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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31381(T2004−31381/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4504199号商標の第9類「電子応用機械器具及びその部品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4504199号商標(以下「本件商標」という。)は、2000年7月18日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年1月17日に登録出願、「OPTIGO」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「非接触三次元測定機,その他の測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年9月7日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。

本件商標は、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。

(1)被請求人は、1994年設立の産業用測定システムや3D画像測定機器の開発、製造等を行うイスラエルの会社であり、我国においては、被請求人が開発した非接触三次元測定機「OPTIGO」の独占販売契約を株式会社東京精密と2000年2月に締結し、今日に至るものである(乙第1号証及び同第2号証)。

(2)本件商標が使用されている商品は、被請求人が新規に開発した光学系とコンピュータ処理ステムを備えた全く新しい概念の非接触三次元測定機である。

そして、本件商標の商品は、1999年9月からOptigo導入リスト(乙第3号証)に表示されているように、我国有数の自動車、自動二輪車製造の会社に販売されている。

本件商標「OPTIGO」が使用されている商品は、非接触三次元測定機として広く市販されているが、当該商品の構成機構は、複数のデジタルカメラ又はアナログカメラ等により、自動車またはその部品等の被写体の二次元画像を情報として該装置内に取り込み、この情報を装置内蔵のコンピュータにより画像処理して、当該被写物体の三次元画像を構築し、被写体の立体画像をディスプレイに表示する機械器具装置である。装置の測定部分自体としては、被写体を撮像する複数のカメラを備える程度であるが、その機能の肝要な部分は、コンピュータによる二次元画像情報を3次元画像である立体画像に変換処理するところにあり、電子の作用が機械器具の機能の面で本質的な要素となっているものであり、電子応用機械器具に含まれるものである。この点は、例えば、乙第4号証で示す商標登録第4411249号の指定商品「電子応用三次元画像処理装置」(商品区分9類)の商品と同一範疇に入る商品であり、本件商標が使用されている商品は、電子応用三次元画像処理装置の一種ということができ、電子応用機械器具に含まれるものである。

さらに、本件商標の非接触三次元測定機においては、測定データとCADデータを比較するためのCAD用コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体等も「OPTIGO」付属部品として、本件商標のもとに販売されているものであり、その事実を(株)東京精密のホームページ中の製品紹介の「OPTIGO」の項(乙第5号証)にて証明する。

すなわち、この頁の「OPTIG0 200」の欄には、「制御キャビネット(コンピュータ含む)」「ソフトウェア/3D形状点群データ(=COP)の取り込み、CADデータ入力」及び「オプションソフトウエア/COP・CAD解析」等の表示があり、これにより、種々のソフトウェアが本体測定機器と一体として、又は、オプションソフトウエア(追加商品)として、本件商標のもとに2000年2月から販売されていることが明らかである。更に、同ホームページより検索した「Optigo」のカタログ(乙第6号証)中にも、その仕様の欄に同様の記載が見られる。

また、「Cogni Tens」社の「Optigo」に関する価格表を乙第7号証として提出するが、そこには、「Hardware options for Measurement Products」及び「Software options」の欄が設けられ、種々のハードウェア、ソフトウェアなどの電子計算機用プログラムの価格が表示されている。

以上のことから、商標「OPTIGO」は、商標権者である被請求人により、本件審判請求前継続して3年以上日本国内において、商品「電子応用機械器具及びその部品」に使用されていることが証明されるものである。

以上述べたように、被請求人は、我国において、2000年より現在に至る迄、本件商標を「電子応用機械器具及びその部品」に使用しているものであるから、本件審判請求は、成り立たない。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙第1号証(2000年2月8日付のニュースリリース)、乙第2号証(日経デジタルエンジニアリングの2000年2月28日号ホームページ)、乙第3号証(Optigo導入リスト)、乙第5号証及び同第6号証(いずれも株式会社東京精密のホームページ)、そして、乙第7号証(Optigo International Price list January 2004)を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成16年11月10日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を「非接触三次元測定機」(以下「本件使用商品」という。)について使用していたことを認めることができる。

