Trademark Appeal Case
称呼類似と母音変化
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第15640号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙(1)に表示した構成よりなるものであって、旧第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成1年7月7日に登録出願されたものである。
2 当審における引用商標
これに対し、当審においてあらたに本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2134190号商標(以下「引用商標」という)は、別紙(2)に表示した構成よりなるものであって、旧第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、昭和61年4月24日に登録出願され、平成1年4月28日に設定登録され、平成11年5月25日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記した構成よりなるところ、上段部は、欧文字をデザイン化してなるものであって、一番目の文字「E」と二番目の文字「D」との間を斜め白抜きに縦長平行四辺形状に間隔を空け、この白抜き部分の上方に、これと同一幅で赤色の縦長平行四辺形を配してなり、この白抜き縦長平行四辺形状部分と赤色平行四辺形部分は、欧文字「i」をデザイン化して配した印象を与えるものであり、上段部分は、全体として欧文字「EiDEN」をデザイン化したものと看取され、また、下段部には赤色の四角形内に「エイデン」の文字を配してなるものであるから、本願商標からは、全体として「エイデン」の称呼が生ずるものである。
これに対し引用商標は、三重の円よりなる図形の左部に欧文字の「A」を、右部に欧文字の「DEN」を配してなるもので、これを一体に把握して、ローマ字式あるいは英語風に発音した場合には「アデン」と称呼されることは否定し得るものではないが、引用商標は、前記した構成であることから、これらの欧文字部分が必ずしも一連に称呼されるとはいいえず、その場合、「A」の部分がアルファベットの発音にしたがって「エー」と称呼され、また、「DEN」の部分が「デン」と称呼されることで、全体として「エーデン」と称呼されることもあるというべきである。
なお、この点に関し、請求人は、引用商標の「DEN」の文字を「デン」と英語読みするのであれば、全体として「アデン」という称呼のみが生じる。「DEN」を「ディーイーエヌ」と称呼するのでない以上「A」を「エー」と発音することはなく、引用商標からは「エーデン」の称呼は生じない旨主張している。
しかしながら、引用商標の構成は、欧文字部分が一体的に把握される構成とはいえず、「ADEN」の欧文字についてみても、これが、日常的に親しまれて使用されている語ということもできず、また、電子メールを意味する「EMAIL」が「イイメール」と呼ばれている例に照らしても、かかる構成の引用商標が「エーデン」と称呼されることも決して少なくないとみるのが相当であって、これが「アデン」とのみ称呼されるとの請求人の主張は採用できない。
そこで、本願商標から生ずる「エイデン」の称呼と、引用商標から生ずる「エーデン」の称呼とを比較するに、両者は、「エ」、「デ」、「ン」の各音を共通にし、その異なるところは、第2音の「イ」と長音との差にすぎないものである。しかして、差異音中、「イ」[i]の音は、前音「エ」[e]との二重母音[ei]になる関係上、「エ」[e]の音に転化し、前音「エ」[e]の長音として発音されることが少なくないものである。
そうとすれば、「イ」と長音との差異は、微差にとどまるものといわざるを得ないから、両者をそれぞれ一連に称呼するときには、彼此相紛れるおそれがある類似のものといわなければならない。
また、本願商標と引用商標とは、観念において両者を識別することができる特別な事情も見受けられず、互いの外観上の差異を考慮しても、なお、その称呼において類似する商標であって、指定商品も同一又は類似するから、結局、本願商標は、商標法第4条第1頃第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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