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Trademark Appeal Case

標語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−7996(T2004−7996/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「目的をもって始める」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第41類「知識の教授,セミナー・講演会の企画・運営又は開催,録音済み磁気テープ・録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、平成14年11月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『目的をもって物事を始める』の意味合いを認識させる『目的をもって始める』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定役務中、例えば『目的をもって物事を始めるための知識の教授,目的をもって物事を始めるためのセミナーの企画・運営又は開催,目的をもって物事を始めるためのセミナーを内容とする録音済み磁気テープ・録画済み磁気テープの貸与』等、前記文字に係る役務に使用するときは、単に役務の内容、質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「目的をもって始める」の片仮名文字を標準文字で表してなるところ、これに接する取引者、需要者は、原審において説示したように「目的をもって物事を始める」という程の抽象的意味合いを認識、把握すると見て差し支えなく、もって本願の指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)業務の内容と関連づけて認識、理解すると見るのが相当である。

ところで、企業は、その取扱商品、役務や企業イメージに関して、需要者に親しみやすさや好感度、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)などを採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。

そして、これらの中には、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることで、結果的にはその取扱いに係る商品又は役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。

しかして、前記意味合いを看取させるにすぎない本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、それを妨げる何か特別の事情がない限り、この語句の有する前記意味合いから、ごく自然に「目的をもって物事を始める」という役務提供者の企業理念、又は、役務の提供を受ける者の姿勢・心構えを端的に表現した標語(キャッチフレーズ、スローガン)として認識、理解するというべきである。

そして、本願商標について前記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、役務提供者の企業理念又は役務の提供を受ける者の姿勢・心構えを端的に表現した標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型と理解するにとどまり、これ以上に何ら格別顕著なところはなく、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することはできない。

なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定しているが、同法第3条は、自他商品・役務の識別力についての登録要件に関する条項であって、同第1項第6号は、同項各号の総括的規定と解されるものであるから、当審において、本願商標を同法第3条第1項第6号に該当すると判断しても、請求人には、既に意見(自他商品の識別力の有無について)を述べる機会が与えられているので、あらためて拒絶の理由を通知することなく判断した。

よって、結論のとおり審決する。

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