結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31408(T2004−31408/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2197485号商標(以下「本件商標」という。)は、「NALDEC」と「ナルデック」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和62年10月7日に登録出願、第10類「測定機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年12月25日に設定登録され、その後、同11年8月10日に商標権の存続期間の更新の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,これらに類似する商品』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,これらに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、広島県安芸郡府中町新地3番1号ナルデック株式会社であり、答弁書記載の被請求人は、神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号ビステオン・ジャパン株式会社であり、答弁書記載の被請求人は本件の被請求人に該当しない。
なお、乙第3号証は、答弁書記載の被請求人が提出した表示変更登録申請書にすぎず、答弁書記載の被請求人が本件商標の商標権者であることは真偽不明である。
したがって、答弁書は、商標法第50条に規定された被請求人の証明に該当しない。
(2)乙第4号証は、自動車に搭載する多数の機器に付して使用していると主張する。
しかしながら、乙第4号証の作成者、日付は不明であり、また、乙第4号証は、商標権者または使用権者の本件商標の使用を証明するものではない。
(3)乙第5号証は、部品番号「C176−57ーK30−B」の部品をマツダ株式会社に納品していると主張する。
しかしながら、乙第5号証の取引先は「ビステオンジャパンK.K.ヒロシマ」であり、本件の被請求人でもなく、答弁書記載の被請求人の記載とも一致しない。したがって、乙第5号証は、商標権者又は使用権者の本件商標の使用を証明するものではない。
(4)乙第6号証は、「Naldec」が付されていると主張しているが、本件商標の使用は立証されていない。また、乙第6号証の欄外の「ナルデック株式会社」は削除され、欄内は「マツダ(株)」であり、本件商標は、乙第1号証により、平成12年10月17日に本件の被請求人に譲渡されている。したがって、マツダ株式会社は、本件商標に関する権者ではなく、乙第6号証は、商標権者又は使用権者の本件商標の使用を証明するものでもない。
(5)また、乙第7号証は、部品に「Naldec」が付されていると主張しているが、本件商標の使用は立証されていない。
さらに、乙第7号証の撮影場所は、「ビステオン・ジャパン(株)広島工場内」とされており、乙第5号証により納品していると主張する「マツダ株式会社」と矛盾し、乙第5号証の部品に付されていることは立証されていない。
また、乙第7号証の撮影日は、2004年11月29日とされており、本件審判の請求の登録後であり、請求の登録前3年以内の使用の証明にも該当しない。
(6)乙第8号証は、部品の車両搭載状態を示して、「測定機械器具」に相当すると主張する。
しかしながら、乙第8号証の撮影場所は、「広島県 広島産業文化センター 地下駐車場」とされており、乙第5号証により納品していると主張する「マツダ株式会社」と矛盾し、乙第5号証の部品の搭載状態であることは立証されていない。
さらに、乙第8号証のいずれにも部品番号「C176−57ーK30−B」は見えず、また、「Naldec」も見えず、乙第8号証からは、部品の機能は不明であり、乙第5号証の部品の機能は立証されていない。
さらに、乙第8号証の撮影日は、2004年12月6日とされており、本件審判の請求の登録後であり、請求の登録前3年以内の使用の証明にも該当しない。
(7)乙第9号証は、住友電気工業株式会社及び住友電工ブレーキシステムズ株式会社に納品していると主張する。しかしながら、いずれに納品したのか不明である。
また、乙第9号証の宛先は、「ビステオンアジアパシフィック(株)」であり、本件の被請求人でもなく、答弁書記載の被請求人でもない。したがって、乙第9号証は、商標権者又は使用権者の本件商標の使用を証明するものではない。
(8)乙第11号証は、商品に「Naldec」が付されていると主張しているが、本件商標の使用は立証されていない。また、乙第11号証の撮影場所は、「ビステオン・ジャパン(株)広島工場内」とされており、乙第9号証により納品していると主張する「住友電気工業株式会社及び住友電工ブレーキシステムズ株式会社」と矛盾し、該当商品に付されていることも立証されていない。
さらに、乙第11号証の撮影日は、2004年12月8日とされており、本件審判の請求の登録後であり、請求の登録前3年以内の使用の証明にも該当しない。
(9)乙第10号証は、商品が、車輪のロックを防止する機能を有するものであり、「測定機械器具」に相当すると主張する。
しかしながら、まず、乙第10号証の写真符号Pに表された部品番号は、「MD2 8L18B 2 436 0032」であり、乙第9号証の品番「436−0807 MD2」、乙第9号証の写真符号Qに表された部品番号「MD2 4F 02A−2 436−0807」と矛盾し、さらに、乙第10号証から如何に商品の機能が分かるのか不明であり、商品の機能は立証されていない。
さらに、答弁書の被請求人は、同日付けにて提出した取消2004−31406に対する審判事件答弁書の「答弁の理由」において、同一の証拠に基づき、同一の商品を「機械要素」に相当すると主張し、本件の答弁理由の主張と矛盾する。
したがって、答弁理由において主張する商品は不明であり、商品の機能は立証されていない。
なお、乙第10号証の撮影日は、2004年12月8日とされており、本件審判の請求の登録後であり、請求の登録前3年以内の使用の証明にも該当しない。
(10)乙各号証によって明らかなとおり、本件商標は、商標権者によって請求に係る指定商品中の「測定機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていることが証明されているものであると主張する。
しかしながら、上述したように、乙各号証はいずれも、商標法第50条に規定された被請求人の証明に該当しない。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標の商標権者である(乙第1号証及び乙第3号証)。
