫の図形」は、HIPHOPブランドとして著名な「PHATFARM」のレディスブランドとして、2000年に設立された「BABY PHAT」により使用され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、米国の需要者、取引者の間に広く認識されていた事実を認め得るものであり、その著名性は、現在も継続しているとみるのが相当である。
(2)商標権者は、外国のファッションブランドを取り扱う輸入卸売業者である(甲第9号証)。
このように、引用商標が日本国内及び外国で周知であり、引用商標と本件商標とが「猫の図形」において、外観上酷似する構成態様よりなることからすると、商標権者は、本件商標を申立人に高額で売却するため先取り的に登録出願したもの、あるいは、商標権者であることを利用して申立人の商品を日本において販売する代理店契約を強制する目的で登録出願したものと推認し得るところである。
そして、商標権者が申立人に断りもなく本件商標を使用することになれば、本件商標に化体した人気及び信用にフリーライドし、不正な利益を得ることができるであろうことは明白である。
4 以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者、取引者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
第4 商標権者の意見
商標権者は、上記第3の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本件商標についてした上記第3の取消理由は、妥当であって、本件登録は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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