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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−14319(T2002−14319/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年5月24日に登録出願、その後、指定商品については、同17年9月20日付けの手続補正書により、第30類「チョコレート菓子,ココア」に補正されたものである。

なお、平成15年2月28日付けの手続補正書による指定商品の補正については、当審において、同17年8月1日付けで補正の却下の決定をし、同月22日、その謄本を請求人に送達したところ、その決定は確定したものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『Mousse』の文字を筆記体で未だ特殊とも思われない方法で表示してなるところ、この文字は、『泡立てたクリーム、泡立てたクリームを混ぜて作った料理・菓子』の意味を有するから、これを指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、菓子及びパン、アイスクリームのもと)』について使用するときは、単に商品がムースを使用したものであること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.本願商標の構成態様について

本願商標は、別掲のとおり、右上がりに傾斜をつけ筆記体風に表してなるとしても、いまだ欧文字「mousse」を表したものと容易に看取させるものであるから、普通に用いられる方法で表示する範囲内の標章というのが相当である。

これに対して、請求人は、本願商標は従来にはない独自のロゴタイプで表現されていることから、初めてこれに接する需要者は判読できず、ただ、独特の曲線で構成された図形であるとの印象を受けるものである旨主張するが、近時、商品の広告、宣伝等において、レタリング文字の使用形態の多様化が進展している実情に照らせば、上述のとおり、本願商標の構成は全体として、「mousse」の綴りを容易に判読できる範囲内のものであるというのが相当であるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

2.商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標を構成する「mousse」の文字(語)は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「ピューレ状にした材料に泡立てた生クリーム・卵白などを加えて、口当りがなめらかで、ふんわりとした感じに仕上げた料理・菓子。」(広辞苑第5版)を意味する「ムース」のフランス語として親しまれているものであり、このことは、例えば、請求人の提出に係る甲第1号証の2に、ムース系として分類されたチョコレート菓子が掲載されており、その中に、「Mousse」の欧文字を商品の外箱に表示してなるものがあることからも明らかである。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が「ムース状に仕上げた商品」であることを表示したものと理解、認識するに止まるといえるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。また、本願商標をその指定商品中「ムース状に仕上げた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3.商標法第3条第2項の適用について

請求人は、莫大な費用を投入して、本願商標を付した商品を宣伝広告した結果、需要者の間において広く認識されるに至ったものであるから、本願商標は、自他商品の識別力を有するに至ったというべきである旨主張し、証拠として、原審において提出した甲第1号証ないし甲第37号証(枝番のあるものは枝番を含む。)を援用した。

そこで、請求人が提出した甲各号証(枝番のあるものは枝番を含む。)における本願商標の使用状況をみるに、本願商標が商品「チョコレート菓子及びココア」に使用されていたことは認められるものの、その使用はすべて、請求人の代表的出所標識(ハウスマーク)である「Glico」の文字や、請求人がチョコレート菓子に使用して著名な「Pocky」の文字を含む他の文字とともに使用されているものであるから、これらの使用からは本願商標のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を備えるに至ったものと認めるに足りるものとはいうことができない。

してみれば、提出された全証拠によって、本願商標が商品「チョコレート菓子及びココア」に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとすることはできない。

したがって、請求人のこの点に関する主張も採用できない。

4.むすび

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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