しかしながら、本件使用商品は、取消請求に係る「電子応用機械器具及びその部品」の概念に属する商品ではなく、「測定機械器具」の概念に属する商品とみるのが相当である。

ところで、特許庁商標課編集、社団法人発明協会発行の「商品及び役務区分解説」(平成8年12月25日改訂第3版)によれば、第9類の「測定機械器具」の解説として、「この概念には、電子の作用が機械器具の機能の面で本質的な要素となっているようなもの、例えば、『超音波応用測深器』『ガイガー計数器』等は含まれず、これらは本類の電子応用機械器具及びその部品に含まれる。更に、電気又は磁気により測定するものはこの概念に属するが、電気の単位又は磁気の単位を測定するものは、本類の電気磁気測定器に含まれる。また、医療用のものは第10類の医療用機械器具に属する。」と記載されており、また、測定機械器具に属する「自動調節機械器具」の解説には、「“オートメーション装置”といわれるものである。これらは、主体が測定機械器具なので、この概念に属することとなる。ただし、遠隔の地にある機械を自動調節するものは、“電気通信機械器具”の方が主体となるので、この概念には含まれず、本類の電気通信機械器具に属する。」と解説されている。

一方、同じく第9類の「電子応用機械器具及びその部品」の解説としては、「いわゆる“電気機械器具”が、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけを含むのに対して、この概念には、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる。ただし、“電気通信機械器具”は、何らかの形(例えば、「大規模集積回路」)で電子の作用を応用しているものも多いが、電気通信機械器具という概念がある以上、電子応用機械器具には含まれない。また、医療用のものとしては、例えば、『医療用X線装置』はこの概念から除かれ、第10類の医療用機械器具に属する。」と記載されている。

なお、ちなみに「現代商品大辞典 新商品版」(東洋経済新報社 昭和61年10月18日発行)の分類によれば、「

3

(ただし、ローマ数字表記は算用数字表記に置き換え、かつ、下線を施した。以下同様) エレクトロニクス・情報機器」の大概念のもとには、「電子測定器(従来型の電気磁気測定器の新商品として解説されている)、通信機器、コンピュータ、電子応用装置、OA関連機器、電子部品」等の商品が分類されており、「

4

メカトロニクス機器」の大概念のもとには、「工作機械、産業機械、精密機器・計測機器」等の各種商品が分類されている。そして、「三次元測定機」は、この「精密機器・計測機器」の概念下の「精密測定器」に属する商品の一つとして位置づけられている。その解説によれば、「正式には三次元座標測定機と呼ばれ、物体の寸法を3次元的に測定する装置である。すなわち、縦、横および高さの互いに直角に配置された三軸にそれぞれスケールが内蔵され、これらの軸に沿って案内されるプローブ(検出子)を測定箇所に接触させ、そのときの3つのスケールの値を読み取ることによって3次元の座標値を得るものである。測定範囲は、1辺が数十cmの小型のものから自動車の実物大モデルなどを測定する数m以上に及ぶ大型のものまである。高精度のものは1μm程度の正確さをもつ。案内機構によって門型構造、片持梁構造のものに大別されるが、ほかに多関節形などの変種がある。普通用いられるプローブはタッチ信号プローブと呼ばれるもので、先端が球状であって接触によってわずかでもこれに力が加わるとスイッチが閉じて電気信号を出す仕組である。光などを用いた非接触プローブも開発されつつある。現在ほとんどの機種にマイクロコンピュータが内蔵され複雑な形状の測定が自動的にできるようになり、汎用・万能測定機として広く用いられている.〔製造会社〕新日本工機、東京精密、東京測範、日本光学工業、三豊製作所など」とある。

そこで、本件使用商品についてみるに、乙第1号証(2000年2月8日付のニュースリリース)によれば、「CogniTens社は、3D画像測定機器の開発・製造等を行うベンチャー企業であり、今般ポータブル非接触三次元測定機『OPTIGOシリーズ』を開発した。この『OPTIGOシリーズ』は、新たに考案された光学系とデータ処理システムを備えたまったく新しいコンセプトの三次元測定機で、主として自動車のドア・バンパー等を始めとする大型部品の曲面形状データを1ショット1秒という極めて短い時間で取り込むことが可能である。また、独自のマッピング処理により複数ショットを要する大型部品でも累積誤差が発生せず、非常に高精度な測定を可能としている。更に曲面上の穴径や穴ピッチの算出機能も有し、プレス成型品等の薄板ワークの測定評価にも威力を発揮する。『OPTIGOシリーズ』は、こうした大型部品を高速、高精度に測定できるという画期的な三次元測定機である。」旨記載されており、乙第2号証(日経デジタルエンジニアリングの2000年2月28日号ホームページ)においても、同趣旨の記事が掲載されている。

