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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31486(T2004−31486/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1851524号商標の指定商品中第10類「測定機械器具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1851524号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和58年8月10日に登録出願、「AMC」の欧文字を横書きしてなり、第10類「測定機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同61年3月26日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証(商標原簿及び商標公報)を提出した。

本件商標は、指定商品中の「測定機械器具」につき、継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。

加えて、本件商標について、専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の指定商品中、上記商品につき、登録取消審判を請求する。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出した。

本件商標は、1983年に登録され、当初、誘導単位計量器に該当する超微量のイオン分析の自動資料濃縮装置の識別商標として使用された。つまり、IC、LSIなど半導体の洗浄水として使用される超純水中のイオン濃度モニタとして使用されていたが、現在は更に適用範囲に広がりを持ち、被請求人が得意とするプラント計装に装備された自動化オンライン装置の各センサ群から収拾された検出データが収集、診断、表示されるプログラムが収納される保守専用の計測機器の識別略称として使用されている。例として、環境監視データとして定期的に監視しているデータは、センサは温度、湿度をはじめとして、接地抵抗、絶縁抵抗など最大7種類までの環境監視機能が搭載される。

添付の2003年、2004年の季報として継続的に被請求人が発行している横河技報にも、その適用例が記載されていて、現在も横河電機(株)の識別商標として使用されている。

因みに、使用説明書第3号として添付のカタログには、商標AMCは、定期的に、環境診断データ(温度、湿度、塵挨等)やシステムデータを収集蓄積します、との記載があり、現に登録以来若干の変遷はあるが、有効な識別商標であることに変わりはない。

なお、各種検出端として使用される現場測定器は、単独で商取引されることもあるが、むしろ数量の多い取引は、システムものとして、プラント装置一式の中に組み込まれ、本件商標名で通常取引されており、そのシステム内での識別商標として大きな役割を果たしている。

更に、使用説明書第1号及び第2号に係る情報は、被請求人のインターネットホームページ上(http//www.yokogawa.co.jp)でも開示されており、本件商標名でもって検索することで、誰もが容易に情報を得ることができる。故に、請求人が主張する3年以内に継続し使用されていないという根拠はないものである。

以上述べた通り、本件商標は、現在も請求に係る指定商品について使用中であり、請求人の主張によって取消されなければならない理由はない。

4 当審の判断

(1)商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明するか、又は、使用していないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取り消しを免れない。

(2)そこで、被請求人が提出した乙各号証をみるに、乙第1号証は、被請求人の発行に係る「2003年版の横河技報Vol.47No.1」であり、該技報に掲載されている「CENTUM CS/CS3000/CS1000 オンライン診断サービス」と題する文献には次のように記載されている。

(ア)「1.はじめに」の項には、「昨今のプラント計装は、当社製品であるCENTUMに代表されるように、DCSを中心としたデジタル計装がほとんどである。DCSは1970年代から徐々に計装に組み込まれてきたが、コンピュータの発達とともにその機能や信頼性の向上には目を見張るものがある。しかし、いくら信頼性が向上したとはいえ、トラブルが皆無となった訳ではない。むしろ集積度の拡大、ソフトウェアの膨張、機能の複雑化などにより、一旦トラブルが発生するとその修復が非常に困難となる場合が少なくない。そこで、いかに早く修復を行い、プラントの操業停止時間を最短に抑えるかがメンテナンス技術に求められる。この様な背景に後押しされる形で、リモートメンテナンスという保全形態が1980年後半から登場した。初期のリモートメンテナンスは、事後保全を中心としたものであり、何らかの故障が発生した時点で、故障情報の収集と回復処置を行う形態であった。ところが、DCSの信頼性向上とそれに伴う故障率の低下により事後保全を主体としたリモートメンテナンスの必要性が低下し、代わりとして長期安定稼働を維持するための予防保全や、予知保全に対するニーズが高まってきた。この様なニーズに応えるべく、当社の新たなリモートメンテナンス機能『オンライン診断サービス』を開発した。『オンライン診断サービス』は、当社の新保全契約『BEST2(ベストツー)』にて提供・販売している。」旨記載されている。

(イ)そして、このオンライン診断サービスを紹介する冒頭の要約文には、「当社のDCSであるCENTUM CS/CS3000/CS1000に対し、保全のためのソリューションとしてオンライン診断サービスを開発した。オンライン診断サービスは、CENTUMの稼働情報と環境情報とを24時間常時監視し、瞬間的な異常、正常を診断するとともに、取得した情報を組み合わせ解析することで有寿命部品の交換周期や点検周期を予測する。オンライン診断サービスは、専用のマルチセンサユニツト、そのセンサユニットおよびCENTUMからのデータ収集を行う保守専用PC、横河レスポンスセンタの3部分から構成される。なお、保守専用PCは、AMC(Advanced Management Console)と呼ばれるオンライン診断サービスのプラットフォームであり、緊急保守を含むリモートメンテナンスの接続口となる。」と記載されている。

