Trademark Appeal Case
LIGHT VERSIONの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−22886(T2003−22886/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「LIGHT VERSION」の欧文字を標準文字で表してなり、第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定して、平成14年10月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『軽い』及び『...版』の各意味を有する『LIGHT』及び『VERSION』の各文字を『LIGHT VERSION』と普通に書してなるものであるから、このような商標をその指定商品について使用しても、普通のものより重さが軽い『軽量版』の意味合いを容易に想起させるものであり、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する「LIGHT」の語は、「軽い」等の意味を有する英語として、また、「VERSION」の語は、「...版」等を意味する英語として、その日本語表記とともに、日常一般においても極めて親しまれて用いられている語であり、この両語を結合した「LIGHT VERSION」の語からは、「重さの軽いもの、軽量版」の如き意味合いを容易に理解・認識させるものである。
そして、釣り竿やテニスラケット等に関する業界においては、「ライトバージョン(LIGHT VERSION)」の語は「重さの軽いもの、軽量版」を意味する語として一般に用いられているところであり、このことは、例えば、以下の新聞記事情報及びインターネットのホームページ情報によっても首肯し得るものである。
(a)2002.7.26 読売新聞中部朝刊 [釣り広場]岐阜・益田川 「報知アユ」会場、良好!/天野さんの仕掛けは、竿「下野オリジナル・ライトバージョン」・・・
(b)2005.6.14 スポーツ報知新聞 「第35期報知アユ釣り名人戦」兵庫・揖保川 高橋名人が3度目の防衛
さすがに名人は周到だった。シーズン初期の名人戦用に開発したといってもよい軟調、先調子のビクトリーバージョンの竿を、ワンランク強めのライトバージョンにして臨んだ。
(c)釣具のヤマトのホームページ(http://turiguno8010.com/daiwa-m.dry.2.htm)
スーパーインターライン メガドライ エアー/ 春先の低温期に威力を発揮する超繊細軽量仕掛け対応ライトバージョン。大好評のメガドライシリーズに、細身軽量のライトバージョンが・・。
(d)PRO SHOP KATSUKIのホームページ(http://www.ps-katsuki.co.jp/2005ayu-rod/shimotsuke/victory.html)
ビクトリーバージョン90BR/使いやすさを追求し実現した、初めての軽さ、感度、操作性。現在考えうる最高の技術を注ぎ込み、完成させた下野最高峰ロッドの登場です。好評を博したブラックバージョン・ライトバージョン同様、河川において起こりうるあらゆる状況を想定しながら一流プロによる実釣フィールドテストを幾度となく積み重ねました。
(e)TENNIS SHOP RockSamのホームページ(http://www.tennisshop.jp/item/7TN15.html)
プリンストリプルスレット搭載ラケットの中でも最もしなりのあるブラスト!高いコントロール性にパワーをプラスしました。攻撃型オールランドプレーヤーラケットです。「BLASTDBのライトバージョンになっているのでより扱いやすくジュニアまでおすすめできます」
(f)HEADのホームページ(http://www.tenisu.com/crossline/cgi-bin/CartTennis/head.html)
圧倒的支持を受けるi.Radical OSに、振り易さを追求したライト・バージョン。攻撃的性能はそのままに、より多くのプレーヤーが使える新オールラウンドモデル。
(2)ところで、商標法第3条第1項各号列挙のいわゆる自他商品の識別機能を有しない商標について商標登録できないこととするのは、「これらは通常、商品を流通過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めることは妥当でないこと、また、多くの場合にすでに一般的に使用されているものであるから、これらのものに自他商品の識別力を認めることができないこと」によるものと解される(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説(第16版)」参照)。
そうとすれば、「LIGHT VERSION」の語は、「重さの軽いもの、軽量版」の如き記述的な意味合いを容易に理解・認識させるものであり、その日本語表記である「ライトバージョン」の語は、既に、多くの企業において頻繁に使用されているものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に、商品の品質を表したものと理解させるにとどまり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないばかりでなく、一私人にその独占を認めるのは妥当でないものというべきである。
この点について、請求人は、「LIGHT」の語も「VERSION」の語も、多種多様な訳語があり、これを一連に表した語は、各種辞書類にも、成語としては掲載されていないものであるから、本願商標が商品の品質等を直接的・具体的に表示するものとはいえず、取引の実際においても、「おもちゃ,運動用具」等の商品について、「LIGHT VERSION」の文字が使用されている事実は存在しない旨主張している。
確かに、「LIGHT」の語及び「VERSION」の語に多様な意味合いがあり、「LIGHT VERSION」の語が成語(熟語)でないことは、請求人の主張の通りである。
しかしながら、我が国においては、親しまれている英単語を適宜結合させて、一定の意味合いを表わす用語として使用することは、しばしば見受けられるところであり、本件の場合も、運動具や釣り具等の商品の中でも、軽さを求められる商品について、「LIGHT VERSION(ライトバージョン)」の語が使用された場合には、これに接する取引者・需要者は、該語から、軽量に作られた商品であることを容易に理解・認識するものというのが相当である。
そして、上記したとおり、釣り竿やテニスラケット等の商品については、「重さの軽いもの、軽量版」の商品であることを表すものとして、「ライトバージョン」の語が使用されている事実を認めることができる。
また、請求人は、「バージョン/VERSION」の語を含む登録例を挙げて主張しているが、そもそも、商標の識別性の判断は、各商標につき、それぞれの構成態様や取引の実情などをも勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、請求人の主張している登録例は、本件とは商標の態様を異にするものであって、事案を異にするものであるから、この点についての請求人の主張も採用できない。
(3)してみれば、本願商標は、釣り竿やテニスラケット等の商品を含むその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するに過ぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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