この点について、被請求人は、本件使用商品の測定部分自体としては被写体を撮像する複数のカメラを備える程度であり、その機能の肝要な部分は、コンピュータによる二次元画像情報を3次元画像である立体画像に変換処理するところにあり、電子の作用が機械器具の機能の面で本質的な要素となっているものであるから、本件使用商品は、電子応用機械器具に含まれるものである旨主張している。

確かに、近年における工作機械器具をはじめ各種の精密機器、計測機器、医療用機器等々には、電子技術を利用・応用していないものはないといっても過言ではない程、電子技術がそれらの機器の重要な構成要素の一部となっていることは、事実である。しかしながら、そうであるからといって、それらの商品が全て電子応用機械器具の範疇に属する商品あるいは、電子応用機械器具としての二面性を持つ商品であるとみることは適切ではない。

上記した「商品及び役務区分解説」及び「現代商品大辞典 新商品版」の解説に照らしてみても、「電子応用機械器具」に属する商品であるか、「測定機械器具」に属する商品であるかは、その機器の主たる用途によって分類されているものということができる。本件使用商品は、取り込んだデータを処理するためにコンピュータを使用していることは事実であるとしても、それは、あくまでも三次元測定機の構成要素の一つにすぎないものというべきであり、本件使用商品の主たる用途は、乙第1号証等の商品説明においても強調されているように、自動車のドア・バンパー等を始めとする大型部品を高速、高精度に測定することにあり、これは正に「精密測定器」であり、商標法の商品区分においては「測定機械器具」の概念に属する商品であるといわなければならない。そして、このことは、この種商品の取引者・需要者の立場にたってみても、雑誌やカタログ等に「非接触三次元測定機」の名称をもって紹介されていれば、該機器は、測定機械器具であると理解・認識するものとみるのが自然である。

また、被請求人は、「電子応用三次元画像処理装置」(商品区分9類)を指定商品とする登録第4411249号商標(乙第4号証)を挙げ、本件使用商品も、これと同一の範疇に入る商品であり、電子応用三次元画像処理装置の一種ということができ、電子応用機械器具に含まれるものである旨主張している。

しかしながら、登録第4411249号商標の指定商品「電子応用三次元画像処理装置」は、具体的な商品の構成までは明らかではないとしても、その表示からみれば、専らコンピュータによって三次元画像処理する装置そのものであるから、これは、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであり、電子応用機械器具の範疇に属するものということができるが、本件使用商品は、測定を主たる目的・用途として機器の装置が構成されており、その一部に、画像変換処理装置が組み込まれているにすきないものであるから、登録第4411249号商標の指定商品とは、その機器の目的・用途を全く異にするものというべきであり、被請求人の主張は採用できない。

更に、被請求人は、本件使用商品においては、測定データとCADデータを比較するためのCAD用コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体等も「OPTIGO」付属部品として、本件商標のもとに販売されている旨主張して、乙第5号証ないし同第7号証を提出している。

しかしながら、本件使用商品用のコンピュータソフトウェアであれば、これが別売りされているものであっても、その用途が限定されているものであって、該測定機械器具の付属品とみるのが相当であり、電子応用機械器具及びその部品に分類されるものとはいえない。また、仮に、汎用性のあるコンピュータソフトウェアがカタログ中のオプションソフトウェアの欄に掲載されていたとしても、「OPTIGO」のカタログ中に掲載されているからといって、直ちに、該オプションソフトウェアが「OPTIGO」の商標をもって取引されていたものとはいえず、これを認めるに足る証拠もない。

そして、他に、本件使用商品が「電子応用機械器具及びその部品」として取引されていたと認めるに足る証拠は提出されていない。

してみれば、被請求人の答弁の全趣旨及び乙号各証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用されていなかったものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」について取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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