(ウ)また、オンライン診断サービスシステムの説明においては、次のように記載されている。

「2.1 システム構成」の項においては、「現在のオンライン診断サービスは、CENTUM CS/CS3000/CS1000を対象としている。オンライン診断サービスでは、CENTUM自身が持つエラー履歴、動作情報など(以降では、CENTUM機能監視データと呼ぶ)と、CENTUMを取り巻く環境情報(以降では、環境監視データと呼ぶ)をAMC(Advanced Management Console)に収集、保存する。AMCと横河レスポンスセンタ(RC)とは公衆回線を介してリモート接続され、CENTUMのリモート保守やAMCからRCへのオンライン診断データの転送に使用する。・・・」と記載されており、また、「2.2 AMCの機能」の項においては、「AMCは、監視診断およびRMS(Remote Maintenance Support system)のフロントエンドの役割を持った保守専用のPCである。AMCには、リモートメンテナンスの際に使用する緊急保守機能とオンライン診断サービスを実行するための稼動状態監視診断機能とが搭載される。稼動状態監視診断機能は、データ収集プログラム、診断アルゴリズム、データ表示プログラム等から構成される。AMCとCENTUMとはEthernetで接続されており、AMC上のデータ収集プログラムが、定周期でCENTUMの各ステーションから機能監視データを収集する。・・・」と記載されており、更に、「2.3 ODUの機能」の項においては、「環境監視データを収集するために、オンライン診断ユニット(ODU)が使用される。ODUは親局と予局とが存在し、CENTUMのステーション設置状況に応じて子局が分散配置される。・・・AMCはODU親局を介して各ODU子局から環境監視データを定期的に収集する。ODU子局は、CPU、メモリなどのインテリジェンス部と環境測定のための複数のセンサ部とに分けることができる。センサは温度、湿度をはじめとして、接触抵抗、絶縁抵抗など最大7種類までの環境監視機能が搭載できる。」と記載されている。

(エ)ちなみに、東洋経済新報社発行の「現代商品大辞典 新商品版(昭和61年10月18日発行)」によれば、DCSとは、「distributed control system」の略語であり、「分散形計装制御システム」を表すものであって、1980年代に入り鉄鋼、電力、石油、化学、水道等の基幹産業を中心に急速に普及し、今日ではプロセス計装制御システム生産高の過半数をDCSが占めつつある旨記載されている。

(3)上記において認定したところによれば、当該オンライン診断サービスシステムは、専用のマルチセンサユニツト、そのセンサユニットおよびCENTUMからのデータ収集を行う保守専用PC、横河レスポンスセンタの3部分から構成されているものであり、CENTUMの稼働情報と環境情報とを24時間常時監視し、瞬間的な異常、正常を診断するとともに、取得した情報を組み合わせ解析することで有寿命部品の交換周期や点検周期を予測するシステム(装置)であり、プラント装置の長期安定稼働を維持するための予防保全を目的としているものと認められる。

そして、該システム(装置)の中の保守専用PC(パソコン)が「AMC(Advanced Management Console)」と名付けているものと認められる。そのAMCと名付けられている保守専用PC(パソコン)には、リモートメンテナンスの際に使用する緊急保守機能とオンライン診断サービスを実行するための稼動状態監視診断機能とが搭載されており、環境監視データを収集するために、オンライン診断ユニット(ODU)と称される機器が使用されている。AMCと名付けられている保守専用PC(パソコン)は、ODU親局を介して各ODU子局から環境監視データを定期的に収集しており、そのODU子局は、CPU、メモリなどのインテリジェンス部と環境測定のための複数のセンサ部とを有し、センサは、温度、湿度をはじめとして、接触抵抗、絶縁抵抗など最大7種類までの環境監視機能が搭載されているものと認められる。

そうとすれば、当該オンライン診断サービスシステム(装置)の中に、環境測定のための複数のセンサ部を有するとしても、測定すること自体が当該オンライン診断サービスシステム(装置)の目的でないことは明らかであるから、当該オンライン診断サービスシステム(装置)を測定機械器具とみることはできず、該システム(装置)自体が「AMC」と称されている事実もない。また、該センサ部にしても、あくまでも、該システム(装置)に組み込まれている機器であって、該システム(装置)を離れ独立して機能している商品とは認められない。加えて、当該システムの中で、センサ部はODU子局と称される部分の中にある機器であり、該センサ部が「AMC」と称されている事実も見当たらない。そして、該システム(装置)において、唯一「AMC」と称されている機器部分は、保守専用PC(パソコン)の部分であり、この保守専用PC(パソコン)が各ODU子局から環境監視データを定期的に収集しているとしても、そのことの故に、保守専用PC(パソコン)を測定機械器具とみることができないことは明らかなところである。

してみれば、「AMC」の文字からなる本件商標が使用されている商品は、コンピュータを利用したオンライン診断サービスシステム(装置)の一構成装置であり、電子応用機械器具に属する「保守専用PC(パソコン)」と認められるものであるから、取消請求に係る「測定機械器具」の概念に属する商品ではなく、本件商標は、その保守専用PC(パソコン)の名称として用いられているにすぎないものである。

(4)また、乙第2号証はYokogawaレスポンスセンターに関する記事であり、乙第3号証はライフサイクルソリューションプログラムにおけるIPS提供サービスの紹介に関するカタログであって、いずれも、オンライン診断サービスに関する記事である。そして、オンライン診断サービスの内容は、乙第1号証のものとは異なるとしても、「AMC」と表示されている機器は、乙第1号証と同様のものと認められるものであって、PC(パソコン)の名称として用いられているものであり、「AMC」の文字からなる商標が「測定機械器具」について使用されているものとは認められない。

(5)この点について、被請求人は、各種検出端として使用される現場測定器は単独でも商取引されることがある旨の主張もしているが、上記のとおり、該現場測定器は、ODU子局と称される部分の中にある機器と認められるものであり、「AMC」と称されているものとは認められないから、該機器が単独で商取引されているとしても、「AMC」の文字からなる商標が「測定機械器具」について使用されていることを証明することには繋がらない。

(6)してみれば、被請求人の答弁の全趣旨及び乙号各証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判請求の登録(平成16年12月6日)前3年以内に、日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定商品「測定機械器具」について使用されていなかったものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「測定機械器具」について取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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