Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−905(T2004−905/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「アセロラ100」の文字を下段に、それに比較して極めて小さな文字で「ヒャク」の文字を「100」の文字部分の上段に書してなり、第32類「アセローラを原料とする清涼飲料,アセローラを原料とする果実飲料」を指定商品として、平成15年4月14日に登録出願されたものである。
2.原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、アセロラ100%を認識させる『アセロラ100』『ヒャク』の文字よりなるものであるから、これをその指定商品中『アセロラが100%のものを使用した飲料』に使用しても、単に商品の品質、原材料、加工、種類を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。また、本願商標は、商品の原材料の『アセロラ』の文字と、商品の記号・符号を認識させる『100』『ヒャク』の文字とで『アセロラ100』と書してなるところ、これは商品の原材料と記号・符号としか理解されないものであるから、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、同法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「アセロラ100」の文字を下段に、それに比較して極めて小さな文字で「ヒャク」の文字を「100」の数字部分の上段に書してなるところ、該構成中、下段前半の「アセロラ」の文字部分は、2002年11月1日株式会社三省堂発行の「コンサイスカタカナ語辞典第2版」によれば、「トロピカルフルーツの一種。実は直径2cm前後の濃赤色で、ビタミンCの含有量はレモンの28倍。ジュースの原料とする。」と記載され、原材料を表示しているものである。また、本願商標の構成中、下段後半の「100」の数字部分は、原材料に使用した果実の果汁含有率が100%であることを容易に認識させるといえるものであり、構成中、上段の「ヒャク」の文字部分は、下段の「100」の数字部分の読みを付記したものとみるのが自然であるから、これ自体が独立して自他商品の識別標識として認識されないものである。
そうすると、本願商標全体からは、原材料であるアセロラの果汁含有率が100%であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
ところで、請求人(出願人)は、意見書及び審判請求の理由において、「アセロラ100」が「アセロラ100%」の意味を認識するものではないから、商品の品質、原材料を表示するものではないと主張する。
しかしながら、「最新・ソフトドリンクス」(平成15年9月20日株式会社光琳発行)の10頁の「果実飲料」の項目中の「果実ジュース」の項目に「果実ジュース/飲料時果汁等含有率100%・・・その他直接飲料/果汁等1%以上10%未満の果汁入り飲料。」と記載されているように、果実飲料の中には、果汁含有率が1%から100%のものが存在するところ、例えば、一般に、果実飲料は、原材料の果汁含有率を100%とすることで、よりコクのあるおいしさや豊かな香りを楽しめる商品となるものであるから、果実飲料を取り扱う業界において、需要者が購入に際して注目すべきところは、原材料となる果実名のほか果汁の含有率といえるものであって、そのような点を考慮し、需要者の目を惹くように、この種の商品のパッケージ上には、原材料となる果実名と「果汁含有率100%」の商品であることを示すため「100」の数字を一緒に記載することが、取引上、普通に行われている実情にあることを、以下にあげる書籍、新聞記事及びインターネットの情報から、窺い知ることができる。
(1)「カゴメ株式会社」のホームページ(http://www1.kagome.co.jp/cgi-bin/products/search.cgi?A=8255)における商品情報の「バレンシアオレンジ100」の説明には、「バレンシアオレンジを贅沢に使用した果汁100%ジュースです。」の記載。
(2)「グリコ乳業株式会社」のホームページ(http://www.glico-dairy.co.jp/product/pruduct_sub.php?pcd=102520)における商品情報の「すっきり/ぶどう/100」の説明には、「ぶどう果汁100%ジュース」の記載。
(3)「カルピス社」のホームページ(http://www.calpis.co.jp/corporate/press/nr0402_10.html)におけるプレスリリースには、「グレープをベースに春の果実ストロベリーをブレンドした春限定『Welch’s』Season〈ストロベリーブレンド100〉−季節限定の新しい100%ミックスジュースシリーズ」の記載。
(4)「スジャータ」のホームページ(http://www.sujahta.co.jp/item/all-products/katei/kate-inryo1.htm)における商品「のむ果実 オレンジ100」の説明には、「天然果汁100%のジュースです。」の記載。
さらに、果実飲料の原材料として「アセロラ」が使用されて、アセロラの果汁含有率が100%であることを表示するために、「アセロラ100」の文字が、取引上、普通に使用されている実情があることを、以下にあげる新聞記事及びインターネットの情報から、窺い知ることができる。
(5)1996年1月19日付け日刊工業新聞社流通サービス新聞には、「大穂製作所、アセロラジュースを生産販売へ。代理店・通販で市場開拓」の見出しのもと、「【北九州】大穂製作所はアセロラジュースの生産販売に乗り出す。・・・早ければ九六年八月からアセロラ一〇〇%のジュース『アセロラ100(仮称)』を発売する。」の記載。
(6)「ケンコーコム/健康メガショップ」のホームページ(http://www.kenko.com/product/item/itm_7721341072.html)における、「ミホミ アセロラ100」の商品説明には、「天然ビタミンCが大変豊富なアセロラ果汁100%を使用した、果実本来のさわやかな酸味が生きた美味しいストレートタイプのジュースです。」の記載。
(7)「沖縄バヤリース」のホームページ(http://www.okinawa-bireleys.co.jp/product/acerola.html)における、「アセロラ100」の商品説明には、「台湾・ブラジル・沖縄と3つの産地の果汁をブレンドしたアセロラストレートか淳100%飲料です。・・・甘味料などの添加は一切しておらず、アセロラのストレート果汁のみを使用しています。」の記載。
(8)「アセロラ倶楽部」のホームページ(http://www.rakuten.co.jp/acerola/450606/)における「アセロラ100」の「内容量」の項目には、「果汁100%」の記載、商品説明には、「沖縄県本部町産アセロラの完熟果汁100%を急速冷凍したものです。」の記載。
以上の使用の実情からすれば、本願商標は、これをその指定商品中、アセロラ果汁含有率100%の果実飲料に使用するときは、商品の原材料、品質を表示したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
また、請求人(出願人)は、「本願商標は『アセロラ』と『100』と分断されることなく、一連の語として認識されるものであり、また、構成中の数字の『100』の文字が飲料類や食品類において記号や符号として理解されることは考えられないものである。」旨主張しているが、「アセロラ」は果汁飲料の原材料の1つとして使用されているものであって、果実飲料を取り扱う業界において、原材料と「100」の数字を一緒に表示することにより、その原材料の果汁含有率100%であることを表すことが、取引上、普通に行われている実情にあることは、前記したとおりであるから、本願商標は構成文字全体で商品の原材料、品質を表示するにすぎないものとみるのが相当であって、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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