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Trademark Appeal Case

経営経理士の識別力と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−12664(T2004−12664/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「経営経理士」の文字を書してなり、第16類及び第35類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年4月25日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、同年12月3日付けの手続補正書によって、第16類「新聞,雑誌」及び第35類「コンピューターデータベースへの情報編集,コンピューターデータベースへの情報構築,コンピューターによるファイルの管理,会計事務の代行,財務諸表の作成,原価分析,簿記,経営の診断及び指導,経済予測,市場の調査,市場の研究,世論調査,経理事務処理の代行,事業の調査,事業の評価,競売の運営,事業の管理及び組織に関する助言,専門的な事業に関する助言,事業の管理に関する援助,人事管理に関する助言,企業における採用活動に関する指導及び助言,事業情報の提供,商業に関する情報の提供,統計的情報の提供,書類の複製,輸出入に関する事務の代行,給与計算に関する事務処理の代行,経営相談」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、下記(1)及び(2)のとおり認定、判断して、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「企業の経営、経理に関する専門の資格者」の意味合いを認識させる「経営経理士」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるが、これをその指定商品中「書籍,ニューズレター,パンフレット」に使用するときは、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)本願商標は、「経営経理士」の文字を書してなるものであるところ、これは、あたかも「経営経理士」という国家資格が存在し、これを表示したものと取引者・需要者に認識させるから、また、かつて「計理士」なる国家資格が存在し、現在においても「計理士」の名称の使用が制限されているから、これを商標として登録し商品又は役務に使用することは国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「経営経理士」の文字を横書きしてなるところ、指定商品との関係より、これが直ちに原審説示の「企業の経営、経理に関する専門の資格者」のごとき意味合いを認識、理解させるものとはいい難く、また、当審において調査するも、本願商標を構成する各文字が、本願指定商品を取り扱う業界において、取引上、その商品の品質等を表示するものとして普通に使用されている事実を発見することができなかった。

そうとすれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない。

(2)本願商標は、その構成する「経営経理士」の文字から直ちに国家資格を表示したものと認識し把握されるものとはいい難いものである。一般に、「士」の文字は、博士、弁護士、弁理士、税理士等のように法律で規定され、使用が規制されている資格名称が存在するが、他方で法律に準拠しない「士」の文字を含む名称や称号が使用されている事実もある。そして、本願商標の「経営経理士」又はその構成中の「経理士」の名称は、法律等に規定されたものではなく、格別その使用が制限されたものともいえないし、公の機関が付与する資格や称号と紛らわしいものともいい難いものである。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は国家資格を表す名称ないしは公の機関によって付与された称号等を表したものであるかの如く認識するようなことはないというべきであり、これが、直ちに国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとはいうことはできない。

また、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではないし、これを使用することが社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するようなものでもない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(3)以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第7号に該当するものであるとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものでなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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