(2)本件商標は、以下に述べるとおり、商標権者である被請求人によって本件審判の請求の登録前3年以内に請求にかかる指定商品に包含されている「測定機械器具」に使用しているものである。
(3)被請求人は、本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」を自動車に搭載する多数の機器に付して使用している(乙第4号証)。
(4)被請求人は、2004年7月7日付けの「受領日報」(乙第5号証)から明らかなように、部品番号「C176−57ーK30−B」の部品をマツダ株式会社に納品している。
また、2002年2月1日付けの「承認申請図」(乙第6号証)にも、部品番号「C176−57ーK30−B」と本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」が付されている。
「C176−57ーK30−B」の製品写真1(乙第7号証)の写真Aには、部品番号「C176−57ーK30−B」と商標「Naldec」が同一の識別ラベルに付され、 かつ本体に商標「Naldec」が刻印されている。
製品説明写真1(乙第8号証)は、部品番号「C176−57ーK30−B」の部品の車両搭載状態を示している。
この部品は、乗用車に搭載し、自動車用のSRSエアバックシステムに使用し、車両の衝突減速度を計測して、一定値を超えたときにエアバックを展開させるように機能するものであり、「測定機械器具」に相当する。
(5)被請求人は、2004年6月4日付けの「検収結果通知票」(乙第9号証)から明らかなように、品名「MD2」の商品を住友電気工業株式会社及び住友電工ブレーキシステムズ株式会社に納品している。
この商品には、製品写真2(乙第11号証)から明らかなように、本件商標と実質的に同一の商標「Naldec」が付されている。またこの商品は、製品説明写真2(乙第10号証)に示すように、乗用車のブレーキシステムに使用し、車輪速センサーから送られる車両の回転速度を計測して、その値と車体の推定速度を比較して当該車輪のスリップを判定した時にブレーキ油圧を制御することによって車輪のロックを防止する機能を有するものであり、「測定機械器具」に相当する。
(6)上述した乙各号証によって明らかなとおり、本件商標は、商標権者によって請求にかかる指定商品中の「測定機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていることが証明されているものである。
(7)したがって、本件商標は、乙第4号証ないし乙第11号証においても立証されているとおり、本件商標が請求に係る指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していることが明らかであり、商標法第50条の規定により取り消すことのできないものである。
本件に係る答弁書の被請求人欄に記載された者は、「神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号 ビステオン・ジャパン株式会社」である。そして、商標登録原簿によれば、本件商標の設定登録時の商標権者は、「広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社」であったが、平成12年10月17日に同人から「広島県安芸郡府中町新地3番1号 ナルデック株式会社」へ商標権の移転登録がされたものである。そして、前記原簿と乙第3号証とによれば、前記ナルデック株式会社がその名称をビステオン・ジャパン株式会社に変更し、住所を神奈川県横浜市都筑区北山田4丁目25番2号に変更したことが認められる。
してみれば、答弁書の被請求人欄に記載された者は、本件商標権者・被請求人であり、この点に関する請求人の主張は、採用できない。
(1)乙第5号証は、取引先を「ビステオン・ジャパンK.K」とするマツダ株式会社の2004年7月6日付の「受領日報」の写しと認められる。そして、その納品番号「S−A0257−0」欄の部品番号欄には「C176−57ーK30−B」の記載があり、また、受領日欄に「7/6」、指定数、納品数及び受領数の欄には、いずれも「36」との記載がある。
(2)乙第6号証は、SASユニットに係る「承認申請図」の写しと認められるところ、同図面中には、右上部に、ユニットの図示があり、そこには「Naldec」が表記されている。また、中央下部には、部品番号として「C176−57K30−B」が記載され、さらに、左やや下の「DETAIL OF CAUTION LABEL」には「エアバック用クラッシュ・センサー」との表示を認めることができる。
そして、右下の受領印には、各担当者のサインとともに、「2002.2.07」「マツダ株式会社」の表示、さらに、枠外には「ナルデック株式会社」の表示(見え消し線がある。)が認められる。
(3)乙第7号証は、製品の写真と認められるところ、写真Aの製品の外装には「Naldec」が刻印されており、部品番号として「C176 57K30 B」の表示及び「Naldec」の表示があることを確認し得るものである。写真Bの製品内部の回路基盤にも「Naldec」表示がある。
また、写真Dには、現品ラベル(出荷カード)が写っており、それには、部品番号として「C176−57ーK30B」、受注者として「ビステオン・ジャパンK.K」が表示されている。
(4)なお、乙第8号証は、前記商品の車両搭載状態を示す写真として提出されたものであるが、これによっては、使用に係る商標及び商品は明確ではない。
本件商標は、「NALDEC」及び「ナルデック」の文字を上下二段に横書きしたものであるのに対し、使用商標は、「Naldec」の文字を横書きに表したものである。しかして、両者は外観においては異なるけれども、構成欧文字の綴り字を同じにし、かつ、これらより生ずる称呼「ナルデック」を同じにするものであり、また、観念上での変動はないものである。
してみれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えないものである。
さらに、使用商品は、被請求人の主張及び乙各号証より、車両の衝突減速度を計測して一定値を超えたときにエアバックを展開させるように機能する機器であり、本件商標の指定商品中の「測定機械器具」に属すべき機器の一と認められるものである。
そうしてみると、前記2の承認申請図及び写真Dをもあわせみれば、被請求人を受注者として「C176−57ーK30B」なる製品の発注があったこと、そして、前記2における部品番号の共通性から見て、本件商標を付した上記商品が、本件審判の請求の登録前3年以内の時期である平成16年7月6日に、被請求人からマツダ株式会社に納品されたことを推認し得るものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。